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86-6.牛乳パン実食

今日から作者誕生日企画スタート!






 *・*・*









 ひと通りのパン作りが終わったら、ちょうどおやつタイムより少し前の時間になっていたので。


 ではでは、いざ牛乳パン実食!と相成りまして。


 食堂のテーブルを寄せて、ちょっとしたお茶会セッティングをしました。


 牛乳パン以外にも、せっかく作ったジャムやカッテージチーズでペポロンパンとかを食べるのも兼ねて。



「美味しそうなんだぞ!」



 一番に楽しみにされてたシュライゼン様は、今か今かと待ちきれないでいらした。



「これはこれは。美しいですなあ?」



 対するカイザークさんは、少し前に泣いてしまったのが嘘だってくらいに、今は落ち着かれていた。



「では、皆さん。用意も出来ましたので、食べましょう!」


「待ってたぜ、チーちゃん!」


『でっふ、でふううう!』



 悠花(ゆうか)さんやロティも待ちきれないからか、私が許可を出すと『ひゃっほぅ!』と飛び跳ねた。


 ひとまず、席に着いてからいただきますをすると。



「まず、この牛乳パンから食べるんだぞ!」



 シュライゼン様はよっぽど気になっていた牛乳パンを手に取り、顔をキラキラと輝かせてる感じは、まるで子供のよう。


 でも、それくらい期待されてるのだから、こちらも笑みがこぼれるのを抑えきれない。



「一気に召し上がられると、むせますのでコーヒーか紅茶と一緒にどうぞ」


「うむ!…………うんまい! 甘くて少ししょっぱいのにパンとよく合う!」


「へー。こんな味なんだな? バターだから結構こってりしてんのに、練乳の甘味が強くて、けど粗塩のしょっぱさもあって」


「ほぅ。このような甘さ……子供には好かれやすいでしょうな?」


「そうですな、カイザーク卿」


「これは美味しい!」


『でっふ、でっふぅ!』


『あ、ロティ。クリームついてるでやんす』


『にゅ?』



 と、各々の喜んでいただいて嬉しくなったが。


 ロティのほっぺに牛乳クリームがついていたのを、レイ君がさりげなく取ってくれて。その後、口にぱくんちょと含んでも、ロティはぽかんとしてただけだった。



『く、惚れさせれんかった!』


『ありがちょーでふ?』


『うん……うん。いいでやんす』



 レイ君の恋の成就はなかなかに難関になりそうだった。


 とりあえず、私もいい加減牛乳パンを食べようとひとくち口に入れると。






【PTを付与します。



『牛乳たっぷり牛乳パン』

『ふわもちペポロンパン』

『シンプルな白パン』



 ・製造(牛乳パン)20個=500PT

 ・製造(ペポロン)100個=500PT

 ・製造(白パン)100個=200PT

 ・食事(牛乳パン)1個=200PT



 →合計1400PT獲得



 レシピ集にデータ化されました!





 次のレベルまで、あと3018100PT




 】





 白パンは安定のもちふわ。


 そこに、こってりしたバターがメインの牛乳クリームが舌の上でとろけるように広がっていき、練乳の甘さと粗塩のしょっぱさが際立って。


 このパンは、前世で店長が長野に行った時に立ち寄ったパン屋さんで出会ったものらしく。


 作り方は、そのお店のパン屋さんが快く教えていただいた事で店長のお店でも作るようになり。


 長野では定番だったこってりしてるのに甘じょっぱいパンがお店でも販売するようになったのだ。


 コンビニとかだと、悠花さんが言ってたようにマーガリンをベースにしたミルクブレッドが多いけど。


 私としては、この作り方が好きだった。



「チャロナ〜。今度の定例会、デザート向きはこれにしないかい?」



 シュライゼン様はひと通り召し上がって満足したのか、ほっぺの横にクリームをつけながら質問してきた。



「いいとは思いますが、それですとパンはもう一品だけの方がいいかもしれないですね?」


「ふむ。結構重たいし、子供にだと食べ応えがあるしね?」


「カレー、ピザに続きますし、次回は何にしましょうか?」



 2回目はシュライゼン様の希望があってピザパンにしたから、次は何がいいだろうか?


 食べるのはお昼だし、出来れば惣菜パンがいいだろうけど。



「カレーパンはダメかい?」


「希望は多いですが、牛乳パンだとあと味が少しきつい気がします」


「ううむ。ナポリタンもいいけど、重たいのは一緒だし」



 だとしたら!


 私は一つだけ思いついたのがあった。



「子供達にも挑戦しやすいパンにしませんか?」


「どんなのだい?」


「ゆで卵を使った、卵サラダをたっぷり挟んだ『バーガー』と言うものです」


「「『「「バーガー?」」』」」


「お、卵サンドイッチの応用か?」


「うん。ハンバーガーとかは、また次の機会がいいだろうし」



 このパンもマヨネーズたっぷりだからこってりに近いが、多分牛乳パンとは喧嘩しないと思うから。



「バーガーってなんだい? なんか聞き覚えあるけど」


「俺が昔話しただろ? 肉や野菜を挟んだサンドイッチのひとつ。結構美味いって」


「おお、それそれ」


「チーちゃんは、それを卵サラダで作ろうってわけか?」


「うん。こう……普通のハンバーガーとは違うバンズを作るの」



 イメージは、半月くらいのパンの型。


 それに切り込みを入れたところにレタスと卵サラダをたっぷり挟んだサンドイッチ風だ。


 説明すると、シュライゼン様は想像したのかヨダレを垂らしそうになっていた。




「俺も作ってみたいんだぞ!」


「そうですね。麺棒の練習にもなりますから、次回のパン教室で試作しましょう」


「おー!」



 さて、試食会も無事に終わってから。おやつタイムになったので、やってきた皆さんにパンの説明をしてから配り。


 シュライゼン様達もお手伝いをしてくださったので、夕飯の説明をすることにした。



「ヌーガスさんから、味噌と言う調味料をいただいたので。旦那様が、今晩よろしかったらおふたりに料理を振舞ってやれといわれまして」


「チャロナのご飯! それは肉かい?」


「いえ。魚ですが、とっても美味しいですよ?」


「へー、なんて料理なんだい?」


「私の前世では、冬の定番料理だった『ちゃんちゃん焼き』と言う鉄板料理です」


「ちゃん……?」


「鉄板……とは、窯に入れる料理ですかな?」


「いいえ。鉄板の上で焼く料理です」


「「んん?」」



 まあ、おふたりが知らないのは前世での世界観が違うので無理もないが。


 夕飯まではまだ時間があるので、食休みしてからスタートする事になった。

次の土曜まで毎日更新!

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