ついに迎えるデビュタント①
読んでいただきありがとうございます。
「夜会に出るための準備ってほんとに大変なのね~」
私はデビュタントの10日ほど前から
お母様の【デビュタント成功させるぞ!】強化期間に入り。
ダンスレッスンの数が増え、お肌や髪のケア、マッサージ、ドレスの仮縫いや
調整などなど分刻みのスケジュールだ。
「頑張って下さい、ルシア様。
みなさんデビュタントの中で、ルシア様が輝ける様に準備しておりますから」
「はーい。でも何度履いても、あの踵に棒の付いた靴には慣れないの、転んでしまったらどうしよう」
「大丈夫ですよ、ルシア様は上手に踊れています」
アルバに足をマッサージしてくれながら慰めてもらい、頑張る毎日だ。
「隣国からの参加者のリストもできていますので、眼を通してくださいね」
「はい。頑張ります」
マッサージを終え、私はリストに眼を通した。
「ポートモル王国は、ジル第二王子
グレール王国は、ジェイコブ第一王子
ゾール王国は、マグナス第一王子、マグナス。
「さよならも言えないまま、村を離れてしまったけど、マグナス元気かな~。
アマンダさん。マグナスに贈り物渡してくれたかな。
そういえば、ゾール王国にはペガサスがいるんだっけ。
乗ってみたかったな~。
それにしても来るのは王子様ばっかりね」
私がぶつぶつ言いながらリストを確認していると、ラミ姉さまが私の頭にポンと手を乗せた。
「そりゃ、レイラをお嫁さんにするために会いに来るんだよ」
「えええええええ!」
「お嫁さんて!私が王子様と結婚するの?」
「どうかね~。レイラは好きな人はいないのかい?」
「んー。好きとか、まだ良くわからない」
「アロイスはどうだい?」
「アロ。好き……。そうね一緒にいたらすごく楽しい」
「そうかいそうかい」
「そういえば、今日久しぶりにシリン村に行ってきたよ」
「わあ。みんな元気にしてる?」
「ああ。元気でやってるよ。ジュールが今度いつレイラに会えるのかって
しつこくてね~。
あとそうそう。アマンダからこれを預かったよ」
ラミ姉さまが、小さな包みを私に差し出す。
「なに?もらっていいの?」
「祭りのときにマグナスって子と友達になったのかい?」
「うん。隣町に住んでて、ペガサスに乗せてもらう約束したんだけど
急に村を離れることになったから、挨拶できなくてお餞別に、組みひものブレスレット
アマンダさんに渡してもらえる様にお願いしたの」
「じゃあ。そのお返しだね。開けてみな」
包みを開けると小さな金糸で縫われた羽の刺繍がある
紫色のきれいなハンカチにとキラキラした緑の石が付いたイヤリングが入っていた。
「ふーん。フローライト、石と言うよりは色か 緑……。
その友達はいいとこの子なのかい?値のはりそうな石だね」
「うーん詳しく知らないけど、仕事でゾール王国に行ったことがあるって
言ってた。親戚がいて、その子がペガサスに乗せてくれるかもって」
「ふーん。それであんな張り切った結界張ってたのか……」
「なになに?」
「まあいいよ。そのイヤリング貸してごらん」
ラミ姉さまはイヤリングを受け取ると、手に握る。
「追跡も付与も付いてない様だね。心配しすぎか。」
そう言うと、ラミ姉さまはイヤリングを私に帰し、部屋を出て行った。
「ちゃんとマグナスにブレスレット渡ったんだ。
良かった。元気にしてるかな」
次はデビュタント当日です。




