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06. 反抗する子は成長する。

アヴァンは自分が聞いたうわさを信じられなかった。自分の父親がエノク王を裏切って王女様を殺したのだから、事実を確認するためにアカデミーから急いでソートフィルトに戻ってきた。反乱が起きた夜、急に自分をアカデミーに戻そうとしたヴィクトルの不自然な姿の疑問が解けた。


「父上! これは一体何事ですか。 反乱で何て...全部うそだと言ってください。」

「アヴァンか、どうして帰ってきた?時になったら呼んだことを。確かめたいことは何だ」


アヴァンはヴィクトルの平然な話に詰まった。 堂々とエノク王の王座に座って、自分を見下していた。

ヴィクトルの後ろには見慣れない人がいた。黒いローブで顔を隠していて、性別さえ確かめる術がなかった。

父親の軍事では反乱を起こすくらいの数ではなかった。誰かが背後が別にいると予想はしたが、あの者たちが協力したのか。妙な魔力が感じられ、視線を向けた。凄まじい勢いで、アヴァンはこのことはただ事ではないと直感した。


「どうして、反乱のような愚かなことをしたんですか? エノク陛下とロザリア王女様はどうなさったんですか。」

「ふん、そんなくだらないことが気になって、ここまでまた戻ったのか。愚かな質問だ。アヴァン、この私がソートフィルトの唯一無二な王だ。王女を王にたてると言ったが、そうじゃなければ反乱までは起こしてなかったのに。お前を王女の婚約者に迎えたら、命は付いていたのに、愚かなエノク王。女が王とは可当でもない。権力を手に握っていなければ何の役にも立たず、女は女らしくただ結婚して、子どもを産むことが当然だ。どうせ美貌以外には何もない王女だった。アヴァン、女がほしかったらいくらでもあげよう。だからお前も忘れろ、権力があれば、自ずと富と名誉そして女性はついてくるものだ。女の美しさは一時だけだ」

「それが父上の本当の姿ですか? だから母上も捨てたんですか? 母上が年老いて美しさを失い、父上はまるで物を捨てるように、母上を倉庫に閉じこめて私と母上を会わせてくれませんでした。母上が一人で寂しく死んでいった時、父上は若くて美しい女性たちと享楽に溺れていました。うすると私も父上に捨てられるか心配しながら父上に一度も反抗したことのない純宗的で正しい息子として生きてきました。しかし、今回だけは父上に逆らいます。偽りの権力がどれだけ長く続くか見届けします。」


そのようにアヴァンは自分の人生で初めて反抗をすることになった。 アヴァンはドアが敷設されるようにガチャンとドアを閉めた後、ヴィクトルがある城を通り抜けた。

ロザリア王女様...信じられなかった。自分をいつも虫を見るように見つめながら、表情をまったく隠さず、純粋に自分を見つめた唯一の人だった。 王女様を見れば胸が自然にどきどきした。

しかし、自分の父親がそんな王女とエノク王を殺したとは、まずローブをかぶっていたその者の正体がひっかかった。普通、人間の魔力がそのように鳥肌が立つほど邪悪な魔力は感じたこともなかった。まるで、古文書で見た魔族という種族の魔力が、それほど邪悪であったと書かれていたのだ。調査をするにはまずその所へ行かなければならないだろう...

城から出ているアヴァンを見て、遠くから二人の男が手を振りながら駆けつけてきた。アヴァンの友人の隣国交換留学生であるトッポッキとスクリーン家のブルーだった。


「アヴァン--!!!」

「おい、アヴァン!! 心配したって」

「トッポッキ!ブルー・スクリーン! 君たちがここはどうやって知って訪ねてきたの?」

「アヴァン、私たちはあなたの親友じゃないの。友達が行く場所ならどこでも行くのよ」

「そう、トッポッキの話し通り、シリカリンに帰るという話だけ残して行ってしまうから、心配なってここまで来たのよ!」

「君たち.......私のためにアカデミーまで抜けて…今日は有給試験見る日ではなかった?」


アヴァンの話にトッポッキとブルーの表情が急激に暗くなった。


「ちぇっ、友のためにアカデミー1年ほどは何もないから!ハハハ」

「それ、そう......それよりアヴァン、アカデミーにすぐ帰るんじゃなかった?」

「ブルー、私は帰らない。私はすべきことがあって、私の父、ヴィクトルが反乱を起こしたという事実が明らかになって、私は亡くなった王女様のために、父上と決着をつけるから、あなたたちはまずアカデミーに戻れ」

「こんな馬鹿な友達を見たか! 僕らは君を置いて帰るわけないんだろう!つらい留学生活をしていた僕に先に声をかけてくれたのは、アヴァン、君だった。そんな友達が困っているのを見て、知らんぷりしろっていうのよ? 私たちも君について行く! そうだねブルー?」

「え...?そりゃあ、そうだけど、俺はアカデミーに戻りたいけど、本当に面倒くさいけど、アヴァン君と一緒に行くよ!」

「トッポッキ!ブルー!君たちは本当にいい友達だよ。クウッ」


感動したアヴァンは、二人の息が詰まるほど抱きしめて涙を流した。息が詰まってトッポッキは気絶し、ブルーはアヴァンを押しのけていた。二人は大体アヴァンに今までのことについて説明を聞いた状況だった。


「息苦しい! それはそうとどこへ行くの? アヴァンの言うとおり背後が...魔族だったら?」

「王立図書館へ行こう! 敵を知ろうとするなら、敵に対して調査をしなくちゃいけない、行こうよ、みんな」


そのように自信満々で叫ぶアヴァンを見て、ブルーはなぜこんな奴がアカデミー首席なのか疑問だった。


*


「魔王様、ムルムルです。お嬢様をお迎えしてきました」


ムルムルは丁寧に魔王の執務室のドアを叩くと、ドアが自動に開いた。ムルムルと短い別れをした後、私は一人で魔王と会うようになった。執務室は本当に静かで、私の息遣いまで聞こえそうだった。執務室らしく数多い書類や本でいっぱいで、机もまともに見えなかった。さらさらと書類に何かを書いているペンの音だけが、静かに執務室に響き渡った。


「えぇと…魔王様?失礼いたします。」


私は小心に魔王を呼んでみた。 私の言葉に反応したのか、ペンを止めた音が聞こえ、生前聞いたこともない甘美な美声の声が聞こえた。声に引かれて、私は魔王がいる前まで歩いた。どうも魔王の顔を見た瞬間、恐怖が押し寄せてきた。血のように赤い瞳と長くてつややかなウェーブの頭の魔王と、目が合った私は心臓が凍ってくっつきそうだという感覚を感じた。


「怪我したところは大丈夫なのか。傷が治った後、ここを離れると聞いたが、帰る場所はあるのか。」

「ああ、魔王様が私を助けてくれたおかげで、早く治りました。帰るところは...それは」


魔王の質問に私は答えがでられなかった。帰る場所は、どこにもない。 私は一体どこへ帰るというのだろうか、父上も乳母も私の部屋ももう存在しない。手軽に得たものは私を易しく去っていく。幸せだったあの頃には戻れない。もし城に帰ってもヴィクトルに殺されるだけで、今は私にはできることは何もない。無力で何の力もない王女でもない、ただそんな一人の人間で、誰かの犠牲義でここまで来て、運良く魔王に助けられて命をつないでいる。実に惨めで憤慨した。どうして私には力がなかったのか、ヴィクトルには復讐さえできない。それでも私はずっと生きていきたい。私をじっと見つめる魔王の視線が感じられた。 魔王は顎を支えたまま、私をじっと見つめた。そして続く彼の言葉に少し期待してしまった。


「帰る場所がないならここでずっと過ごしても構わない。そして、あの子と友達になってくれ。」

「あの子って…誰...?」


私の問いかけに、魔王は首を縦に振って、何か思い出したかのように手をたたいた。


「あ...!会議の時間だ。じゃ、また。」


自分の言いたいことだけを残し,私について魔王は魔法だけで一瞬にして私の目の前で消えてしまった。 魔王が言ったその子が誰だろうか。 誰かは分からないが、魔王が話をする時、とても暖かそうな表情をしばらく浮かんだようだった。 私も執務室から出て、部屋に戻った。部屋ではプルが私を待っていた。 私はプルに何も言わなかった。 ただ、プルが先、私に話してほしい。


「お嬢様、待っていました。ちょっとだけ手をみせていただけませんか。」


プルの言葉に私は手を差し出すと、割れた茶飲みに切られた傷口に薬を塗った。忘れていたが今傷を見るとひりひりしていた。


「僕が今より幼い頃には、よく転んだり、怪我することが多かったんです。そうする度に姉上が薬を塗ってくれたんです。はい、できました。」

「ありがとう…プル」


プルが薬を塗って私の手に包帯まで巻いてくれた。そんなにひどい傷でもないのに... プルは私に視線を合わせてニコッと笑った。とても明るい笑顔で私は緊張が溶けた。

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