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07. 星が輝く夜空の下で

「お嬢様、お部屋に閉じ込めていらっしゃるなら退屈ではないんですか。一緒に行きたい場所があります。少し間、目を閉じてください。」


散歩でも行くのか、急に目を閉じてほしいというプルの話に首を傾げて、私は目を閉じた。そしてソヨソヨと気持ち良い風が私の全身に絡む感覚に私は目をそっと眺めた。日が沈んでいるのか、水平線の向こうの夕焼けが朱紅色に染まって空も赤く染まり、徐々に暗闇に染まっていた。真っ黒な闇ではなく、きらきら輝く月光と星の光が降り注ぎ、私が立っている道の広い丘には、美しな花がその光を受けてさらに輝いていた。光に導かれたのか、香りに引かれたのか、妖精や蝶々が踊った。花に座ってしばらく休んでいったり、流れる滝の流れの下で、丸く手を取り合って美しい旋律を描きながら歌を歌うような景色だった。


「美しい…」


ただ「美しい」という言葉しか出なかった。一度も見たことのない景観だった。プルと私は大きな木の上に座って、しばらくの間、何もかも忘れずに景色を見た。


「静かで、美しいですよね? 僕が一番好きな場所で、誰も知らない僕だけの秘密の場所です。ここは煩雑で騒々しくなくて好きです。実は僕、他人と接触すればその人が経験したことを見る能力があります。それで、いつも誰かと会うことが憚って、怖かったです。僕にこんな能力があることを分かれば、ほとんど人たちは気分が悪くなって、僕を嫌やがるんです。でも、それはどう見れば当たり前かもしれません。僕のように誰かが僕の記憶を見れば気持ち悪くなりますから。お嬢様...故意じゃないんですが、勝手にお嬢様の記憶を見て申し訳ございません。パイを渡す時にお嬢様と手がぶつかりました。その時、お嬢様がどうしてここへいらっしゃったのか、どんな方なのかがわかったんです。」


私はプルの話を聞いて、それまでプルは私とムル、その以外、他の人とも話をしたり、先に話しかけたりするのを見た覚えがなかった。いくらムルと一緒にいても誰かとコミュニケーションできず深い絆を持つことができないのは、おそらくもっと寂しくではなかったか。勝手に人の記憶を見た時腹が立ちたが、プルは故意に他人の痛い記憶を盗み見たり、それで誰かを傷つけることはなかった。自分もそんな能力が嫌いで他人と距離を置いて一人で堪えてきたのだ。


「はぁ…いいよ、プルがわざと私の記憶を覗き見てないこともわかったし、プルとに長く付き合ってないけど、心性の悪い子じゃないことも知ってる。だから、どうか「自分を捨てないでください]って、主人を見ている子犬のような表情しないで。私も全てが完璧な人間ではない。自分勝手に誰かを評価したことも多くて、それにしても私がプルと同じような状況であっても恐ろしくて怖かっただと思う。本当のことを言ってくれてありがとう。」

「あ、お嬢様はどうして僕がそんなに聞きたい話だけ言ってくれるんですか。お嬢様ももしかして僕の考えを読んでいるんですか。」


私はプルの真剣な表情に笑った。


「何?ははは。そんなわけないじゃん、プルは私の友達だから分かるのよ。」


プルの目には涙がにじみ出て、すぐにも流れ落ちそうだった。どうしようと思った。私がしてはいけない話でもしたのかな。こんな状況になって本当に困ってしまった。人を慰める才能などない私がプルの心を共感したのは前世からの私が友達がいなかったし、対人関係において誰かと会うのは不可能だった。私の人生が忙しくて友情とか愛とか経験する間もなく死んでしまったからだ。自分も「友達」という言葉を内心驚いてしまった。もしかして勝手に友達と言って気分を害したのかと思われた。


「プル、もし私の話が気分悪かったらごめんね!」

「いいえ、そうではなくて、こんな話を聞いたのは生まれて初めてなので、とても嬉しいです。今まで生きていながらこんなに嬉しいのは初めてです。お嬢様が僕を友達だと思っているなんて恐縮ですし、僕のせいで失望しそうで怖いです。僕はいつも期待に及ばなかった存在だったので、僕のようなものにどうしてこんなに優しくしてくださるのか悩みました。人間たちは魔族が嫌いですから僕がそばにいたら嫌われると思ってたのに...あ...すみません。心があんまりにも込み上げて、僕が何を言っているのか…」


私はハンカチを取り出して、プルの涙を拭ってくれた。


「貴方なんか何?どうして自分自身をけなすの誰がそんな話をするの?連れてきなさい、懲らしめてあげる!」


私の話にプルは涙ながらにっこり笑った。それから鼻音がした。


「僕も情けないと思うんです。姉上とお母様に比べて魔力も低く何をしてもよくすることがないんですから、王女鈍臭て、学ぶのも遅くてうちのお父様がお母様と結婚ができたのは料理能力や容貌がすぐれてお母様と結婚ができたそうです。それで僕もお父様に料理を習いました。そうすると僕を連れて行ってくれる人がいるんじゃないかと...まわりで皆そう言うんですよ。でも、料理を習いながら少しは自信感もついてきて、僕も面白いだと思っています。情けないですか。強いこともできず、柔弱て掲げた取り柄も一つないです。」


なぜなのか、人々は人の一面だけを見て人を判断する。いろんな姿を持っているから傷つき誤解して葛藤が生じる。でも、その人をもっと知るほど優しさと知らなかった部分が見え始める。私はプルのもう一つの姿を知って、本当の友達になりつつあるような気がした。それでうれしく、一方では腹が立った。


「他の人たちが何と言ったのか、何が関係なのか、プルは自分自身をそう思っているの。私はプルが弱いだとは思わない。絶対プルの弱さじゃない。優しいから人に傷つきたくないから他人との関係を避けながら一人で耐えたんだ。それはプルが強いからこそ可能だよ。人々にはそれぞれ輝く長所があるのに、あまりに自分自身には見えないかもしれないよ。あの空の星のように数千個の長所が存在し、その眩しい長所を探してくれる人がいるなら、その人は貴方をまともに見ているんだよ。プルは数万個の可能性が存在する大事な存在なんだ。だから、そんな弱い話しするな。」


プルは思った。どうしてこんなに真剣に自分の話に共感してこんな暖かい言葉をしてくれるんだろうか。星が騒ぎ立てるようにきらめく自分の心臓も星に合わせて苦しんでいた。どうしてこんなに自分を見つめて目を眺めるのか。角ばったところなく心性がきれいな方だから嘘なく僕に純粋な話をかけてあげることができるのかな。生まれて初めて聞く話が、貴方が言ってくれるその一言一言が、僕の身に乗って、全身にとまり、心臓をときめかせているのです。何らの存在でもなかった僕が存在できるようにしてくれた貴方のために、少しずつ前へ進みたい。そう思いました。星が降る夜空を見ながら誓います。貴方のために、そして僕のために強くなろうと思って星が落ちるのをみて感嘆する貴方がこんなに愛しく思えるのは私の単純な錯覚でしょうか。


「ありがとうございますお嬢様。いやローズ...」


静かに貴方の名前を吟じます。


「うん?ごめん、流れ星を見ていたから聞こえてなかった。今日、本当に美しい夜だね。」

「はい、まばゆいくて、きれいです。」


僕の話を聞いて貴方は幸せそうに笑って見せて心臓が痛くて心の中で言います。貴方はとても美しいです。落ちる星に小さな願いを祈って貴方に送ります。数千個の流れ星が落ちてしまい、そんなふうに夜は深まった。

作家の言葉

就職しましたが、ブラック企業に就職して大変です。早く脱出したいです。

そして、今回の7回は大変でした。私が書いたのにとても恥ずかしいです。

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