プロローグ2
「……なんだって?」
あまりに突拍子のないことなのでつい聞き返してしまった。
「だからこれから君をある世界に送るから、その世界を滅ぼしてほしいんだ」
「できるわけないだろ!!つか滅ぼせだと!?」
「じゃあ代わりに救ってくれ」
「はぁ?!」
イヤイヤマッテクダサイ、ナニイッテルンデスカ?
「まあこれだけ言っても意味が分からないだろうし、もう少しだけ説明するよ」
……ワザトセツメイハブイテタダロ、コノカミサマ!
「簡単に言うとだね……」
むかし神様が色々手を付けた世界の一つで今緩やかに滅びている世界なのだと。
一度関わった世界だできることならどうにかしたいと、干渉することにした。
しかし一つの世界を贔屓するのは、神様としてさすがにまずい。
だからバランスのとれるギリギリの存在を投げ入れることにした。
それが俺、松井飛鳥である。
干渉しすぎないように、最低限の情報以外は与えてはならない。
「じゃあ今の状況って……」
「あまりよろしくはないかな?まあ君の気にすることじゃないよ」
当然、松井飛鳥への干渉も禁ずる。
「おい……」
「気にしない気にしない」
最後に、結果が確定するまでその世界に対する干渉を禁ずる。
「もっと言っておきたいこともあるんだけど、これ以上は厳しいかな?」
「要は尻拭いしろってことだろ?ったく面倒な……」
「君がそう解釈してしまったのなら、私に訂正することはできないよ」
何とも引っかかる言い草だ。だがこれ以上は話すことさえ難しいのだろう。
「今の私にできることはすべてしておく……そこまで多くないし何をしたかも言えないが、あとは君にすべて任せるよ」
「なあ、世界をどうにかしろっていうのにお決まりっぽいチートっぽい力とかくれたりしないのか?」
「さっき言ったよ?『干渉を禁じる』って。でも『私にできること』はしておくよ」
まあ、言っても損はないだろう程度の質問だったのだが、「何か」助けがあるのが分かっただけ儲けものだろう。
「どんなことをしたのか、答え合わせもできないのは心苦しいが……最後の助言だ」
その言葉とともに、今までの態度が変わる。それだけ重要な事なのだろうと、俺も自然と姿勢を直し体に力が入る。
「君は凡人だ」
……ヲイ
「自分を特別な存在だと思うな。死ぬぞ」
……なるほどこれは確かに大事だろう。ついさっきまで自分で『俺はフツーだ』と言ってたくせに、今『神様に期待された存在』だと思ってしまった。そのままだったら最長でも一月もたなかったかもしれない。
「もう大丈夫なようだな」
俺が理解したのを悟ったのだろう。その手に光を集め、わかりやすい魔方陣を作りつつ、本当に最後の言葉を告げる。
「頼んだよ」
その言葉とともに光が広がり、俺の意識すらも一瞬で飲み込んだ。ああ、くそ、気の利いた返事くらいさせろよせっかちなカミサマめ。




