【幕間】メンチカツのレシピ
今日はメンチカツのみ
★・☆・★
軽やかな音楽が暗闇に響き渡り、ある一点に向かってスポットライトが当たる。
そこには、作者こと櫛田が頭の部分にシルクハットを乗せている。
『メンチカツ……メンチカツの呼び名は日本だと関東や関西で違いますが、作者の家は両親が関西だったので『ミンチカツ』と時々読んでいました。説は色々ありますが、近畿地方を中心とする西日本では、元々挽き肉をミンチ肉あるいはミンチと呼ぶことが東日本よりも多いらしく、ミンチで作るカツからそのまま「ミンチカツ」と呼ばれる方が多いと言う説です。』
ステッキが現れ、ポンっと音が立つと櫛田の上に美味しそうな分厚いメンチカツが浮いている。
そして、後ろにはチャロナとマックスの登場。
「……もうメンチカツ地獄はこりごり」
「お疲れねー、チーちゃん」
「ウスターソースを中濃ソースにする手間もあるし、ほんっっっと、疲れた!」
『自分で書いててなんだけど。リアルにあれだけ作ると匂いも凄いから空腹地獄だもんね』
「よくも、チーちゃんを放り込んだわね?」
『じゃあ、マックス。君は出来るかい?』
「無理ね」
『でしょー? さて、今回はサンドはお休みさせて単純にメンチカツを作ろう!』
『熱々メンチカツ』
<材料>
合挽き肉
キャベツ
玉ねぎ
パン粉
★塩胡椒
★ウスターソース
★ケチャップ
★醤油
★赤ワイン
★ナツメグ
★卵(コカトリスじゃなくても可)
《溶き衣》
水
卵
薄力粉
『醤油はあってもなくてもどっちでもいいですが、あると良いでふ』
「最初のメンチカツでも入れませんでしたしね?」
「隠し味と言うかしら?」
『「そうそう」』
①挽肉に★の調味料を入れて、粘りが出るまでよく混ぜる
『この時のもう一つのポイント。挽肉はハンバーグの仕込みでもですが、できるだけ冷たくした肉を使用する方がいいでふ。デメリットは、手が冷えひえになることですが、肉汁を閉じ込めるにはこの方法が一番』
「手を冷やしたりすることでも出来ますが、肉の脂が溶け出しにくくなるので」
「いやだわ……手がしもやけになりそうね」
「けど、ハンバーグも割れにくくなるんだよ? ご家庭では、チルドでしっかり冷やしただけでもひと手間違います!」
②玉ねぎ、キャベツの粗みじん切りを加えて、よく混ぜてパン粉も入れ、さらによく混ぜる
③あまり分厚くならないように、成形
『コンビニとかのゲンコツうんたらのように、分厚いのは家庭だとなかなか難しい。何故なら、火力が足りずに中心まで火が通りにくいから』
④溶き衣を。水と卵をよく混ぜ合わせたのに、薄力粉を入れてよく混ぜる
⑤溶き衣、パン粉の順に衣をつけていく
⑥170度の油で7分程カラッと揚がれば完成
『これだけで、洋食屋にも負けないジューシーメンチカツの完成ぃ』
「今回は、最初の調味料入れる以外簡単だわね〜?」
『けど、次は入れたいかもチーズ入りとか』
「「きゃああああああああ!」」
「暴力よ! 飯テロの暴力よ!」
「そんな……そんな禁断の味を覚えてしまったら……また地獄見ちゃうぅううううう!」
『フハハハハ! シュレッドチーズじゃ包みにくいから固形タイプとかにすればよかろう! ちなみにチーズを入れた場合は、160度の油で10分くらいじっくり揚げるのがオススメ!』
「こ・ろ・し・て、良いかしらん?」
『きゃあああああああ』
戦斧を構えそうになったマックスの魔の手から、ステッキを振って見事に逃げおおせた櫛田であった。
明日は少し休養も兼ねて、人物紹介だけでふ