表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/5

1 弱者

web小説らしく、サクッと読める感じにします。

ゲームの知識がなくても、割と読めるようにがんばる。


あと、区切りまで毎日投稿します。


「おい。てめーのせいで負けたじゃねぇかよ!」


 通話越しに飛んでくる暴言、目の前に広がる”敗北”の二文字。

 順位は12位。


「なんでそんなに弾が当たんねぇかなぁ…」


 ゲームの画面に映し出される、自分と仲間の死体。


「あっ。ごめん」


 それは、いわゆるバトロワ。

 カイトが瀕死の敵との1v1に負けたせいでの敗北であった。


「もう二度とお前とはやらねーよ」


 通話のグループから一人抜けた。


「俺もさ、カイトとやるとマジ、ランク下がるから」


 そうして、また一人抜けた。

 残ったのはカイトと、敗北のリザルト。

 降格したランクは、ゴールドのどべ、全体だと下から35%ぐらい。


「…わかってるよ。僕が雑魚だったことぐらいさ」


 ゲームから、スワイプで切り替えた空間。

 そこは教室だった。

 教室の男女は誰しも、ジャンルは違ってもゲームをしている。

 黒板に書かれているのは基本的なFPSゲームの勝ち方と、マップの説明。


「マジ、僕って才能ないんだな……」


 時は2681年。

 もはや義務教育と同じように、ゲームは生きる原動力として当然に受け入れられる時代だった。


「はぁ…」


 しかし、そんな世の中ですら現実というのは上手くいかないものだ。

 特にカイトはそうだった。

 ゲームのランクという、絶対的な実力主義。

 実力が平均以下のカイトにとって、これほど難しい世もなかった。 


「でも、好きなもんは好きなんだよ」


 デジタル空間である教室の壁に掲示された、バトロワの大会、その告知。

 一か月後に行われる学校での対抗戦だった。

 その上位チームは県大会に進み、名を轟かせる。


 カイトにとっての憧れだった。


「…」


 けれど、下手くそのカイトと組んでくれるメンバーなど、そもそも存在する訳もなく…


 ドンッ!

 突如、カイトの机が叩かれた。


「ねぇ、なにみてんの?」


 クラスの女子、アマネだった。

 見た目は主に、ロングヘアのアニメキャラ風のアバターを愛用している。

 いい奴だけど、口調が男勝りなのもあり、クラスじゃ若干の変わり者。


「あぁ、いや。なんでもないよ」

「ぼさっとしてるから、雑魚なのよ。アタシみたいに、もっとシャキッとしなさいよ!」


 …雑魚。何度も言われているが、改めて言われるとムカつく。

 しかし、彼女はそれだけの実力を持っていた。


「頑張れば、カイトもトップ500ぐらいにはなれるわよ」


 アマネは強かった。

 高みであるトップ500が通過点でしかないぐらいには。


「はは。無理ですよ…僕には、何百万人がプレイしてると思うんですか」

「無理っていうから無理なのよ」


 傲慢な考え方だと思った。

 そう言い切る様子が、やけに眩しくて、少しだけ腹が立った。


「…アタシ、見てたの知ってるわよ。大会でしょ。勝てるわよ」

「無理だよ」


 僕には無理だろう…少なくとも今は。


「一緒にやろう」

「……?」


 今の一瞬、僕は理解が追い付かなかった。


「……アタシもこんなだから、一緒にやるやつがいないわけなのよ」

「え。本当に?」

「そうよ」


 こんな、何気ないこれが。僕の運命の、そして『最強』への始まりだった―――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ