シリウス(ペガサス)とお散歩①
読んでいただきありがとうございます。
「ルシアは、大変な目にあったんだよ。無理に会わせたくない」
「レーアはまだ療養中だ。会う必要はない」
「そんなこと言ったって、他国の王族なんだぞ!
デビュタントがあんな形でお開きになり
ルシアのお披露目も十分にできていないんだ。
あと数日で、国に帰る王子たちもいる、婚姻はさておき
王族同士、親交を深める事は大切だ、ノアも子供みたいなことばかり
いつまでも言うんじゃない」
デビュタントから数日後、各国の王子達が私を心配して
会いたいとの申し入れが、あの日以来毎日届けられている。
そしてルイお兄様VSノアお兄様、アロがどちらも譲らない構えで
もう30分以上堂々巡りだ。
「あの、お父様はなんとおっしゃっているの?」
私の事なのに……いたたまれなくなり割って入る。
「父上は、ルシアの体調次第だが、経験を積むためにも何らかの方法で
交流はした方がいいとの意見だ。
ルシア、私もそう思うよ。そばには必ず私達がついている様にするから」
「兄さま達が一緒ならみなさんにお会いするわ」
「ルシア。無理しなくていいんだよ、機械はまた作ればいいから」
ノア兄さまが私の背中をポンポンする。
「ありがとうノア兄さま。でも私頑張る」
「頑張りすぎるから心配なんだよ~」
話し合いの結果2日後、第一陣で帰国される方々の送別のため開かれる夜会に
私も参加する事となった。
✿ ✿ ✿
「初めてごあいさつさせていただきます。
ルシア王女殿下、今日の装いも美しいですね
先日は大変でしたが体調はいかがですか?」
「ご心配いただきありがとうございます。ジェイコブ王子殿下」
今度はグレール王国のジェイコブ王子だ……。
本当に記憶力だけは良くて助かった。
体調を考えダンスは皆さんにご遠慮いただいて本当に良かった。
しかし今夜私はいろいろな人と、たくさんお話をした。
アロやお兄様達が助けてくれたし、失敗はしていないはず。
「あぁ~、人がたくさんいるところにはまだ慣れないな~」
私は一人になりたくて
夜風にあたるためにテラスに出たが直ぐに声を掛けられた。
「レイラ」
「マグナス」
「ようやく話ができる。レイラは人気者でいつも周りに人がいるから」
「マグナスもそうでしょ~。私もいちお姫様だから。
みんなが助けてくれるの」
「レイラの事なら、お姫様じゃなくても俺は助けてやるぞ」
「はは。ありがとうマグナス。ああ!マグナスなんて呼び捨てはダメよね
マグナス王子殿下」
「二人の時はいいよ」
「ところでレイラはなんでシリン村にいたの?」
「んん……。マグナスの事は信用してるけど、お話ししていいか私の
判断だけではできなくて、ごめんね」
「いいよ。いろいろあるんだな。
それより村で話したペガサスを連れてきてるんだ」
「ええ~。見たい、見たい、乗りたい♪」
「俺はもう少し滞在させてもらうし、許可が出れば乗せてあげたいけど」
「ほんとに~! 今すぐルイ兄さまに相談してくる」
テラスから急いで戻ろうとするとマグナスに手を引かれた。
「マグナス?」
「もう少し一緒にいてくれないか」
「うん。なにか別の話があるの?」
マグナスを見上げるとサッと眼をそらされた。
「やや。あの、レイラの髪は本当にきれいだな~
月明かりに照らされてキラキラしてる。ゾール国にはあまり無い髪色なんだ」
「マグナスの髪もキラキラしてるよ~。サラサラでいいな、私はくるくるだから」
「ふわふわでかわいい。 あっ あの、触れてみてもいいだろうか?」
「駄目だ!」
後ろから不意に声がして、私はアロに引き寄せられた。
アロは私を背に隠し、マグナスと睨み合っている。
「ああああ あの二人とも……。ああそうだ、アロ、マグナスがペガサスに
乗せてくれるって」
「ペガサス?」
「我がゾール国ではジェム王国でいえばワイバーンを有する騎士団と同じ様に
ペガサスを用いた騎士団を有している」
「ペガサスは、陸を駆ける事もできるのか?」
「もちろんだ、馬と同じように駆けることができるぞ」
「本当か……。そうだとすれば」
アロがいきなりマグナスに礼をとった。
「マグナス第一王子殿下、後日正式に申し入れるがまずは私に
ペガサスを見せていただけないだろうか?
これはルシア王女殿下にもかかわる重要な提案だ」
アロが、私をルシア王女殿下って言った!重要な事なのね。
「リファン公爵令息 アロイス殿。
こちらに来る際に数頭ペガサスは連れてきている、会わせることは可能だ
ルシア王女殿下にも今乗せてあげる約束をした」
「それでは明日にでも、こちらの根回しは私が行います」
マグナスとアロはがっちり握手を交わした。
ん?どうなったの?
一話で乗るところまでいかずすみません。




