魔塔へ
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泣いて、ぱんぱんに赤く腫れた眼をアロが魔法で治してくれた。
ルークとラキにお別れして、お城に隣接する魔塔に向かった。
魔塔の入り口は、アロが扉に手をかざすと音もなく開いた。
魔塔は外から見れば、つるんとした塔だが、ラミ姉さまのお家みたいに中はとても広かった。
アロに手を引かれてずんずん進む。
螺旋階段を上ると、また大きな扉があり、入るといきなり誰かがアロに突進してきた。
「魔塔長―」
ばん!
突進してきた男性は、アロの防御魔法にはじかれ、床に転がった。
「魔塔長の代わりに頑張って働いた僕を飛ばすなんて酷いですよー」
「ガブリエル、今日からお前が魔塔長だ」
「ずっと留守にして、突然来たと思ったら何を言ってるんですか」
「既に、国王陛下の許可は得ている。書類も提出済みだ。
あとガブリエルには、魔塔の仕事とは別に頼みごとがある」
ガブリエルさんは、起き上がりがっくりと肩を落とした。
「もう受けるしかないのですね。
さらに頼み事とは何でしょう?」
ようやく顔を上げたガブリエルさんは、私と手をつなぐアロの姿を見て凍りついた。
「ま ま まままま 魔塔長?いや仕事のし過ぎで幻覚が見えておるようです、どなたか魔塔長と間違えてしまいすみません」
「ガブリエルふざけているのか、時間がないから話を進めるぞ」
ガブリエルさんはメガネのレンズを袖で拭きかけなおすとまじまじと私達を眺め「はい」と小さく返事をした。
「ところで魔塔長、そのかわいいご令嬢はどちら様ですか?」
「見るな!そして魔塔長はガブリエルお前だ」
「はい!」
ガブリエルッさんは、びしっと背筋を伸ばし、横を向いた。
ちらりと目が合う。
「彼女は私が魔力コントロールを教えているレーアだ。レーアと呼んでいいのは私だけだ」
アロを見上げるとこくりと頷いた。魔塔に入る前に、名前はレイラと名乗る様に言われている。
「ガブリエルさん。初めまして、私はレイラと申します。よろしくお願いします」
「こちらこそ私は魔塔の副長を務めております、ガブリエルと申します。」
にっこりと笑い、ガブリエルさんが私に差し出した手は、アロによって叩き落された。
「何度言わせる、お前が魔塔長だ!レーアに触れる事は禁止だ」
「はい!」
ガブリエルさんの背筋がまた伸びる。
「10日後から地下の訓練場をレーアの魔力コントロール訓練に使う。ガブリエルには時々その訓練に立ち会ってほしい。時期を見て国王陛下から任務の指示が出る、お前の魔道具作りの技が必要になる」
「わかりました。準備しておきます、しかし 魔。。。アロイス様は、魔塔長をお辞めになりどうなさるのですか?」
「私は公爵家を継ぐ」
「えー!あれほど嫌がっていたではありませんか」
「うるさい!」
「アロ。(お顔が怖い……)」
アロを見上げるとアロはにっこり微笑み、ガブリエルッさんがまた凍りついた。
「失礼します」
そこにゆるいカールの銀髪に、瞳もグレーでキラキラした。
きれいなお姉さんが入ってきた。
(#^^#)




