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03. 14番目の誕生日

城の中が騒がしかった。使用員たちはあわただしくあちらこちらを走り回りながら、食べ物やパーティー招待者名簿なをチェックしていた。今日はロザリアの14歳誕生日だった。普段質素しく過ごすエノク王はこの日だけは盛大なパーティーを毎年欠かさず準備する。城外の民も同じだった。主神の祝福を受けて生まれた王女はソートフィルト大陸の誇りであり、皆彼女を愛した。姫の誕生日はソートフィルトの人々の公式な祝祭だった。食べて、飲んで、にぎやかだった。毎年行われる行事だが、民が最も期待するのは、馬車の行列だった。尊敬する陛下と姫様を見られる、珍しい機会だった。行列を見るために人々はごった返した。遠くで少しでも多く、近くの王族たちを見るために立ちつくす人たちがいるかと思えば、お父さんに木馬を乗せてくれとせがむ子供たちもいた。人々の力強い歓声の中で、ロザリア姫とエノク王が乗った馬車が通り過ぎた。前後には王室の騎士と魔法兵が王族を護衛した。自分たちを歓待する民たちに、エノク王は手を振りながら応えたし、ロザリアも手を振った。馬車の中には薄いカーテンのようなものが張られていて、エノク王とロザリア姫の顔はシルエットだけが見えるほどだった。


「エノク陛下とロザリア姫様、万歳!!」

「姫様の誕生日おめでとうございます!!」

「おぉ!サフキュエル様の祝福がありますように」


行列が終わると馬車はサフキュエルの神殿に向かった。最高司祭の祝福を受けると、すべて終わってしまう。


「おお、偉大な主神サフキュエル様、全知全能なあなたの信託に私たちの高貴な姫様が生まれました、今日姫様の14番目誕生日を迎え、主神サフキュエルの代理人として姫様に祝福を差し上げます。」


最高司祭の祝福が下されれば、神殿の深いところにある【真実の泉】がある場所に行って感謝する祈りを伝えなければならない。泉の水が、黄金色に輝くと「今年は武士平坦に過ごせる」と意味があって、もし黒色に現れると、「良くない不幸が起きる」という啓示という。真実の泉がある部屋は、絶対に一人だけ入ることあり、王とか最高司祭ではなく姫の私がその部屋に代表して入った。私は泉の前に行って、泉に映った私の顔を見た。 いつ見ても不慣れな顔だ。私の顔をよく見回すと、泉の色が変わり始めた。泉の色は目が凍えるほど青色を帯び、どんどん暗い黒色に染まってしまった。 私は、何か良くないことが起こると思って恐怖に震えはせず、前にあるサフキュエルの彫刻像に落書きをしてくれた。とにかくかんしゃくが起こる創造主の野郎、何の魂胆なのか知らないが、これ以上の創造主と関わることは遠慮したかった。自分勝手に私を殺して、勝手に姫に生まれ変わらせたまま、私は彼の思いどおりに生きていく気持ちで、腹が立った。ふと、線路に落ちたのは私だけでなく、私の後ろの男子学生も一緒に落ちていたが、その男子学生はどうなったのだろうか。そんなくだらない考えをしながら、泉の色が元の色に戻るのを見物していた。真実の泉の部屋から出てきた私に最高司祭とエノクは、浮かれた目で私を見た。「泉の色が黒くなった」と言うと、みんな衝撃を受けるに間違いない。私は秘密にして「黄金色に変わった」と嘘をついた。そんな私の話しに安心した息をつく彼らに少し、良心の呵責が感じられた。まぁ、どうにかなるだろ。その事を忘れて、城に帰って来た私は、私の部屋に戻った。こつこつと部屋のドアをノックする音とともに乳母が部屋に入ってきた。


「姫様、お疲れ様です。疲れましたよね"

「はぁーやっと終わった。いつもある年例行事だけど疲れる、でも今は乳母と一緒だからすごく嬉しいよー」


私が子供のようにむずかるや、乳母はいつもようにそっと静かな笑みをしながら、私の頭をなでてくれた。


「まあ、姫様の安心はまだ早いです。これからが始まりますから」

「うん?」


乳母の話に私は乳母を見つめた。乳母の後ろにはいつ来たのか私の専属の侍女たちが悲壮な表情であらゆる宝石と華やかなドレス、そして靴を一抱え入って来て、陰気な笑いを浮かべた。

あ…疲れの始まりだ。


招待状を受け取った貴族が一人二人と集まると、パーティー会場の中は貴族と彼らの使用人でいっぱいだった。


「ネコネコマネキネコ伯爵様と伯爵夫人、ご入場なさいます。」

「ウマワウマイヨ公爵家のウマウマ公爵様、ご入場なさいます。」


順番に貴族たちを好名した。主人公の登場はいつも最後だと言うか。すべての貴族の令息と令嬢たちが一堂に集めていた。彼らの話題はロザリア姫だった。城の中には時々エノク王と一緒にあることがよく見つかったが、誰でも見かけられるものではなかった。その他の活動は全く行わないことで知られている。貴族家の令息と令嬢たちのお茶会や狩猟大会でも優秀な成績を収めた男性にグローリーフラワーをプレゼントしたり、これほど簡単に彼女の顔を見るのは容易でないことだった。だから「実は姫の美しいという美貌は偽りのうわさや実は、ものすごい醜女や顔に大きな傷がある。」、「姫ではなく、王子だ。」ってあらゆる変な噂が飛び交った。

そして、今日初めて姫が誕生日に質素なエノク王の性格なのか、それとも本当に噂どおりなのかは分からないが、今まで貴族を呼んで王女の誕生日を祝ったことはなかった。姫の14番目誕生日であり、一人前の成人になった、という意味だった。どんな風の吹き回しで宴会を開いたのかも知れないが、みんな姫の登場を息を殺して待っていた。やがてエノク王の登場を知らせる勇壮な演奏の音とともに、ロザリア姫の登場を知らせる時の鐘の音が大きな宴会場に響き渡った。


「エノク・プランス・ソートフィルト陛下とロザリア・ プランス・ソートフィルト姫様ご入場なさいます。」


みんなの視線が一堂に集中した。宴会場はしんと静まり、息の音も聞こえなかった。

エノク王の腕組みをして登場したロザリアを見て、皆、口をつぐむことができなかった。まさに「絶世の佳人」と呼ばれるものではなかった。主神の祝福を全身で受けたような姫の美貌と豊かな金髪、長いまつげ、目のように白くてきれいな肌、エメラルドような輝く瞳と潤い感たっぷりの紅色に染まった唇、堂々な表情まで、数人の貴族たちは無我夢中に動転せず、両手を合わせて祈りながら涙を流した。

王座に座ったエノク王とロザリア姫は同時に首をかしげた。団体で酒宴でもしたのか、王族の前であんな醜態を演じるなんて、エノク王は咳払いをした後、演説を始めた。


「ふむふむ、今日こんなに集まってくれた皆さんに感謝の言葉を伝えながら、私の愛しい娘ローズの14歳誕生日を迎え、盛大な宴会を開いたね。みんな宴会を楽しんでくれ。」


エノク王の演説が終わり、音楽が演奏され、貴族たちがパートナーに合わせて踊ったり、会話をしたり食べ物を食べ始めた。私は冷静に知っている人がいるかどうか見回した。そしてヴィクトル大臣の息子アヴァンと目が合うと彼は私を見て長い間見れなかった主人を見て笑う子犬のように手を振り、私が反応をみせると、両頬を両手で巻いたまま「キャアッ、恥ずかしくてどうしよう」と何度も繰り返した。そんな言葉を吐いていた。アヴァンの行動を見ている人たちも「何だ? あの人、おかしい」と思ったのか、とっくに彼のそばから遠ざかっていった。私はただ「ハハー…」と笑って反応してくれた。そんなアヴァンを無視して他の人たちを見物しようと思うが、エノクが私を見ながら「ローズ、この機会に友達を付き合ってみるのはどう? パパはローズが友達がいないのが心配になるよ」と言ったので、『誰でもいいから仲良しふりでもしようか。』と思って席を立った。私が立ち上がると、一斉に人々は道を通り、そして一人になった。


『うううう、父上の私いま仲間はずれにされているようです。』


こうなったら、たくさん食べようと思って皿に美味しそうな食べ物を載せた。いつ来たのか、アヴァンも食べ物を選びながら、馬鹿のように振る舞えるだろう。


「ロザリア姫様、お久しぶりです。お誕生日おめでとうございます。」

「ありがとうございます。アヴァンは友達がいないんですか? どうして一人でいるんですか?」

「ええ、なぜかわからないけどみんな私を避けています。もしかして私に何か問題があるのでしょうか。」


深刻に悩んでいるアヴァンを見て、私は答えを避けた。私がアヴァンと対話するのをみて、それを始めとして三々五々男女問わず、私の周りへ来て、ふと声明を出した。アヴァンは隅で孤独にミートパイを少しずつ食べながら、雨に濡れた子犬のように私を眺めた。親交を深めるつもりで彼らと対話を始めた。


「はじめまして、ロザリア姫様、私はマーボドウフ伯爵家のヒナべと申します。」

「僕は、エスカルゴ男爵家のマーフィンですわ」

「はい...みんなお会いできて嬉しいです。みんな知ってると思いますが、私の公式的に宴会が初めてなので緊張します。学ぶべき点が多いですが、よろしくお願いします。」


できるだけ礼儀正しく、優しく見えるように笑いながら話した。いつのまにか宴会場の雰囲気も最高潮に盛り上がった。宴会場の明かりが消え、ほのかな明かりでいっぱいだった。周辺の人たちは使用員から仮面をかぶって、私も事前に乳母からもらった仮面をかぶった。仮面をかぶって匿名で知らない人々と踊るという。しかし、私の場合には私が誰だかみんな知っているので、別に匿名性はなかった。音楽が変わり、順番にパートナーを変えながら踊った。

知らない人たちと踊るのが何だかぎこちなかったが、父上がうれしそうな表情で眺めたので、学んだ通りに一生懸命踊った。パートナーが変わってきて、私はどの家の子弟なのかよく見守っていた。ありふれない銀の髪と顔を半分ほど隠せば、紫色の瞳が宝石のようだった。 鋭い鼻とほほえんでいる表情が顔を隠しても、体全体に美少年だと言っているようだった。彼は私に向かって丁重に右手を私に差し出して左腕を後ろ向きに回して頭を下げて礼儀を表した。


「レディー、あなたと一緒に踊る光栄を私にくれますか?」


彼の言葉に魅了されたように、頬が赤くなった私は、うなずき、彼が差し出した手を握った。

私は踊っている間に彼から視線をそらすことができなかった。しかし、彼は何かを探しているのか、きょろきょろ見回しながら宴会場を見回した。彼の瞳を見つめると、彼はようやく無情な表情で私を見た。まあ、何か自尊心が傷つくのに、ミスして彼の足を踏んでしまった。それも何度も...痛かったのか、彼は険悪な表情をしていた。


「んっ…あ、本当にブスがダンスもクッソ踊れないね」

「何?あんた、今何と言ったの?ブ..ブス? あんたはいくら顔が偉いなの? 仮面ちょっと脱いで見て!!」


足を踏んだのは私が謝ることだけど、人に向かってブスだって!! 厳然な人身攻撃だった。私の言葉にも彼は黙々と踊り、何かを見つけたように突然私を押した。底に倒れて尻に強い衝撃を受けた。


『痛いじゃないの...尾骨にひびが入りたんじゃないの?』


「キャアー!こ、この無礼な奴が!!!!」

「こんなところに隠れていたのか...[ギャーギャー]って、うるさい、お前も死にたくないなら早く逃げたほうがいい。」


叫ぶ私にこいつは目もくれず、意味のわからない言葉だけ残して宴会場を通り抜けた。やつの無礼さに警備兵が彼を追いかけて、宴会場は気ぜわしくなり、宴会は終わった。そんなに私の14歳誕生日の夜は深くていった。ベッドにダイビングするようにうつぶせになった。やっぱ!! 布団の外は危険だ。家が最高だ。柔らかくてふわふわする最高級シルクの布団に頬ずりした。じっと今日あった事について考えた。腹が立つよりあきれた。『どこに住んでいる奴か知らないが、後で必ずこの借りをかしてやろう』思いながら深い眠りに陥った。

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