チャレンジ 最終話
読んでいただきありがとうございます。
最終話になります。
「本当に行くのか?別に行かなくても俺が全て教えてやる」
「アロ。
アロが優秀なのは知ってるし、頼りにしてるけど
学院には私が行ってみたいの、いろいろな人と友達になれるでしょ」
今日はアロとルークで空の散歩中、いつもの古城で休憩中だ。
「友達はマグナスで十分だ!」
「社交の事とか知りたいし、女の子の友達も欲しいもの」
アロがすごく反対するけど、私はこの春。
貴族学院に入学することを決めた。
勉強は大体一度読めば理解できるし、アロがなんでも教えてくれるから
そりゃ必要ないけど……。同世代の女の子の友達が欲しかった。
「アロは私の大切な人。マグナスは親友だけど、女友達にはなれないでしょ」
「俺は心配なんだ、レーアは直ぐに無理するから」
拗ねているアロの手にそっと、プレゼントを握らせる。
「これ私が作ったの。
アロの黒髪と2人の紫瞳と同じ色の石チャロアイト。
そして私の石であるラブラドライト。
この黒い皮すごく編むの難しかったのよ~。でもアロのために頑張った」
プレゼントは、黒い皮の紐で編んだアンクレットだ。
私の足にはもうはじけ飛んでしまってアロのくれたアンクレットは無いけれど
私もアロに送りたくて編んだ。
アロは眼をまん丸にしている。
「つけてあげる」
アロの左足首に、アンクレットをつける。
「わあ似合う」
あわててアロがポケットをごそごそ探っている。
「俺もレーアにプレゼントがある、左足かして」
アロは私の左足に、あの日と同じプラチナブロンドのチェーンに
チャロアイトが三個、さらにブラックダイアモンドが飾られたアンクレットをつけてくれた。
「わーきれい。豪華になってる。
アロ、これ高いんじゃないの?」
アロを見上げると紫のきれいな瞳に吸い込まれそうになる。
じっと見つめていると、アロの唇がおでこに触れた。
時々おでこにキスされるけど……。
アロとの関係はあの封印の時以来ちゃんと話せていないし。
なんだか気持ちは決まっているのに、どうしたらいいかわからない。
アロと肩がぶつかる。
「どんな時も俺が守る。だからレーアも俺を守って」
まあ。ゆっくりでいか♪
「うん。頑張る」
「きゅる~~。」
ルークも大きな声で鳴いて、二人と一頭で笑った。
✿ ✿ ✿
私の学院生活は、アロの従妹で侯爵家のソフィアと必ず一緒にいることと
アロが朝晩学院に送り迎えすること。
通信魔道具を使って、お昼には必ずアロと話すことで許可された。
お父様もお兄様達もあきれていた。
「ルシアも大変ね~。アロイス兄さまがあんなに人に執着する人だと
思いもしなかったわ~」
学院前に紹介してもらい、ソフィアとは既に仲良しだ。
今日はついに入学式!、アロと三人で馬車に揺られて学院に向かっている。
「もうソフィアが友達になったなら、学院はいかなくていいんじゃないか?」
「アロイス兄さま!諦めが悪いですよ!
ちゃんといいつけ通り、ルシアに令息たちは近づかない様にガードしますから」
学院の門をくぐり、馬車が止まった。
学院へと一歩を踏み出す。
「ルシア、先に行ってるから、アロイス兄さまにちゃんと数時間だけど
会えなくなること、言い聞かせてきてね」
ソフィアはそういって先に行ってしまった。
振り返るとアロが捨てられた子猫のようウルウルした目で私を見ていた。
王都に出てきてから、アロと離れて過ごした事が無いな……。
私もなんだか寂しくなっちゃう。
「レーア、あの沼の中で俺にいってくれたこともう一度はっきり聞かせて」
私は思い切って、アロのほっぺにキスをした。
「私はアロが大好き」
小さな声でアロだけに聞こえる様につぶやくと
アロが停止して動かなくなった。
アロを支え得ながら後ろからジョセフさんが現れた。
「ルシア様、あとはこの家令ジョセフが引き受けます、遅れないように
行ってらっしゃいませ」
「ふふ。 ジョセフさん。アロ。行ってきます」
私は二人に手を振って少し離れて待つソフィアの元に駆けだした。
ルシアとしての新しい毎日が始まる。
空は何処までも澄んで高く、なんだかルークの声が聞こえた気がした。
~ 終わり ~
初めて長い連載を書かせてもらい、つたない点も多かったと思いましが
お付き合いいただきありがとうございます。
レイラの世界を想像し、話を進めるのはとても楽しかったです。
ラミ様と国王夫婦の話とか、アロ視点とか、マグナスのその後とか
いろいろ世界は広がりますが、ここでいちど完結とします。
ここが足りないとか、まだまだ読みたいなどなどご意見、ご感想いただければ
励みになりますし。違うタイトルもしくは二部みたいな再開も検討します。
読んでいただきありがとうございました。 感謝です。




