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102-2.少ない差し入れは?(ケーミィ視点)

お待たせ致しましたー






 *・*・*(ケーミィ視点)









 美味しい。


 やっぱり、すっごく美味しい!


 自分達で作った、卵サラダを挟んだパンもだけど。


 バターがたっぷり使われた牛乳パンって言うのもすっごく美味しくて。


 いくらでも食べられそうだ!



「美味しいね、ケーミィ」


「うん、美味しい!」



 ターニャと一緒になって、口の周りをマヨネーズだらけにしてしまうけども。


 拭うのが億劫になるくらい、美味しくて美味しくて。


 隣に座ってるクラットも、あふれ出てる卵サラダを受け止めながらバクバクと食べてた。



「うっめ……うっめぇ!」


「そんなにも急がなくていいでしょ?」


「だって、うめーしよぉ!」


「けど、今日は二つだけなんだねー?」


「この前もそうだったじゃない?」


「でも、あれはお腹いっぱいになったけど」



 たしかに、食べ盛りな子供ばかりの孤児院で過ごしている私達には、少しばかり物足りない気がする。


 すると、私達の後ろから誰かがやってきた。



「いーい、とこに気づいたんだぞ!」


「「「シュライゼン様!?」」」



 マザーではなく、シュライゼン王子様がやってきた。


 にこにこと笑顔でやって来られたシュライゼン様は、ほっぺにマヨネーズがついたままのクラットに、ハンカチを差し出して拭くように言った。


 王族のハンカチを……と思うけど、ここは有り難くご厚意に甘えよう。クラットは洗って返すと言ったが、シュライゼン様は気にしないでとハンカチをポケットに戻した。



「今日はこの間とまったく違うお菓子を作るから、あんまりお腹いっぱいにならないで欲しいんだぞ!」


「「「ほへー」」」


「その名前も、スフレパンケーキ。フライパンを使ったケーキを作るんだぞ!」


「「「ケーキ!?」」」



 蒸しパンがほとんどだった、お菓子作り教室が今日はケーキ!


 ケーキだなんて、孤児院では街で二ヶ月に一回買えたらいい方、と言うくらい貴重なお菓子だ。


 けど、今回はそれを私達が作れちゃうだなんて。


 思ってもみなかった!



「ふふーん。たくさん作るから、お昼ご飯は少し控えめなんだぞ!」


「そ、そんなたくさん食べられるんですか?」


「皆が頑張れば、なんだぞ〜」


「「「はーい!」」」



 いったい、どんなケーキなのか気になる。


 けど、今は目の前のパンを食べることに集中しよう。


 まだ少し残っているそれぞれのパンを、私は口に入れた。



(パンはふわふわ……卵の方は少し香ばしいけど、レタスと卵のサラダがよく合って、いくらでも食べれちゃう!)



 あふれそうになるくらい、自分で詰めた卵サラダは美味しくて美味しくて。


 魔物の卵だとは思えないくらい、美味しくて美味しくて。


 ちょっと不思議な形をした、お姉さん曰くバーガーって形のパンをパクパク食べ終えたら、残るは牛乳パン。


 最初に食べた時の、白いパンとよく似てるけど。大きさはバーガーほどあって。


 中のクリームは、ほとんどバターなのにしつこくなくてトロリと舌の上でとろけるような感じがたまらない!


 甘さには、少し不思議な感じがしたけど。ほんのりしょっぱいから塩を使ってるのはわかった。



(けど、甘いのにしょっぱいのが合うんだ……?)



 不思議な味。


 けど、気にならないくらいに美味しくて美味しくて美味しくて。


 パンもすっごくふわふわで、クリームとよく合ってて。


 あっという間に食べ終えてから、私は感謝の祈りをいつもより長めにした。



「皆さん、どうでしたか?」


『『『美味しかったです!!』』』


「誰もお残ししてないかーい?」


『『『はーい!!』』』



 こんなにも美味しいパンをお残し出来るだなんてあり得ない。


 全員、勢いよく返事をしてから一度手を洗うのに洗い場に向かい。


 調理室に行くと、卒業生のミュファンさん達や公爵家のアイリーン様達が何か準備をされていた。



『『『こんにちは〜!!』』』


「はい。こんにちは。いいお返事ですわ!」


『『『は〜い!!』』』



 今から作る予定の、スフレパンケーキと言うのは。


 いったいどんなものなのか。


 とりあえず、材料を見る限りこの間のココア蒸しパンとはそんなにも変わらないように見えたけど。


 さっき卵サラダに使った、コカトリスの卵が大量に置いてあったのだった。


次回は日曜日〜

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