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グリフィン乗りのレイラ  作者: とと


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封印

読んでいただきありがとうございます。

カイルさんが朝早くルーク達を連れて戻り

私達は仮の封印を施した古木のある北の地を目指した。


アロと2人でルークに乗り空を飛ぶ。


「レーア、俺のそばを離れないで」

「うん。一緒に頑張ろう」


いくつかの山を越え、ティチューバが封印されていた山の中腹にたどり着いた。


たどり着いた先にあったのは、二つに割れていて倒れた古木と

砕けて古木の根元に転がる封印に使用したアイアゲート

古木の根元には泥沼が広がり、隣にあったであろう小屋は焼け落ちている。


「は~。こりゃ完全に封印が解けているね

この間きたときには、小屋も焼けてなかったのに、何が起きたんだい」

ラミ姉さまが大きく肩を落とす。


「ティチューバは何処に行ったんだろう」

マグナスがつぶやいた瞬間、泥沼からボコボコと大きな気泡が

いくつも上がってきた。


その気泡の中心から黒いローブを着た銀髪の女性が現れた。


「あーははは。久しぶりだね。ルナ・ラミエル

驚いたろ~。この体♪ ちょうどいい拾いものを数日前にしてね~

馴染みのいい体を手に入れたおかげで生命もたっぷり食べて、魂も復活さ」


「ティチューバ!」

「パルミエさん!

どうしてパルミエさんがここに」


「やはり温情などかけず、処刑するべきだった」

ルイ兄さまがつぶやく。


「あれはもうただの器に過ぎない、体は完全にティチューバに乗っ取られているよ」


「ごちゃごちゃうるさいね。まだ日が高いうちに大勢で押しかけてきて

目ざわりなその眩しいその子まで連れてきて!私は最高に機嫌が悪くイライラさせられているよ」


ルイス騎士団長がモリオンで作った矢を構え放つ。

矢はティチューバの肩をかすめた。


「何するんだい!痛いね!大事な体に傷がついたじゃないか!

夜を待ってお前たちは全員私の糧にしてやるよ。

そうだね~。まずは眩しすぎる王女様をいただくかね」

ティチューバがそう言うと、何十本もの黒い手が私をめがけて伸びて来た。


思わず目をつぶると、体は横に弾き飛ばされた。

私を狙ったはずの無数の手にはアロが掴まっていた。

飛ばされた私は土の上に転がると、後ろからマグナスに抱えられる。


その間にもアロはティチューバと一緒に沼に飲み込まれていく。


ラミ姉さまやカイルさんルイス騎士団長がティチューバに抗戦するがティチューバの動きが止まらない。


もう一度フィンさんがモリオンの矢を放つと黒い手がいくつか弾けアロの顔を覆う手も外れた。

「レーア逃げろ!」


私は必至でアロに手を伸ばす。

「アロ。嫌だー、いかないで、マグナス離して!離して!」

アロの体が沼に飲み込まれて見えなくなる。

マグナスはしっかり私の腰を抱きかかえ離してくれない。


「離して、離して 嫌だーーーーーー」

叫びと共に私の体から光と波動が放たれ、周りのみんなが吹き飛んだ。


「アロ!」

私はすかさず沼に飛び込んだ。


飛び込んだ沼はただただ真っ暗な闇だけの空間だった。

下の方にぼんやり輝くアロを見つけた。

黒い無数の手にとらわれたままだ。


アロのところまで必死に泳ぐ様に進む。


アロ、アロ、死なないで、私を一人にしないで。

私は無心でアロに絡みつく黒い手をむしり取る。

ぶち ぶち むしる。むしる。


むしる。 むしる。むしり取る。

全てむしり取り。

アロを抱きしめる。

アロ、アロ 息をして!アロ。


アロを抱きしめる手にさらに力を込めると

今度は二人まとめて縛るように黒い蛇が巻きついてきた。


嫌だ!絶対にアロは渡さない!

アロ。眼を覚まして!


ああ。 私はアロが好きなんだ。

失いたくない。

ラミ姉さま。これが人を好きになるってことなのかな。

ぎりぎりと体が締め付けれれる。

アロと過ごした今までの出来事がどんどん頭の中に流れ込んでくる。


アロ!


「アロ。わたしアロが大好き!一緒に帰ろう!」

叫ぶと左足のアンクレットがあの日と同じように閃光を放つ

光に反応しアロの瞼がピクリと動いた。


「アローーーーー!」


私の全身が光りだす。

ああ。アロと私の魔力が混ざり合っていくのがわかる。


「レーア」

アロの体も輝きだした。

二人が放つ光はどんどん広がり、闇は光にかき消された。


闇が消えると私とアロは透明な水の中にいた。

アロが私を抱えて水面へ浮上する。


「「がはぁ」」

水面に顔が出ると、みんなが喜びの声を上げた。

なんだかみんなボロボロだ。


水面の端に黒い蛇が打ち上げられていたのを見て

ラミ姉さまがその蛇をつまんで、紫色のビンに詰めて蓋をした。


「おい。ガブリエル!封印の魔道具を早く貸しな」


「は はい」

ラミ姉さまは道具を受け取ると、蛇の詰まった瓶に巻き付ける。


「レイラ!アロにしがみ付いてないで早くこっちにおいで」

ラミ姉さまの声に私の体が浮き上がり運ばれた。


ガブリエルさんが私に鍵を差し出す。


「ティチューバさん。おやすみなさい」

そういって私はパドログに鍵を差し込み回した。

パドロックは、一瞬七色に輝いて鍵と一体化して外れなくなった。


「ああ~。一時はどうなるかと思ったが封印は終わったよ

念のため封印瓶を持ってきていてよかったよ。さすが私だね」


「封印できたの?やったー」


「やったーじゃないよ。レイアはみんなを吹き飛ばしたんだよ。

ごめんなさいが先だろ!」


ゴツンと大きな音がしてラミ姉さまの拳が私の頭に落ちて来た。

小さな時、勝手に森に入って迷子になった時以来の久しぶりのゲンコツに

なんだかうれし涙が溢れた。


そしてみんなで笑った。



あと数話で完結の予定です。

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