第一列車「設定とかいろいろ」
はじめまして。あおみなとと申します。作者がノリと勢いだけで作った小説(小説とも呼べない?)ですのでお見苦しい箇所等多々あると思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
(17/5/13)ルビの追加、サブタイの数字を漢数字に変更しました。
ガタン、ゴトン。
列車が走る音といえば誰もが思い浮かべるフレーズだ。
もっとも良く耳を傾ければ、
コー(風を切る音)
ウーン(インバータの音)
ゴー(エアコンの音)
カタカタ(コンプレッサーの音)
などなど上げればキリがない。
しかしこのガタンゴトンという音は、誰もが列車だと思い浮かべられる言葉だ。
俺は今日もそんな音を聞きながら、家へと戻っていた。
◇
俺の名前は片山祐介。どこにでも居る普通の男子高校生で、成績は中の上といったところ。
外見も特徴はあまり無く、女子から告白された事もない。余談ではあるが、俺はそれほど気にしていない。
そんな俺が熱中している事といえば、真っ先にこう答えるだろう。
鉄道。
そう、俺はいわゆる鉄道オタク。その中でも写真を主に撮る、撮り鉄というジャンルに入る。
父親が新幹線の運転士だったから、自然と幼い頃から鉄道に興味を持っていた。大人になったら鉄道会社に勤める、とも良く言っていた。
小学校高学年の頃にはもう一人で色々な場所に行っていたし、中学校入学と同時に初めて一眼レフを買った。それからは毎日家の近くを走る列車を撮影しに行き、撮った写真の枚数はもはやハードディスクの容量で考えなくてはいけないレベルにまで達してしまった。
今年の春には、高校入学と同時に中級一眼レフを買った。しかも学年主任に直談判して学校にカメラを持ってくる許可まで得た。それほど俺の鉄道への熱はすごいのだ。……と思う。
そんな俺は、悲しいかな今日も学校だ。まあ四月第三週の平日に休みなどあるわけもなく、いつもどおりカメラを持って学校へ向かった。
◇
森元市。北東北では一番目の都市で、人口五十万人。森元空港からは一日に五往復東京行きが飛んでいるし、東北新幹線も毎時一時間は通る街である。
市内の交通はというと、東北本線と新幹線が街の中央を南北に貫いており、新幹線の駅である「森元駅」からは東西に私鉄の森元鉄道が伸びている。
もともとこの森元という街は山に囲まれており、鉄道が通るのが比較的遅かったのだ。なので市内交通として私鉄が大きく発展した、珍しい街である。
街そのものが東西に伸びており、とりあえず北に行かなくてはならない本線と新幹線はものの数駅で街を出てしまう。それも私鉄が成長した一因でもあるだろう。
そんな理由で森元市民が「列車」と言うと森元鉄道を思い浮かべるほど私鉄が成長したわけだが、ここで私鉄そのものを見ていきたいと思う。
森元鉄道は、現在三つの路線を有している。
森元駅を発着する「中央線」が街を南北に走り、その南からは「東三神線」が、北からは「湯海線」がそれぞれ東西に伸びている。東の終点は東三神駅、西の終点は湯海駅で、二つの路線がこのどちらにも発着している。ちなみに東三神から湯海へは東三神線の方が多少早い。
中央線は日中でも十分間隔、ラッシュ時は五分間隔で走り、東三神と湯海線は日中二十分間隔、ラッシュ時六分間隔で走行している。
列車はすべて1000系電車で、中央線は六両編成、東三神線と湯海線は三両編成となっている。増結は十二両まで可能だ。それぞれの路線を走る1000系にはラインカラーが塗装されており、中央線は赤、東三神線は緑、湯海線は黄色の色を纏って走っている。
全路線で都市型ワンマンが行われており、日中は運転士だけが列車に乗務している。車掌はラッシュ時のみ乗務し、運転士が兼務する事になっている。
とまあそんなこんなでなにげに都会っぽい感じなのが森元鉄道だ。
そして今日も、列車は走る。
ちょっと、女の子一人も出てこなかったよ!?
……すいません。僕の力ではあそこから女の子登場シーンに繋げられませんでした。
多分次回、出て来る……かもね?