マグナスの一目惚れ
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マグナス 視点
俺はジェム王国に隣接する、ゾール王国の第一王子。
辺境領に近いシリン村で、夏祭りが行われる事を知り、ジェム王国の情報を得るためと、単純に他国のお祭りに興味があり、幼馴染の騎士フィンを一人連れ、シリン村に潜入した。
シリンは小さな村ではあるが、祭りをみんなで作り、飲んで食べよく笑い。
他の町や村からも人が訪れているようで、にぎやかであたたかいな祭りだっと感じた。
人混みを離れ高台から祭りの広場を眺めていると下の街道を一人歩く少女に気がついた。
初めは平民の服装なのに、髪色を魔法で操作している事が気になり、思わず駆け寄り腕をつかんでしまった。
ヘーゼルブラウンのふわふわの髪の少女が俺を振り返った。
驚いたように掴まれた腕を引き、俺を見上げる薄紫の瞳、透き通るような白い肌、小さく咲くピンク色のバラの様な唇。
そのふわふわの髪は、元々どんな色なんだろう。
少女の髪に触れそうになり、伸ばしかけた手を止め、自分の行動に驚いた。
「あーごめん。ビックリさせたね。僕はマグナス、隣の町からお祭りを見たくて来たんだ」
慌ててごまかす俺を、ぽかんと見上げるしぐさに完全にノックアウトされた。
かわいい。
平民のダンスを踊ったことはなかったが、思い切って誘ったダンスは、自分は踊った事が無いと断られたが、一緒に居たくていろいろな話をした。
俺の話に、素直に驚き、真っすぐな返事をする彼女にさらに魅かれた。
夕方になり、祭りの準備に戻ると話す彼女をこのままゾール王国に連れて帰りたい衝動に駆られるが
ぐっと我慢した。
また会いたい。
その一心で友達になりたいとお願いすると、彼女は俺の手を取り握り返し。
「はい。マグナス。お友達になってください」
キラキラの笑顔でそういった。
(この手は当分洗わない)
振り返りながら手を振り坂道を降りていく彼女を見送った。
「マグナス殿下」
そのまま彼女のいなくなった道を見つめていると、フィンが声をかけてきた。
「フィン。彼女の事を調べてくれ、平民に見えるが、髪の色を魔法で変えていた」
「髪の色を魔法で?」
「きゅる~」
グリフィンの鳴き声に水かけの始まった広場を見下ろすと、レイラがグリフィンに乗り、お祭りを楽しむ人々に水をかけていた。
「グリフィンに乗っていますね」
グリフィンを手なずけることが出来るのは、魔女か聖人。
魔女なのか?いや魔女にしては彼女の魔力量は少ない。
それに胸元に青く輝いていたあの石はたぶんラブラドライト。
ジェム王国では、あのくらいの少女が、ペンダントなど持つのだろうか?
「フィン、彼女のペンダントを見たか?」
「はい。
おそらくラブラドライトのロイヤルブルー。石の価値としてはそう高いものではありませんが、あのペンダントの細工は平民が手にできる物ではないと思われます」
「装飾の留め具に若草色に輝く石が付いていた。
あれが、デマントイットガーネットであれば希少なものだ、だだの村娘ではなさそうだな」
俺はにやりとフィンに笑いかけた。
「マグナス殿下!何か企んでおいでですね」
「そんなことない、時々レイラに会いに来る約束をしたからな、その約束を守るだけだ」
俺はフィンの小言を聞きながらご機嫌で、森に隠していたペガサスに乗り、国に戻った。
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