シリン村の夏祭り
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シリン村では、秋の収穫期を前に夏祭りが行われる。
みんなで飲んで、食べて、歌って。
最後は川や噴水の水をみんなで掛け合って楽しむ。
「レイラ!こっちの舞台にルークの力を貸してくれよ」
「いいよー。板を上げるの?ロープでルークが持てる様にしてくれる?」
「今年の舞台は派手にしたいな~」
ジュールがからかう様にレイラの頭を撫でる。
「もう!私は舞台には上がらないからね!」
「レイラ音痴だもんな~」
私は、歌おうとするとなぜか喉の奥が詰まって、うまく声が出ない。小さなころからのコンプレックスだ。
「私だってみんなと楽しく踊って歌いたいのに。。。」
落ち込む私の頭にルークが自分の頭をスリスリとこすりつけ慰めてくれた。
✿ ✿ ✿
準備が整い昼過ぎからお祭りは始まった。
「レイラー♪ うちのお祭り特性パフェ食べてってよ、美味しいベネムの実も入ってるよ~」
「リリー姉さん。食べる食べる。お祭り限定♪」
「レイラちゃん。本日限定、郵便屋ロイドおじさんの串焼きも美味しいよ~
ルークは一緒じゃないのかい?干し肉も準備してたんだがな~」
「今日は、村の外からもたくさん人が来るから、ラミばあさまがルークはお留守番しなさいって。
寂しがってたからお土産にします。
串焼きも干し肉もどちらもいただきます~。」
沢山の人が広場に集まり、食事や歌、踊りを楽しんでいる。
あの人すごくきれいな声だな~。歌が上手でうらやましい。
ロイドおじさんの串焼きを食べながら、お祭りの舞台を眺めていると
ジュールに手を掴まれた。
「おい。レイラ!俺から離れるなよ。迷子になるぞ」
「もう。ジュールったら私は子供じゃないんだからね!手なんかつながないから」
「なに言ってんだ、まだまだ十分子供だろ。今日は、村の外そとから人がもたくさん来てるんだからな、攫われでもしたらどうするんだ」
「ベーだ」
私はジュールの手を払い、人混みに隠れた。
少し人混みを抜け歩いて、村の広場を見下ろせる場所で一息つくと、村では見かけない人に急に腕をつかまれた。
慌てて腕を引く。
「あーごめん。ビックリさせたね。僕はマグナス、隣の町からお祭りを見たくて来たんだ」
銀髪の髪を短く整えた、緑色の瞳がきれいな美少年だ、私より少し年上かしら。
ぽかんと少年を見つめていると、少年はにっこり笑った。
「君の名前は?」
「レ レイラ」
「きれいな名前だね。レイラ僕と踊ってくれませんか?」
少年はきれいに一礼し手を差し出した。
「あのあの、私踊ったこと無いし、歌も下手だし」
私はみるみるうちに真っ赤になった。
「レイラは歌が下手なの?あはは。
僕もだよ、どうしてみんな上手に歌えるのかな~」
「マグナスさんも下手なの?」
「そうなんだ、殺人的に下手だな~」
「人を殺せるの!」
「殺しはしないけど、下手すぎてみんなに言われる」
「すごい私より下手な人に初めて会ったかも」
初めてあった人なのに、マグナスさんはいろいろな事を知っていて、いっぱいいっぱい話をした。
気がつくともう日が沈みかけている。
「あー。マグナスさん、私そろそろ水かけの準備をしに行かなきゃ」
「レイラ、マグナスでいいよ。僕と友達になって、また会いに来てもいいかな?」
マグナスが差し出した手を私は握り返した。
「はい。マグナス。お友達になってください」
マグナスと別れて、広場に戻るとゆでだこみたいに真っ赤に怒ったジュールにお説教された。
「ごめんジュール、隣町の人と友達になったんだ、面白い人だったよ!」
怒るジュールをなだめて、水かけの準備をする。私はルークにシートでいっぱいの水をすくって、空からみんなに水をかけ、お祭りは大いに盛り上がった。
いつも誤字脱字ありがとうございます。




