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76-6.報告とこれからの事

今日は短めです






 *・*・*









 第二回、お菓子教室も無事に終わったことで。


 今回はリンお兄ちゃん達のお店には寄らずに、お屋敷に戻ってきて。


 カイルキア様に、ご報告と一緒にケーミィちゃん達の班が作ったココア蒸しパンをお出ししました。



「お菓子ですが、これもパンの一種なんです。どうでしょうか?」



 デコレーションも何もしてない蒸しパンを卓に置いたまま、カイルキア様はじーっと見つめられていた。



「これも……パン、なのか?」


「はい。私が作ったのではなく子供達のですが」


「チーちゃんが渡したレシピで、結構うまく作ってたぞ?」


「……そうか」


「僕も食べていいの?」


「はい、是非」


「とっても美味しいですわよ、レクター様!」



 今日指導係として頑張ってくださった、リーン様もまだ興奮が冷めていない状態。


 よっぽど楽しかったみたい。


 そして、カイルキア様達は蒸しパンを手にしてパクリと食べられると。



「……これは」


「うん! ちょっとほろ苦いけど、全体的に甘くて美味しい!」


「これを、子供達がか?」


「基本的には混ぜて、型に入れて蒸しただけなので。さほどは難しくないんです」


「うん。たしかに、それなら簡単そうだね?」



 アイスミルクはないけど、コーヒーにもよく合うのでお二人は美味しくいただかれました。



「でなんだが、カイル。ひとまず、二週間置きに差し入れを考えたいんだぞ。あと、今回は俺の許可で蒸しパンのレシピをいくつかマザーに渡したんだ」


「……チャロナのパンが美味すぎて、今までのパンを残しがちだからか?」


「そうなんだぞ。予想はしてたんだが、思った以上に残してしまってるらしいからね?」



 私の作るパンは、この世界だと【枯渇の悪食】のせいで失われたレシピの中でも、特に被害が大きかった分画期的で。


 親を失ってしまった、孤児院の子供達にとっては、特に美味しいに違いない。


 だからこそ、自分達で少しでも作れるようになれればと、シュライゼン様の許可を得て、蒸しパンの種類を増やしたレシピを渡したのだ。



「……シュライゼン。貴族でなくとも良いが、先にリュシアからパン作りを広めていくのか?」


「そう言うつもりはなかったんだけど、可能だったらいいかなあ?」


「しかし、ロティがいない状態では力仕事にならないか?」


「それだったら、少量ずつ作っていく方法もあります」



 手ごねはとにかく力作業なので。


 ホームベーカリーとはまた違うが、慣れない間は少しの量から始めるのが一番いい。


 それを伝えると、カイルキア様も頷いてはくれましたが。



「チャロナが毎回行くのでは、手間がかかるが大丈夫か?」


「は、はい。無理しないように頑張ります!」


「そうか。日程はまたシュライゼンと決めよう。こいつにもパン作りを教える必要があるからな」


「うむ。なんだかんだで、まだ途中しか教わってないんだぞ」


「わたくしも頑張りたいですわ!」


「……リーンは、徐々にな」


「! はい!」



 とりあえず、孤児院のマザー達を中心に教える事にもなりそうなので。


 ちょっとだけ、スケジュールがまた埋まりそうになったのだった。



「しかし、ココアを入れただけでこれだけ甘さが出るとは」


「あ、カイル様。生地には今回刻んだチョコも入れてるので甘めに仕上がってるんです」


「……なるほど」


「あと、冷凍しても大丈夫なので。ちょっとした保存食にも向きます」


「冒険者だと、魔法鞄(マジックバック)に頼っちゃうけど。普通の家庭にはいいわよね〜?」


「全部の蒸しパンで出来るわけじゃないけど」



 そして、リーン様も自分で色々作ってみたいと言うことで、マザーに渡したのと同じレシピを用意しました。

明日も頑張ります!

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