ティチューバ:闇を抱く魔女
読んでいただきありがとうございます。
「ティチューバは、まだ死んでいないよ」
ラミさまがみんなの顔を見渡す。
お父様とお母様が固い表情で息をのむ。
「ここに来る前に、確かめて来たよ、北東にあるティチューバの住まいをね。
久しぶりに行ったが、相変わらず居心地の悪いところだったよ」
「ティチューバは、大きな古木の中で力の回復を待っている。古木にはスモーキークオーツの矢が刺さっていて、今にも朽ちそうだった。
手持ちがそれしかなくて、アイアゲートを応急処置してきたが。
15年前にティチューバに使った矢は、スモーキークオーツかい?」
「ルイス騎士団長を呼んでくれ」
✿ ✿ ✿
「ルイス・グラント参りました」
「ルイス騎士団長、来てくれてありがとう、そこに掛けてくれ」
ソファーの少し離れたところに椅子が置かれた。
「失礼します」
「あんたが、15年前にティチューバに矢を放った騎士団長かい?」
「はい。私も深手を負っておりましたが、心臓をめがけて放ちました。
確実に当たったと思います。使用した矢はスモーキークオーツで作られたものです」
「魔女の心臓は、他の人間と同じ場所にはないんだよ、かなりの痛手だったようで、あのティチューバが直ぐに出てこられないくらいにはね」
ルイ兄さまが立ち上がる。
「ティチューバをご存じなんですか?」
「あぁ」
ラミさまは、小さくため息を履くように答えるとぽつぽつと、昔話を始めた。
「ティチューバも昔はいい奴だったんだよ。
ある男に恋をして、裏切られ殺されそうになるまでは。
大体あの子は、男を見る目がないんだよ。
顔はいいけどろくでも無い奴でね。
ティチューバの魔力と煎じ薬をいい様に使って、ティチューバの存在が面倒になったからって、殺そうとしたんだよ。
めった刺ししてね。
ティチューバは、周囲からの邪念や、裏切られた悲しみ、怒り、体の痛み。。。
渦巻く負の感情に、闇落ちしそうな所をなんとか私が助けた。
それからは、ひきこもっていたかと思えば、時々出てきては悪さをして憂さ晴らしするようになり、みんなが知るところのティチューバの出来上がりさ。
簡単に話すとこんな所かね。
まあ。レイラの光が相当に眩しかったんだろうね、わざわざ出向いて悪さするほどに」
ガン!
ルイ兄さまがテーブルを拳で叩き、大きな音がした。
「たとえ、どんな不幸に見舞われたとしても、何の関係もないルシアの命を奪おうとしたり、母上をあんなに傷つけていい道理はない!」
「ルイ、落ち着け」
お父様に促され、ルイ兄さまがソファーに座る。
「気持ちはわかるよ、私もレイラにした事を許す気はない
これからその作戦を話そうじゃないか、それにはレイラの力と、アロイスの協力が必要だ」
✿ ✿ ✿
ラミさまの作戦は、浄化の力を強めるため、モリオンで古木ごとティチューバの封印を行う。
封印するために、私の力を開放する。
その力を自分でコントロールできるようにする。
コントロールできる様になったら、ラブラドライトの力を使い、ティチューバの闇を完全に浄化するという方法だ。
(*^-^*)




