九月二十日
~(中略)~
<日記>
九月二十日(金)
今日は放課後に優真くんのお家に行きました。文化祭の道具作りを優真くんが手伝ってくれると言うのでお言葉に甘えることにしたのです。
一人分の仕事を二人でやったのであっという間に終わり、まだ時間があるね、何しようか、という流れで、エッチをしました。
余韻に浸りながらお喋りをして、制服を着終えたところで優真くんが「気になっていたことを言ってもいいか?」と言い出したのでびっくりしました。わたしの方は見ていなくて、使い終わったゴムとティッシュをビニールに入れています。ご家族、特にお師匠さんであるお姉さんに見つからないように、といういつもの偽装工作です。見慣れた光景なのに、今日は嫌な予感がしました。
嫌な予感も何も、わたしには思い当たる節がたくさんありました。声が大きすぎるとか、たまに自分でも驚くような汚い声が出ちゃうとか、いつもタオルやシーツを汚しちゃってるとか、わたしばかりよくしてもらっているとか、恥ずかしがって上になりたがらないとか、ちゃんと気持ちいいと伝えられていないとか、こんなわたしとじゃつまらないんじゃないかとか、飽きちゃったのかなとか……。振られるのかも、と想像したら、さっきまでの幸せが一瞬で引いて身体が冷たくなりました。
なに、と硬い声で訊くと、優真くんは少し躊躇ってから、「俺たちしすぎだと思うんだけど、紗代は嫌じゃないか? もっとデートっぽいこともしたいんじゃないか?」と言いました。
振られるんじゃなかった、と思ったら力が抜けて、涙がこぼれそうになりました。急いで上を向かなかったら危なかったです。
思えば、最初にしたときの激痛が噓のように、二回目では、あれ、いいかもと思って、三回目からは正気を保てないくらい気持ちよくなって、わたしはすっかりエッチが好きになってしまっていました。お姉さんが講義を取っていない月曜日とご両親がお休みの土日以外は、あれこれ理由をつけては優真くんのお家に行こうとして、エッチを期待していました。一応言い訳をすると、気持ちよさに負けたのではなく、優真くんがわたしを理解してくれて、わたしが喜ぶことをいっぱいしてくれて、優真くんを直接感じられて、それで愛されていると実感する瞬間が堪らなく幸せで、やめられなくなったのです。
だから、嫌なんてことはありません。嫌なわけがありません。勇気を出して、嫌じゃないよと伝えました。すごく気持ちよくて、するたびに優真くんのことを大好きになって、とっても幸せを感じるよ、と言えました。
優真くんは安心した顔をして優しく抱き締めてくれました。ありがとう、でもちゃんとデートもしような、と言われたので、大人しく頷きました。欲を言えば、デートもエッチもしたいです。一緒に暮らせればこの悩みは解決するのでしょうか。早く結婚したいな、と優真くんの腕の中で思いました。
優真くんからそのついでに、まだ呼び捨てにしないのか、と訊かれました。どうしてそんなことを訊くのかと思ったら、わたしはエッチのとき、優真くんのことを『優真』と呼んでいると聞かされて驚きました。『好き』と連呼までしているそうです。全然知りませんでした。
いつになるかは分かりませんが、優真くんのことを『優真』と呼べる自分になりたいです。




