無料で読める私たちの小説ができることと、その課せられた使命について。
小説を読んだり、お話を思い描いたり、それが高じて自分で小説を書いてみる人も多いと思います。
小学生の頃だったら何の抵抗もなく書いた小説を友達に読んでもらい、友達もそれを喜んでくれるけれど、中高生になるとチョッと恥ずかしくなりますね。
それに、その頃になると短い簡単なお話ではなく、自分の好きな作家さんや好きな世界について確りと書き込まれたものだから、読む方だって簡単には読み終われません。
ひとりぼっちの小説くん。
私の可愛い小説くん。
私の大切な気持ちが詰め込まれた小説くん。
大好きなキャラクターが、紙面を所狭しと活躍するキラキラ輝く小説くん。
“他の人には、どう感じられるのかな?”
“他の人が読んでも、面白いのかな?”
“私って、小説家になれる才能はあるのかな?”
そんな疑問を持つようになると様々なことが気になってきます。
沢山の人に読んで欲しいとか。
誰かの感想が聞きたいとか。
自分の小説家としての才能の目安が知りたいとか。
そう思って、小説投稿サイトに掲載する人も少なくはないことでしょう。
かく言う私も、そのひとりです。
小説の投稿サイトを選ぶときに、どこでもいいからと言って始めてしまう人は少ないと思います。
どの投稿サイトにするか色々選びながら、気に入ったサイトの見出しページにある作品を読み “ここだったら” と投稿サイトを決めたり、お気に入りの作家さんがそのサイトの出身だったり、作家さんを沢山出しているとか、理由は様々ですね。
さて、サイトを決めたら、次は登録です。
緊張しながら初めてのユーザー登録を済まし、その次は待望の投稿作品の掲載となります。
最初は、どうすれば投稿できるのか良く分からなくて焦りますし、二回目は “あれ、前どうやったっけ? とまた焦ったりします。
はじめて投稿した時には、直ぐに小説が読まれたかどうか気になってPVを確認したり、感想が来ていないかドキドキしながらページを見つめたりしたのは、私だけではないはずです。
予め友達に情報をばら撒いておけば、直ぐにPVは上がるかも知れませんが、そうではなく全く情報を他人に教えていない場合はナカナカPVが上がらないかも知れません。
PVが上がらないうちに、気落ちして筆を置いてしまったり、そのような気分になる人もいるのではないだろうか?
でも、それ。
「チョッと待ったです!」
そもそも小説投稿サイトを利用する私たちは素人です。
本も出していないので、書店で人の目に触れることもありません。
勿論、芥川賞にも直木賞にも本屋大賞にもノミネートされませんし、ニュースのプチコーナーで『今日の1冊』として紹介されることもありません。
そのために各小説投稿サイトでは、新着情報と言うコーナーをトップページに設けて紹介しています。
でも、あまりに数が多いためトップページに留まる時間は数分くらいです。
そう。
あまりにも数が多いのです。
こんなに沢山、小説を投稿するのであれば、日本人は相当な読書好きなのだろうと思いますが、実はそうでもないみたいなのです。
2011年にアメリカの調査機関が、1週間に一人当たりどのくらいの読書時間があるのかということを、世界30か国で調査したデーターがあります。
1位はインドで10.7時間。
2位はタイの9.4時間。
3位は中国の8.0時間。
だんだんと日本に近づいてきましたが、4位はフィリピンに飛んでエジプト→チェコ→ロシアと続きます。
どこで日本が出てくるのかな?と思って結果をズーっと見てみると30ヵ国中29番目に日本の名前が出てきて、その時間は1週間に4.1時間でした。
なんと1位のインドに比べると2/5で、3位の中国の約半分です。
この調査には新聞・雑誌も含まれているので、世界3大新聞3社を持っている日本では、この4.1時間のうち新聞が占める割合は大きいと思います。
では、本が多く並ぶ図書館の貸し出し状況はどうでしょう?
これはユネスコで調べてみました。
順位を調べるものではなく調査した年は違いますが、フィンランドでは19.2冊(1999年)。
そして日本は4.1冊(2003年)が人口一人当たりの年間貸出数となります。
極論にはなりますが、一人の人にターゲットを絞った場合、フィンランドでは年間19冊の新刊が必要になり、日本は4冊で済むということにもなり兼ねない結果です。
私たちのように、読書好きから小説を書き始めた人間にとっては、信じられないような結果に驚かされました。
端的に言えば、日本人の多くは諸外国に比べて本を読まないということになります。
読まないと言うことは、買わないと言うことで、これが私たちの小説家になる夢の前に立ちはだかっている問題とも言えます。
なにせフィンランド並みになれば、今の5倍近く本が必要になるのですから。
「では世に出ている“大御所”と呼ばれる先生たちに頑張ってもらいましょう!」
なんて気軽に言っても無理です。
大御所の先生たちには、私たちのような力はありませんもの。
「どうして?」ですって?
だって、大御所の先生方の作品は全て有料なのですもの。
小説を読まない人が、文庫本を買うのってハードル高過ぎはしませんか?
小説を読まない人が本屋に入って『直木賞受賞作品!』という売り出し文句を見ても、おそらく何も感じないと思います。
でも、だからって無料の小説にも簡単には飛びつかないでしょう。
嫌いなのでしょうか?
いいえ、興味が薄いだけだと思います。
小説にあまり興味のない人が1冊の小説を買ったとして、その本が何らかの理由で読まれなかった場合、その人は次の小説を買うでしょうか?
私なら買いません。
お金が勿体ないですもの。
でも、無料ならどうでしょう?
そして退屈な時に、いつでもスマホで読めるとしたら。
そこで話は最初の問題に戻ります。
「ん!最初の問題ってなんだっけ?」
「PVの件ですよぉ」
私は先ず、自分の書いた小説のPVを伸ばすということを第一目標に挙げたいと思います。
PVが上がるということは、それだけ人の目に触れたということです。
でも、問題は“簡単にPVが上がらなかった場合”ですよね。
そういう場合、と言うよりも投稿小説サイトを利用する以上、私は皆様にソーシャル・ネットワークサービスとの連動をお願いしたいと思います。
ただ、やっていますよ。
って言うだけでなく、本気で売るつもりで。
前にも書きました通り私たちの小説は、自分自身が何もしなければ、誰も宣伝はしてくれません。
ソーシャル・ネットワークサービスを利用することによって、はじめて実質的な宣伝効果が期待できます。
私の使っているTwitterの場合ですとリツイートが、それにあたります。
自分の作品を沢山リツイートしてもらうには、人の作品を沢山リツイートすることが必要です。(※いいね、では拡散しません)
あまりリツイートしてしまうとTwitterの場合、誰の何が目的のTwitterなのか分からなくなってしまいます。
そのためにTwitterでは固定ツイートと言う設定があります。
設定の仕方は、先ず自分の宣伝用のツイートを作ります。
当然、タイトルと作者名、作品のURLは必須ですが、その他に1行程度の見出しや更新時間などが決められているものなら、それも記入しておくと良いでしょう。
宣伝用ツイートが出来れば、一旦そのままツイートします。
今度は自分のアイコンをクリックしてマイページに飛びます。
ツイート後に何もしていなければ、今作ったツイートが先頭に来ているはずです。
(以下の作業は、先頭に来ていない場合でも同じように出来ます)
宣伝用に作ったツイートの右上に ∨ このような記号が付いているので、そこを左クリックすると、吹き出しのメッセージ欄が現れます。
その上から4番目に書いてある『プロフィールに固定表示する』を選択するだけで、どれだけ人の作品をリツイートしても必ず自分の作品宣伝が先頭に来ますので、人からみても分かりやすいだけではなく、リツイートしてくれる人にとっても、し易くなるのです。
こうして自分のPVを上げる努力により、自分の作品がより多くの人に届けられ、ひいては読者層の拡大にもつながると私は信じます。
くどいようですが、大御所の先生たちは何もできません。
出来るのは、良い作品を書くことと、お金を儲けることと、名前を売ることくらいです。
でも私たちは、未来を替えられる力を持っていると思います。
それは、ネット小説投稿サイトに住む私たちだけではなく、文芸部のあなたや、ブログ小説家のあなたも同じです。
私たちの最終的な目標は、小説家になるまでにいかに多くの読者を発掘するかです。
そして、それこそが、小説家になる近道ではないかと私は思います。
さあ、みなさん。一緒に頑張りましょう!
私たちと、あとに続く人たちの未来のために!