05. 拾われた王女
荒い獣の泣き声、イノシシの形をした魔物の前には、黒く長い髪の毛を腰まで垂らした男が自分に飛びかかる魔物に魔法の呪文もなく、手に火と氷が同時に出てくる攻撃を試戦した。男の冷たい目で、魔物は動物的感覚で勝てない相手であることを知り、男を避けて逃げた。人間界と魔界の境界であるグレスト森、最近魔界を混乱させる魔物が異常に増え、頭を痛めていた。魔王城への苦情の受付は終わらずに入り、魔王城は直接、魔物狩りに乗り出した。魔界をさまよう動物は、数匹で群れをなして歩く下級魔物だった。もともと平凡な豚だったが、オークが飼育して魔物に変化した。最後の息をつくために魔法を試戦するのに、魔物の胃に何かが、どかんと落ちて、同時に魔物の苦痛に満ちた泣き声とぼやいたほこりが起きた。彼に同用した男はほこりが沈み、そこを眺めた。魔物の上に落ちたのは幼い人間の女の子だった。男は女の子の姿をしっかりと見た。そして、顔をを指で刺してみた。柔らかくて暖かい感触があって、死んだわけではなかった。微かに息の音も聞こえ、落ちる時、魔物がクッションの役割をしたわけだ。その代わり、魔物は命を失ったが、生まれて初めて見る人間は人間界からこのグレスト森に落ちた。多分警戒のすき間が広がって魔界に来るようになったのだろう。しばらくの間、女の子を見てどうすればいいか悩んだが、女の子は涙を流していた。そして女の子の口からは「...生きたい」という言葉が出た。まるで、自分を捨てろというような切実な言葉に、男は女の子を背負って自分が住んでいるところへ向かった。
*
夢を見た。長い夢の中で城が燃え、乳母に死なれて、父上と別れる。目を覚ましたら、いつものように乳母が私を起こして、髪をすくった後、朝ごはんを食べに行くんだろうな。どうして、今日は、乳母の暖かい声が聞こえてない。乳母の声の代わりにまぶしい日差しが私を起こした。まぶたが重くて目が見えなくて何度も目をしばたたきながら瞳を転がした。目に見えるものは、高い天井と水晶で作られた高価なシャンデリアが太陽の光に反射し輝いていた。私の部屋ではないようだった。ベッドから体を起こそうと上半身を上げる途中、右足から痛みを感じられ、ややしかめ面をした。状況判断のために周囲を見回したが、ここがどこなのか見当もつかなかった。もしヴィクトルの下僕たちに捕まったのなら、こんな豪華な部屋に居られるはずがない。大きな部屋にいるのは私が横になっているベッドとクロゼット、茶菓を楽しむテーブルと二つの椅子、そして大きな窓があるテラスが見えた。雲一つない晴れた天気だった。まるで今までのことが嘘だったかのように。その時、静寂を破って、だれかが訪問をノックする声が聞こえてきた。私はゆっくりと開け放題の訪問を見守り、くつろげなかった。部屋のドアが開かれてそこには私の同じ年齢に見える女の子と男の子、2人が入ってきた。私が起きていることをみて、二人はうろたえて、お互いを眺めた後、女の子が先に私に挨拶をした。
「あら、起きましたか?! 3日間、目を覚めてなくて心配しました。私はムルムルと申します。よろしくお願いします。お嬢様」
「ぼ、僕はプルプルと申します。僕たちはこの城の主人の命を受けてお嬢様を補佐することになりました。よろしくお願いします…」
「あの...どんな話しなのか理解できませんが、説明してもらえませんか。」
私の話に二人はまたお互いに相手の顔を見合わせて、目で交換した後、説明が足りないことに気づいて今までのことを説明した。
「お嬢様が現在いらっしゃるここは私たちが仕える方のお城です。魔…、いや、ご主人様がお嬢様を発見した時、足にけががあって、意識がない状態なので魔法で応急処置だけしておきました。」
「そうですか...私を助けてくださった方は今どこにいらっしゃるんですか。お会いしたいですが、助けてくださったことに対する感謝の気持ちを伝えたいです。」
「それは…今は難しいだと思います。魔王様は今、非理想的に増えた魔物を処理中なので忙しいと思います。あら...言ってしまった。」
「姉上!!魔王様がお嬢様には内緒にしろとおしゃったんじゃないですか!…アッ」
ムルムルの語が終わる同時に、差し迫ったプルプルがムルムルに大声を出した。自分も失言をしたという表情で口を急いでふさいだのだが、既に私の耳に聞こえてきた。プルプルとムルムルは私の機嫌を伺い、はぐらかして部屋から出ようとしたが、私は見逃さず、二人を捕まえた。
「ま…魔王様?魔物はまたどういう話ですか。じゃ、私がいる場所が魔王城ということですか?」
あわてた私が彼らに答えを求めた。しめやかに二人の外観を観察したが、人間の耳とは異なり、耳の上の部分が突き出ていた。この世界には様々な種族が存在する。人間、ドワーフ、ドラゴン、エルフ、魔族、天族、妖精、精霊など数多くの種族がいるが、その中にも最も邪悪とされる種族がいる、それは言うまでもない。【魔族】魔神を主神とし、世の中のあらゆる残酷で慈悲がないと言われている。 一旦は、私が知っていることにそのように学んで来て、文献でもそう書かれていた。ところが、そんな魔族たちの頭である魔王が、人間である私を助けて、傷まで治療してくれるとは、いったいどんな状況なのか理解できなかった。私が今まで知っていることはただのうわさだったということだろうか。彼らも人間たちと似ているのではないか。今まで、魔族と人間との交流がなかったので、誤解ではないか。という思いをしながら沈黙を守る彼らの顔をもう一度見た。嫌悪だったり怖いとか恐ろしい存在ではなく、ただ人間のように人格を持った種族だった。知らないからこそ差別をし恐れ、人間たちは自分と違う種族たちを排斥したのではないか、ただ、彼らの表情から自分を害しようとする意図が見えないので、こんなことを考えることができるかもしれない。しかし、なぜか私の価値観が変わるかのような予感は聞いた。私は、二つの瞳を転がしながら、唇をかみ締めているプルプルの湖のように澄んだ目を見て、話しを続けた。
「言いにくいものなら、言わなくても大丈夫です。[私の傷が回復したらこちらを去ります。]だと、魔王様にはそう伝えてください。 お二人さんを困らせるつもりはなかったです。ごめんなさい。」
私の言葉が意外だったのか、二人の表情は驚いた様子だった。 ムルムルは、髪を三つ編みにした自分の薄い茶色の髪を触りながら、何かを決心したという表情で私に話してくれた。
「ここはお嬢様の予想通り魔界の魔王城です。そして、私が魔族であることを隠した理由は、魔王様の命があったこともありますが、人間たちは魔族に対する偏見があって、私たちを怖がるのを恐れ、その事実を隠したそうです。私たちが魔族であることを知ってからも優しく話をしてくれるお嬢様を見て安心しました。私たちを見て悪口を言ったり石を投げる人間たちだけを見てきたりして…お嬢様みたいな人間は初めてです。」
話の終わりを少し濁しながら明るく笑って見える彼女からどんな悪意も感じられなかった。私も彼女を見てただ黙って笑ってくれた。
それから一週間ほど過ぎた。城の主人である魔王は、仕事が忙しいという理由で私と一度も会ってくれなかった。『魔王がわざと私を避けているのではないか』と疑われるほどだった。プルプルが作ってくれた甘い香りのアップルパイが私の鼻を刺激させた。 一口切り身とリンゴの甘みとよく焼かれたパリッの食感が絶妙だった。魔界での意思疎通には問題はなかったが、文を読んだり書くことは人間世界の文とはかなり違った。数日前からプルに魔界の言葉を学んでいる。ムルムルとプルプルの姉弟と親しくなった私は、短く「ムル」と「プル」と呼ぶことにした。プルの髪の毛は赤褐色の髪の毛を持っている。瞳の色は青い湖のような優しい魔族の男児だ。料理が得意で恥ずかしがりが多い。ムルはプルのお姉さんで、二人が姉弟だと言う事を知った時はちょっと、以外という気がした。プルに比べて豪傑、横たわりがなく、自信がいつもわき上がらず、空を突き破ってしまうほどだ。ムルは髪の毛の色と同じような淡い茶色の瞳を持っている 目つきはちょっと上がってるし逆にプルは、子犬のような目付きだ。パイを食べながらムルプル姉弟を分析していたとき、青い目が合った。何か言いたいのか、いらいらして、首を垂れてしまう。 一週間も一緒に過ごしたからかな? 大体何の話がしたいのか予想がはいった。多分パイの味がどうなのか聞いてみたかったんだろう。
「プル、このパイ本当においしい。作ってくれてありがとう」
私の予想が的中していたのか、プルの表情が明るくなり、耳まで上気されたまま、うなずいた。急に、あの顔を見ると、アヴァンが恥ずかしがるものが思い出され、少し気持ちが悪くなりそうだった。アヴァンとヴィクトルの反乱に加わったのか、そう考えると、彼は急にアカデミーに帰ったので、反乱が起きたのかも知れない可能性が大きかった。この仕事は、しばらく忘れて、純粋に喜ぶプルを見て、紅茶を飲んでいた私は、持っていた茶飲みを手から落としてしまった。
「お…王女様のお口にあえてよかったです。」
茶飲みが床に落ちて轟く音と青ざめた私の顔を見たプルの顔は、白く変わっていた。
どうして私がお姫様だと言うことを知っているの? 私は誰にも私が王女だと言うことを話しなかったが... 私が生きているとヴィクトルが分かったら私はどうなるの?いや、いくらヴィクトルも魔界には来ないだろう。震えてくる手で割れた茶飲みの彫刻をしっかりとつかんだ。彫刻に切って血が指先に結ばれた。
「あ、王…いや、お嬢様血が!」
「私は大丈夫。それよりどうやって私が、王女だと知ってたの?」
「実は僕が...」
プルの話が終わる前に、部屋のドアをたたく音が私たちの対話を中断させてしまった。ドアを開けて入ってきたのはムルだった。プルと私の雰囲気が尋常でないことに気づいたのか、妙な表情をしていたムルは、本論から話した。
「お嬢様、魔王様がお嬢様とお会いしたいという伝言です。今私と一緒に魔王様の執務室に行きましょう。」
こともあろうに、こんな時、魔王に呼ばれて、気まずい気持ちを解決しないまま、私はムルと一緒に魔王が待っている執務室へ向かった。
作家の一言
最近忙しくて小説を書くことができなかったんです。読んでくださる方がいらっしゃったら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。