脱出ゲームで屋根裏に閉じ込められた俺は○○することにした。
なろうラジオ大賞参加作品。
突然だが、目醒めたら見知らぬ屋根裏にいた。
窓ははめごろし。階下へ続くであろうはしごの蓋は施錠されていて開かない。
いわゆる脱出ゲーム系の状況に置かれていると判断した。
壁掛けのモニターがついて、黒い犬のぬいぐるみが大きく映し出された。
機械的な声が聞こえてくる。
『冷静ダネ。ボクハ、ゲームマスター。君ニハ、ソノ屋根裏部屋カラ脱出シテモラウ。謎ヲ解イテ隠サレタ鍵ヲ手二入レレバ無事二脱出デキルヨ』
「さいですか」
昨夜も日付が変わるまで仕事をしていたから思考がうまく働かない。
俺、疲れすぎて変な夢を見てるんだな。
とりあえず寝よう。
屋根裏にあったベッドに速ダイブした。
『チョイマチーー!! コレ脱出ゲームダヨ? ナンデニゲヨウトシナイノサ!!』
ぬいぐるみの叫びが聞こえるが無視して寝た。
いやー、ぐっすり寝たのなんて何年ぶりかな。
起きたらまた見知らぬ屋根裏部屋だった。
壁掛けのモニターに犬のぬいぐるみが映っている。
『オメザメカナ。忘レテルカモシレナイカラモウイチド説明シヨウ。君ニハソノ屋根裏部屋カラ脱出シテモラオウ。シカケヲ解ケルカナ』
「解かないとどうなるんだ」
『ズット出ラレナイママサ』
「ふむ」
ちらと部屋を見回すと、いかにもそれっぽいパズルやアイテムがテーブルに置かれている。
俺の頭じゃ解けそうにないな。
自慢じゃないが中学高校赤点常連だった。
「よし、寝よう」
『ハアアアアァ!?』
犬がまた何か言っているが無視だ無視。あっちからは動画を送る以外何もできないっぽいし。
働かなくていいなんて天国じゃん。むしろここに隔離してくれてありがとうだ。
ウンコとションベンは排気パイプから落とせばOKっしょ。
『オイコラ、恐ガレヨ!! 必死コイテパズル解ケヨ! 聞イテンノカ!』
「ぐ〜〜」
二度寝を決め込んで起きたら、自分の部屋にいた。
そしてデスク上のスマホが鳴り響く。
職場からの着信が100件超えていた。
さっきまでどこかの屋根裏にいたはずなのに。やっぱり夢だったのか?
ううむ。
とりま、スマホの電源切ってもっかい寝よう。おやすみなさい。
END
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