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14-1.いざ、お出掛け!

お昼の更新






 *・*・*











 当初の予定通りに、エイマーさん達と領内の大都市リュシアまで食材調達に行く事になりました!



「いや〜ん、エピアちゃん可愛い〜!」


『でっふでふぅ!』



 そして、出発直前のお披露目タイム!


 私とエピアちゃんはメイミーさんのお古でも可愛らしいワンピースドレスを着る事になった。


 ただし、エピアちゃんはせっかくだからと、前髪を上げた方がいいと私とエイマーさんが頑張って説得して。


 見事、可憐な美少女が出来上がりましたとさ。



「こんなにも可愛らしい顔を隠してるのはもったいないよ? しょっちゅうは難しくとも、私達で少しずつ慣らしていく方がいい」


「ですよね、ですよねエイマーさん!」


「そうとも!」



 ここに、エピアちゃん改造?計画が勃発?し始めた。


 まだサイラ君への気持ちは知らずとも、可愛い女の子を埋もれた状態にするのは良くない。それに、このお屋敷の使用人女性は皆良い人ばかり。


 選定されたのが、他ならぬカイルキア様だからね。



「そ、そんな……か、かか、可愛い……言ってもらえても、自信な……い」


「すぐには無理とも、いずれ好きな相手に気持ちを伝える時とかを考えてごらん?」


「す、すすす、好き……!」



 あ、前言撤回。多分これエピアちゃんの気持ちに気付いてるパターンだ。



「私も君のことを言えた訳ではないが、自分を知ってもらうきっかけにはなると思うよ? こう見えても、昔は胸がでかいとかでからかわれて……猫背気味になってたものさ」


「「ひどい……」」



 大きな胸は女性の包容力の証とも言えるのに!


 小さいのしか持ってない私には羨ましいものでしかないが、悩みは人それぞれ。


 とは言っても、貶す連中は同じ女でも許すまじ!


 エピアちゃんの村の女の子達といい、妬む理由がガキ過ぎる内容ばかりだ。


 チャロナ()も、多少(・・)胸の小ささで孤児院の下の子達にはからかわれたりはしたが、イジメには発展しなかった。


 これもすべて、マザー達のお陰。



(…………やっぱり、もっと時間が作れそうな時とかに……マザー達に会いに行きたい)



 有給休暇制度はないけど、シュライゼン様からの依頼もあるし、ある程度落ち着いてからなら。


 冒険者になってからは一度も帰れていないが、良い機会かもしれない。


 そのためにも、今日の食材調達は大事なお仕事だ!



「私の事はもう吹っ切っきれた事さ。そこはいいとして、そろそろ時間だ。マックス殿も待ちくたびれているだろう」



 ご本人が気にされてないのなら……と、エピアちゃんもこっくり頷いたので、お出かけの準備再開。


 と言っても、持ち物はドレスに合わせたポーチ型の魔法鞄(マジックバック)。貸し出し先は、なんとメイドの先輩方。



『お出かけだもの〜、リンクは一時的に解除してあるから好きに使って〜?』



 と、のんびり代表の副メイド長であるアシャリーさんから渡されたのです。


 そこにお財布と小物を入れたら、街まで向かう馬車へ!と歩いたんだけど。



「ま、マックス……?」


『しゃんでふぅ?』



 馬車前で護衛らしく、鎧をつけてたのは確かにマックス(悠花)さんのはずが。



「あらぁ〜、やっと来たのねぇ〜?」



 綺麗な長い銀髪。


 ツヤツヤぷるぷるの唇。


 キリッとした赤い瞳。


 青銀色の鎧からも溢れ出そうな、ぼんきゅっぼんの美しいプロポーション。


 声も、オネエ口調だったマックスさんをそのまま女性に変えたかのようなお姉さん風。



「…………マックス、さん?」


「そうよ〜ん。変装してるから、こ〜んな格好なんだけどぉ」



 いやいやいや!


 変装どころか別人なんですが!



「その姿も久しいなぁ? 契約精霊のレイバルス公と融合した姿だそうだよ」


「う、うん……久しぶり」



 なるほど、この女装?性転換?なお姿には、レイ君が関係してるようだ。


 つまりは……合体?



『ロティも頑張るでふぅ!』


「違う、ロティ! 私男の子にはなりたくないから頑張らなくていいから!」


「あらぁ〜、別に性別関係ないわよん? 今日は女手が多いから、あたしも女になっただけよ?」


「そ、そうなんだ……」



 異世界なんでもありって、ほんとすごい。


 とりあえず、街に行くのに時間がかかるので見た目普通、中は15人乗っても大丈夫な容量の馬車に乗り込みました。


 最後は、しんがり?も兼ねて悠花さん。



「しかし、何度見ても美しいな?」



 おっとぉ、ここでエイマーさんからのお褒めの言葉?


 さっき、何となく好きな人がいるってほのめかしてたし……まさか、とは思うけど。こっちまでドキドキしてしまう。



「そ、そうかしら〜?」



 かく言う、悠花さんご本人もドキドキし過ぎて声が上ずってしまってる!



「ああ、そうとも。普段の凛々しさも残しつつ、女性らしい美しさを兼ね備えている。私なんかじゃ、足元にも及ばないさ」


「そ、そーんな事ないわよ! エイマーだって、今日もピカイチで綺麗だわ!」


「ふふ、ドレスではないが……褒め言葉はありがたく受け取っておくよ」



 そこで、エイマーさんからのウィンク攻撃をくらい、悠花さんノックアウトしました。



『…………ねえねえ、エピアちゃん』


『……うん。エイマー……さん、好きな人って、マックス……さんだよ』


『oh......(´・ω・`)』



 どう言うきっかけだったかはわからないけど、見た目も中身もお似合いカップルだ。


 エイマーさんの方は、何でか騎士風になってるのだけれど。本心か照れ隠しかわからない。


 ロティの髪を撫でながら、そんなことを考えていると、そのエイマーさんが私に話しかけてきた。



「チャロナ君。今日のメインは屋敷の食材調達だが、他に気になるのはあるかい?」


「あ、そうですね。……マーガリン、がもし手に入れば」



 日本ではバターと同じかそれ以上に需要が高い、植物油脂の加工品。


 ただトランス脂肪酸云々で、成人病に繋がりやすい危険性もあるが、もしかしたらグルテンフリーのようにその成分が薄い食品があるかもしれないから。



「マーガリン? ああ、あの油か……言ってくれれば、私の実家伝で取り寄せられたのに」


「え! すみません、自分の目で確かめたかったので」


「なに、悪いとは言ってないさ。これから行くリュシアと言う都市ならば、手に入らなくないが」


「大きな街なんですよね……?」


「う、うん…………王都、より少し小さいって」


『「ほえ〜」』



 冒険者時代も、どの国に行くにしてもレベルと報酬の低さでパーティーは王都を外していた。


 ホムラ皇国でもなかったけれど、これから行くリュシアはどんな街だろうか。



「この馬車なら、30分もかからずに到着するさ。見る物もだが、調達先が多くてね。旦那様にはいつも最加速の馬車を出してくださるんだよ」



 だけど、御者も乗用してる者にも揺れを感じさせないようにしてあるらしい。


 だから普通に会話は出来るし、仮に食事をしてても問題はないそうだ。今日のお昼ご飯については、私達はエイマーさん御用達の美味しいランチのお店に行く予定である。



「…………マックスさぁん、そろそろ起きましょうよぉ」



 せっかくエイマーさんの隣に座っているのに、さっきの誉め殺し?攻撃で目がハートになってる残念美女でしかなかった。

夕方も頑張ります!

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