闇に落ちた パルミエ
読んでいただきありがとうございます。
「なんでなんで私がこんな目に合わなきゃいけないのよ」
デビュタントホールに忍び込み、あの女を始末する予定だったのに!
アロイス様を取り戻して、夫人の座に治まる予定だったのに。
何が温情で死刑にはならず、北の修道院送りよ !
何が神様よ!お救い下さいよ!
お父様も何も役に立たなかった、私を切り捨てて、自分は隠居
爵位を子爵に落とし、お兄様に家督を渡すことで私と同じように
温情を受け、今頃領地でぬくぬくと暮らしているんでしょうよ!
「あーイライラする」
数日前、修道院の生活に耐えられなくなり抜け出したはいいけれど
近くの街に居たら連れ戻されるし、隠れられる場所を探してさまよっていた。
今は街で洗濯物を盗み修道服を捨て、山の中腹に見える小さな小屋を
目指して道を進んでいる。
空腹を紛らわせるため、落ちている枝をバキバキと折りながらひたすらに進む。
あの山小屋なら誰か住んでいても、私のことは知らないだろうし、この美貌で何とかなるわね!
「だれもいないか……。」
辿り着いた小屋は荒れ果て、誰もいなかった。
近くには大きな古木があり、根元には泥沼が広がっている。
「陰気な所ね~。 せめて何かないかしらね~」
山小屋の中に入ると、蜘蛛の巣だらけで荒れてはいるが
家主は女性だったのか、タンスやメイク道具があった。
「中身は空か~」
タンスの引き出しには何もなく、キッチンも何もなし。
ふと目に留まった、割れた鏡台の引き出しを開けると、卵を半分に
カッティングしたような、黒いダイアモンド?が輝くブローチが入っていた。
「ラッキー大きくてパッとしないけど、いい石じゃない。
こを売れば遠くに逃げることが出来る。
そしてもう一度アロイス様に会いに行くのよ~ 私は悪くないわ
アロイス様ならきっとわかってくれるはず」
引き出しのブローチを手にした瞬間。
私の体は、黒いけむのようなものに包まれ小屋の外の沼へとずるずる引き込まれる。
「た たすけ……。」
ぶく ぶぶく。
そこで私の意識は無くなった。
✿ ✿ ✿
静かなもろの中で、古木に刺さっていたアイアゲートがはじけ飛んだ。
ティチューバ 視点
アハハ~。
この15年、もとの体は朽ちてしまってどうしようかと思っていたが
良い拾いものをした。
久しぶりに晴れやかな気分だね~。
私は沼から抜け出すと、力を確かめるため小屋をも燃やしてみた。
小屋は一瞬で黒い炎に包まれ、燃え落ちる。
良いね。この体は悪意に満ちていて私に馴染むよ。
ちょっと腕慣らしに行こうかね。
近くの街を焼き払おうか!
「アハハ!」
短めですみません。
ティチューバ復活です。




