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3話 政府軍基地

慣れない感覚に目をしばたかせる。

もちろんびっくりはしたが、今まで予想外のことが起きすぎて、これが噂の瞬間移動か、ぐらいにしか思っていなかった。


想像より精神すり減らすな。ののかさん、ちゃんとした超能力使えるのか……


そんなことを考えつつ、少し先の建物に目をやった。質素な印象を受けるが、目の悪い私でもわかるほどに沢山の兵士がいる。


あそこを潜り抜けなきゃいけないのか、と思ったら違った。ののかさんは「おかわりいくぞ」と言い、私の手を取ってもう一度瞬間移動をした。


次に瞬間移動したのは、大きな木造建築物の中だった。

私たちの周りに、普通に政府軍がいる。

あれ、これはやばいのでは。そう思う前に、ののかさんが叫んだ。


「やばい!飛び先ミスった!!」


私の手を握ったまま一目散に走るののかさん。あれ、割とおっちょこちょいなのか、かわいいな。と呑気に思う。


「都柳だ!逃すな!!」


背後から怒声が聞こえ、緩んでいた気持ちが引き締まる。だが時すでに遅し、放たれた矢が私の頬を引き裂きまくった。声にならない悲鳴をあげる。なんで私はいつもこうなんだ。


一方、ののかさんは致命的なミスをして命を狙われているのにも関わらず、全く焦らずに超能力と思しきもので政府軍を倒していっている。


…もしかして、この世界って超能力が普通に存在する世界なのだろうか。

ののかさんを見てもあまり驚かない政府軍を見てそう思う。まあそうだったとしても、ののかさんは強い方なんだろうな。


その証拠に、さっきまでいた政府軍は全員ののかさんに倒されていなくなっている。ののかさんに向けて軽く礼をすると、「んなもんいいから先に行け」と前方を指さされた。


その気迫にちょっとだけビビり、蚊が鳴くような声で返事をすると、目の前にある、これまた立派な渡り廊下を歩き始めた。

戦闘用に作られたであろう場所にしては、少し華やかすぎる気がする。


疑問には思ったが、わざわざ口に出して言うほどでもないから我慢した。ののかさんも一言も発さずについてきている。



だが、数分歩いたところで、異変に気付いた。いくら歩いても渡り廊下の出口が見えないのだ。


はっとして、あたりの物音に耳を澄ます。

背後から、明らかにへんな音がしている。もしかして、もう敵に囲まれている…?

その思考に辿り着き、鳥肌が立った。本日何度目かのピンチ。


「ののかさん、もしかしてこれって……」


そう言いつつ振り返る。

そんな私の目に映ったのは、


ののかさんの血まみれの顔だった。


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