みんなの前で初めてのダンス
読んでいただきありがとうございます。
参加するみんなが入場し終わり。
お父様が、みんなへの祝福の挨拶と、病弱だった私を初めてお披露目できることを
みんなに綸言した。
「レーア。これからダンスまで少し挨拶が続くから、俺に寄りかかって
足は痛くない?」
「ありがとうアロ。大丈夫よ」
アロと目が合い、微笑み合うと周囲に小さなざわめきが起きた。
「あのアロイス様がほほ笑んでいらっしゃるわ」
「ルシア様のかわいらしいこと」「お二人ともお美しいわね~」
「やはりお二人は婚約されたのかしら」「まあ今日発表されるのでは?」
「もしかしてこのままダンスを?」「アロイス様がダンスを?」
ざわざわといろんな声が聞こえてくる。
「レーア。周囲の声は、レーアがかわいいってとこだけ聞いておけばいいからね」
アロが私の腰をグイっと抱き寄せた。
周囲に小さな悲鳴が上がる。
「さあ。そろそろダンスの時間だ」
デビュタントでのダンスは、その年に一番身分の高いものが一曲踊り
その後みんなでダンスを踊る。
今年はもちろん私の身分が一番高い。
「はい。アロ。頼りにしています」
挨拶が終わり、私とアロはホールの真ん中に進み出る。
アロと向かい合い、挨拶をすると楽団の演奏が始まった。
「俺の眼だけ見ていて」
アロがほほ笑み、ダンスをリードする。
この日のためにいっぱいいっぱい練習した。
やさしいアロのリードと笑顔に、私もついつい笑顔になる。
わあ~。ダンスって楽しい。
あっという間に曲が進んでいく。
このステップの後、ここで最後、ぴたっと止める!
「上手にできた」
「レーア、完ぺきだったよ」
みんなに向けて挨拶すると大きな歓声が上がった。
嬉しくてアロを見上げると、アロもにっこり微笑んでくれた。
周りに続いてダンスをするために、デビュタントのみんなが集まってきた。
「レーア、俺たちは、少し休もう」
「うん。安心したら喉が渇いた。何か飲んでもいいのかな?」
ダンスの輪の中から抜けたところで、後ろから声をかけられた。
「レイラ」
思わず振り返るとそこには、異国の正装に身を包んだマグナスが居た
「やっぱりレイラだ。眼がまん丸だよ。驚いた?」
マグナスが近づくと、アロが私の前に出た。
「これは失礼。私はゾール国 第一王子 マグナスと申します。
ルシア王女。 私と一曲踊っていただけませんか?」
マグナスの差し出した手には、私がプレゼントしたブレスレットが付いていた。
驚いて、どうしていいかわからずにアロを見上げる。
「ルシア王女殿下は、緊張の中ダンスを踊られ、疲れて休憩するところです
またの機会に」
アロが断りを入れてくれている途中で、マグナスはさっと私の手を取った。
「ではこの曲が終わるまでの少しの間だけ」
マグナスはアロの制止も聞かず、私の手を引きそのままダンスの輪に加わった。
✿ ✿ ✿
マグナス 視点
やったー。
あの黒頭からレイラを取り返した~。
俺はレイラの手を引きダンスの輪に入ると、直ぐにレイラとダンスを始めた。
手を取り、見下ろすレイラのかわいいこと。
腰を支える手に力が入る。
「無理に誘ってごめんね、レイラ」
「マグナス。王子様だったの?」
「レイラこそ、王女様だったの?ダンスもすごく上手だ」
「ああ あの時は、本当に踊ったことがなかったんだよ」
「じゃあ。すごく頑張ったんだね。それより僕からの贈り物届いた?」
「うん。きれいなハンカチとイヤリングありがとう」
レイラが俺を見上げながらほほ笑む。
ああ~。曲よ終わるな、フィン!何とか演奏を引き延ばせ!
この手はもう二度と離さない。
( *´艸`)




