マグナス殿下の 難渋
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マグナス 視点
「マグナス殿下、シリン村の結界が解けていて村に入ることが出来ます」
「本当か!」
久しぶりにレイラに会える。
「まさか、今すぐ行こうとしているわけではありませんよね」
出かける準備をする俺をフィンが冷ややかな目で見ながら言った。
「当り前だ!直ぐに行く、もう1か月近く会ってないんだぞ」
「ちゃんと公務を終えてからにしてください、だいたい!この間だって
勝手に抜け出して」
「わかったわかった。今日は仕方がないからお前と一緒に行く、しかしレイラと話すのは俺だけだぞ」
「今日の公務はちゃんとやってからですよ」
「もうほとんど終わってる!あと数枚確認するだけだ!」
「数枚なんですから直ぐに終わらせてください」
「わかったよ、やればいいんだろ」
「そういえば、前にレイラと話した時、ペガサスに乗せてあげる約束をしたんだ
凄いかわいい笑顔で喜んでいた。
はあ~一緒に乗りたいな~」
「マグナス殿下。顔が緩みすぎです。ペンが進んでいませんよ!仕事が終わりませんよ」
✿ ✿ ✿
仕事を終え、俺とフィンはシリン村に向かった。
張られていた結界は無くなっていて、森の小屋にも直ぐにたどり着けたが
レイラの姿を見つけられない。
町に探しに出ると。パン屋のおばさんが声をかけてきた。
「そこのお兄さん、もしかすると夏祭りで知り合ったレイラのお友達かい?」
「はい。そうです、そうです。少し仕事でこちらに来られなくて、レイラは今どこにいますか?」
「名前はなんて言うんだい?」
「マグナスです」
「正解。 じゃあこれをやるよ」
そう言って小さな包みを渡された。
「レイラはね、ちょっと親族に急な不幸ができたみたいで、いろいろ助けてやなきゃいけなくなってね。寂しいがシリン村から出ていくことになったんだ。
今は王都に居るはずだ、ルークでくれば一日もかからないから落ち着いたらまた遊びに来ると言っていたがね」
「ほんと。寂しくなっちまったよ、親代わりのラミばあさまなら時々俺たちの薬を届けに来るがな~」
向かいの野菜売りのおじさんが声を掛けてくる。
「兄さんにも、
村を離れる事伝えられなくて残念がってたよ」
「レイラ」
包みを開けると組紐に、小さな緑と青の混ざったラブラドライトが付いたブレスレットが入っていた。
「兄ちゃんはブレスレットかあ、おれはこのタオルをもらったよ~」
「わたしはスカーフ。かわいいだろ」
「あの。 明日また来るので、わたしからブレスレットの返しを渡したいのですが、そのレイラの親代わりの方に渡していただく事はできますか?」
「ああいいが、いつ来るかわかなないよ、それでもいいのかい?」
「もちろんです。また来ます」
俺はおじさんとおばさんに礼を言い、急いでフィンの待つ森に戻った。
「フィン!フィンどこだ」
「どうされました」
「レイラが村を離れていた」
俺は聴いた情報をフィンに話した。
「一カ月ほど前と言うと……。ジェム王国では今まで離宮にひきこもり姿を見せなかった、ルシア王女が時より城内で目撃されるようになった頃ですね」
「やはり王女である可能性が高いか。」
「シリン村で親代わりだった、老婆が時々村の者に薬を届けに戻ってくるようだ、その者にプレゼントを渡してもらえる様にパン屋の女将にお願いしてきた。
そのプレゼントに追跡魔法をかけよう」
「マグナス殿下!他国に追跡魔法はさすがに……。ばれたら一大事です」
「ではどうしろと」
「プレゼントは殿下の気持ちのこもったものを送りましょう。ジェム王国の城内の事は私が別で調べてみます」
「あーーーー。上手くいかないな」
俺はブレスレットを強く握りしめた。
「ジェム王国のデビュタントは隣国も招かれるはずだな、まして今年は王女殿下のお披露目だ。
俺はそれに乗り込むぞ」
フィンが頭を抱えた。
✿ ✿ ✿
その夜。
悩みに悩みレイラにきれいな薄紫に金色の小さな羽の刺繍が施されたハンカチと
俺の瞳に似た緑色のフローライトを細工したイヤリングを送る事にした。
直接渡したかったな~。
本当は、エメラルドを送ろうとしたのですが。
フィンに、平民のお友達ではなかったのですか?と却下されました。
( *´艸`)




