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4話

 結局その日は、それ以上の話をすろことなく終わった。理由としては、俺の体力が限界を迎えたからだ。おそらく意識を失っていた三日間は、言語の知識を整理していたため、実質不眠不休だったのだと思われる。



「まあ、よく、寝る、奴、だと思われた、だろう、けど」

 意識して声を出すことで『ネルレシア共通語』慣れておきたいと思うが、思った以上に大変だ。それとはしたないかもしれないが朝食が欲しいな。



「おや、起きていたのか。では朝食を用意させるから、一緒にどうかな?」

 突然聞こえた声に反応し、振り返る。……鈍い反応だと思うなよ?突然の出来事に身構えるなんて、そんなの一般人にできることじゃないんだ。

 そこにいたのはティーナによく似た『お姉さん』に見えた。が、なんとなく『母親』じゃないかと思う。



「やはり最初は自己紹介かな?シンシア・アーヴァンクライトという者だ。クリスティーナの母親といったほうが馴染みやすいかな?君のことはそのティーナから聞かせてもらったよ」

「そう、ですか。アスカ、です。よろしく、シンシア、さん」

 俺の勘も捨てたもんじゃないな!なんて自画自賛していたら、シンシアさんは微妙な顔をしていた。

「大抵の人は、私が母親だというとものすごく驚くんだがな」

 そう、最初に『お姉さん』といったのは過剰な表現ではなく、マジで20代前半に見えるのだ。俺が驚かなかったのは、まあ、予防線を張ったからとだけ言っておこう。



「ここの、基準、わからない、ですから」

「そうだったな。そのことで一つ言っておきたいことがあって、来たんだよ」

「なに、か」

 いきなり、真剣になったシンシアさんを正面から見据え答える。正直に言うと単にビビッてまともに動けないだけだ。


「ふむ、とはいえ私たちは騎士でね、回りくどく言ったりするのは苦手でね。だから少し『独り言』をすることにしよう。

 まず、私たちはアスカという少年を、どこかの『隠れ里』の使者のようなものだと思っているんだ。戦闘なんかはできないようだから、比較的友好的な、あるいは閉ざし続ける限界が来たため、里を解放するための情報を集める役割を持っている、とね。

 私たちは、いやこの国は戦争を是としない。これを最初に言っておきたくてね。攻撃してくれば加減しないが、友好的な相手なら無下に扱うことはない。

 とはいえ、こんなことを本人に言っても、隠れ里の出身なら『そうですかわかりました』なんて返事をするわけにはいかないだろう。本来ならそれとなくやらねばならないんだろうが、ね」



 なるほど『異世界』なんてものがなければ、俺はそういう立場の人間っていうのが妥当なのか。その『設定』は使わせてもらおう。

「話すの、早くて、わからない、でした」

 にっこり微笑みながら答えることにした。



「そうか、いや独り言だから気にしないでくれ。お、食事が来たようだな。続きは不作法かもしれないが、食べながらでもいいかな?」

「問題、ない、です」

 そうして昨晩と同じように部屋にて食事をとることになった。けど軽い軟禁状態になってないかな?



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