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蝋剣の退魔士 ~最強の剣はエクスカリバーでも斬鉄剣でもなく、ロウソクでした~  作者: 空松蓮司@3シリーズ書籍化
第一章 大迷宮〈ティソーナ〉編

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第十三話 最強のふたり

 炎が部屋を包む直前で、俺はティソーナを魂の内へ引きずり込んだ。

 面会室で俺はティソーナと対峙する。


「こうなったら仕方ねぇ! お前と契約してやる!」

「ようやくその気になったか! しかし、欲を言えばあっちの女の方が良かったがな」

「テメェが選べる立場かよ! いいから早く俺の守護神になれ!」

「待て! 条件がある」

「あぁん?」

「ただ外に出ることだけが俺様の目的じゃねぇ! 俺様は外に出て、あるモンを探したいんだ!」

「このままじゃ俺もお前も死ぬんだぞ? 条件なんて言ってる場合か?」

「これだけは譲れねぇぜ!」


 ティソーナは腕を組んでそっぽ向いた。


「……わかった。わかったよ、条件ってのを言ってみろ」

「“不滅の蝋燭(ノルナゲスト)”を見つけることだ!」

「なんだそりゃ?」


 一切聞いことのない名前だ。


「ロウソクの名前だ。そのロウソクはどんなことがあっても溶けない! 迷宮に迷い込んだ人間の1人から、俺様はこのロウソクの話を聞いた。“不滅の蝋燭(ノルナゲスト)”にさえ取り憑ければ、俺様は不滅の存在になれる!」

「それを探すのを手伝えと?」

「そうだ! その代わり、俺様はお前を最強のエクソシストにしてやると約束しよう!」

「……了解だ。その条件でいい」


 俺とティソーナは椅子から腰を上げ、声を重ねる。


「「“ゲッシュ”だ」」


 契約は成った。

 そして――迷宮は攻略(クリア)となり、


 3ヶ月振りに、俺は外に出た。



 ◆◆◆



 3ヶ月振りの太陽の光を浴び、俺は背筋を伸ばす。


「なんとか間に合ったか」

「【500年ぶりの陽光、最っ高だぜ~~!!】」


 ちびロウソク守護神の霊体が肩に乗ってる。 

 はぁ、マジでこいつを守護神にしちまったんだなぁ……。


 俺とハーツが立っていたのは巨大な石板の上。

 石板の上には墓石が多く並び、墓石1つに対して銅像が1体立っている。


「迷宮がなくなり、元の王家の墓に戻ったか。珍しい墓の形だな。予想に過ぎないが、この銅像は墓の下に埋まっている人間を模した物だろう」

「どうでもいいぜ、そんなこと」


 王家の墓の前には今日“迷宮流し”になるはずだった囚人と、囚人を捕えている執行人がいる。執行人も囚人も、信じられないといった顔で俺とハーツを見ていた。



 ◆◆◆



 その日、〈アルファム〉中が大騒ぎになった。

 なぜなら、500年もの間攻略されなかった大迷宮が、ついにこの日、攻略されたからだ。


「攻略したのは若い2人の男女だってよ!」

「マジかよ! 誰だ!? 俺の知ってる奴か!?」

「1人は知らねぇ奴だけど、もう片方はあの剣闘士のエルだ!」


 エルとハーツ、2人は迷宮を攻略した功績で無罪放免となった。

 王家は(ただ)ちに2人を回収。2人に所持品を返し、1ヶ月生きていけるだけの金を渡した。


 そしてここからは裏話。どうでもいい話だ、聞き流して構わない。

 この大迷宮は王家の墓を侵食する形で造られた物であり、迷宮の影響で王家の墓は隠されてしまった。過去の王族は霊力に優れており、その霊魂が集う墓は悪魔の苗床として優秀だったのだ。

 これを大事にとらえた9代前の王が兵を迷宮に送り込んだが返り討ち。

 王は頭を抱え、苦肉の策として“迷宮流し”を作った。罪人を送り続け、運よく罪人が迷宮を攻略することを願ったのだ。


 ただし500年もの間、迷宮は攻略できず、やがて〈アルファム〉に住む誰もが“迷宮流し”の本質を忘れていた。王家ですら例外ではない。すでに王家用の墓は別に作られており、これからの王たちはそこへ埋葬される。


 ただ都合の良い罪人処理場として使われていた迷宮がなくなったことは、逆に国にとって損失だったのかもしれない。“迷宮流し”の代わりに“火刑”が採用されるのはそう遠い話では無かった。


 注目すべきは、この歪な刑罰の果てに産まれてしまった大悪魔だ。

 500年もの間、ほぼ絶え間なく人間を貪り続けた迷宮。迷宮の悪魔に蓄えられた魔力は迷宮主であるティソーナに還元される。


 元々霊力の集まる地であった王家の墓で産まれ堕ち、

 さらに“迷宮流し”によって餌を与えられ、それが500年も続いた。


 結果として、ティソーナは悪魔として特別な存在へとなったのだ。

 そして今ティソーナは、ある少年の手にある。

 エクソシストと悪魔。均衡していた両者のバランスは、1人のエクソシストの誕生により転機を迎えることとなる。そのことに気づいたのはただ1人、ハーツ=ヴァンクードだけが、予感を感じていた。

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