7話
「いや、すまんな。何というか……そう!もっと極端な値が出るんじゃないかと思って身構えてしまったのでな、それなりのものだぞ?」
「いえ、それで、どのような、結果、でしたか?」
あまりにがっくりした俺を見かねてか、フォローしてくれたが、ある意味わかっていたことだ。『もしかして』なんて思ってないんだからね!!
「結果は、第一適性が『鋼』第二が『火』第三が『土』の三つだ。それぞれD+、D-、E-で、魔力量はD-といった結果だ」
ふむ……まったくわかりません。
「ちなみにランクは、Sを最上としA、B、C、D、E、F、Gの八つで、それぞれに+、無印、-で表されている。余談だが、それぞれの属性に対して最高の使い手を、EXランクと言ったり、適正なしのことをHランクと言ったりする」
先に言っとくべきだったな、と苦笑されてようやく『顔に出てた』と気づいた。やっぱ恥ずかしいね。だけどやっぱりそのランクが、初期値として高いのか低いのかわからないんだが……
「そうだな、Dランクが平均といえるかな?ただ君のように、複数の属性を持っていてそのうちの一つしか使わないなんて言うやつも多いしな」
要は使うヤツの中では最低クラスってことだな。いや、まだ使えもしないことについて、落ち込んでいても仕方ない。
「それで、どうやって?」
「使い方だな?自分の魔力を感じることはできるか?」
言われるままに自分の内側に意識を向けてみる。……まったくわからないな。さっきシンシアさんが魔法使ったときは見えたんだけどな?
「まあ、当然だな」
そう言うとさっさと立ち上がり部屋の中央へ行き、手招きをする。さっきまでの講義と違って実技だしな、むしろ部屋の中にいたままで大丈夫なのか?
「いきなり自分の魔力を見つけるなんて、そうそうできるものではないしな。今から君に魔力を流すから、そうだね……イメージしやすい『火』でいこうか。<火よ、灯れ>と唱えればいい」
そういって俺の背中に手を当てる。おお、何とも言葉にしにくいが、これが魔力か、っていうのを感じる。見てみると全身に光をまとっているな。これを……ろうそくの火をイメージしながら、
<火よ、灯れ>
ポッ、と手のひらから小さな灯がともる。手の近くにあった魔力が集まって火に変わったっていう感じかな?
「(一度で成功させるか……本当によくわからない子だな)」
「なに、か?」
何か聞こえた気がしたのだが、イヤなんでもない、で済まされてしまった。あ、火が消えた。
「込める魔力を増やせば火は大きくなるし、魔力を流し続ければ燃え続けることになる。質問はあるかな?」
「『鋼』とは、どういう、属性、なのです、か?」
最初は流したが、自分の第一属性となるなら話は別だ。『樹』も気になるが、(ギャグじゃないぞ!)まずはこっちだろう。
「『鋼』は、主に肉体強化の属性だな。イメージとしては、魔力の鎧を着て身体能力を上げるといったものだ。その他に、というよりこっちが本命だったんだろうが金属操作だな。剣の強度を上げたり、まるで鞭のように扱うやつもいた。変わったヤツでは、ナイフをいくつか自在に飛ばしたのもいたな」
何というか近接系だな。それに金属操作か……使いようによっては、トンデモ兵器でも作れそうだが、この言い方だと難易度が高いんだろうな。
今やったら『必要レベルに達していません』とかなる感じで。
「私が知っているのはこんなとこかな?もっと深く知りたいなら、学校の教師に聞いたほうがいい。他には?」
今聞くべきことはもうない……と思う。幸いにも学生やれるみたいだし、これからゆっくり学べるわけだし。
「それじゃあ私はこれで失礼するよ。これでもこの家の当主でね、色々やらねばならないことも多いのだよ。何かあったら、使用人に言ってくれよ?」
「お忙しい、中、ありがとう、ござい、ました」
こちらとしても楽しかったよ、と言い残しあっという間に行ってしまった。本当に忙しい中色々助かった。
ちなみに、この時の忙しさは単にアスカを中途入学させるためのもので、シンシアにとっては趣味のような時間であったということを、アスカは知ることはなかった。




