6 芋
よし、間に合ってない!
事実、カイトの予想通り……というよりは、偶然に向かってくる者たちがいた。
忍者、ロボット、骸骨の3人組。
中央寄りの激戦区から、物資の関係で逃げてきたパーティだった。
「他、いるかな?」
「わざわざ聞かんでも、そりゃいるでしょうに」
骸骨と忍者が話す。
彼らはアマネの戦闘音が聞こえていなかった。
しかし、激戦区に降りる自信がある程度には、実力のあるパーティだ。
楽観的な行動はしない。
「どうする。リーダー?」
ロボットを使う先頭のリーダーは、マップを見た。
安置はここより東側にずれている。
「このままだと、結局はジリ貧だろ。さっさと行くぞ」
彼らのパーティは街に付近する。
街にある建物の扉は開いておらず、窓から人影も見えない。
さらに接近しても、足音ひとつ聞こえなかった。
「ワンチャン、誰もいないかもな」
そう思い、リーダーは意気揚々と扉を開けた。
扉の左右に、角待ちしている2人がいるとも知らずに……
カイトとアマネは、同時にトリガーを引いた。
消し飛ぶ相手のHPバー。
【あなたが『納豆もち』をキルしました】
『”ふ”ざ”け”ん”じ”ゃ”ね”え”え”よ”!!』
オープンマイクから、何かを叩く音と怒号が聞こえた。
即座にアマネはバッと外へ飛び出す。僕もそれに続いた。
後ろに残った2人は、まだ反応できていないようだった。
銃すら構えていない。
もはや、カカシのようなものだ。
「マヌケ共がァ」
テンションも爆上がりで、アマネの口調が悪くなる。
ゲーマー特有の、いい表情をしているのが目に浮かぶ。
相手も回避行動をするけど、無駄だ。
先に撃ち始めて、こっちが負けるはずがない。
僕たちが体力を半分削って、ようやく撃ち返してきた。
頑張っているのだろうけど、有利は覆らない。
【アマネが『ぺぺぺぺーぴ』をキルしました】
【あなたが『死神探偵ハンター』をキルしました】
そして、積み上がる3つのアイテムボックス。
対戦相手は今頃、キレ散らかしていることだろう。
無理もない。これは撃ち合いですらなく、完全な不意打ちだ。
「やってる側は、楽しいんだけどね……」
僕は申し訳なさそうに言う。
なぜなら、僕自身がこういう行為を、何度も何度もされてきた側だからだ。
「いや本当に……最高だな」
ごめん、嘘。
ニコニコ笑顔である。
ちなみに、アイテムボックスから奪える物資は……正直、あんまり良くなかった。
「フハハハハハ。最高だわ。アタシたちが最強よ!!」
テンションが上がりすぎて、魔王のような笑い方をするアマネ。
「お、おう。ナイス」
でも、これは大会だ。
アイテムだけでなく、キルすることで勝つためのポイントが加算される。
それが一番の目的だ。
【警告・ダメージエリアの収縮が始まります】
そんなこんなしていると、警報が鳴った。
「もう物資もないし、ぼちぼち移動するわよ」
テンションを切り替えたアマネが指示をする。
「わかった」
僕はボックスから回復アイテムを回収して、移動を開始した。




