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【幕間】三色ジャムパンのレシピ

今日は幕間







 ★・☆・★







 軽やかな音楽が暗闇に響き渡り、ある一点に向かってスポットライトが当たる。


 そこには、作者こと櫛田が頭の部分にシルクハットを乗せている。



『ジャムパン……それは、あんぱんやクリームパンに並ぶ、日本にとって歴史のある菓子パンのひとつ。ただし、現代では需要が少しずつ減っているパンのひとつ』



 ステッキが現れ、ポンっと音が立つと櫛田の上に三色ジャムパンが浮いている。


 そして、後ろにはチャロナとマックスの登場。



「お久しぶりでーす」


「復帰直後に、だけど。今回は二人の腕がかかっているものね?」


『いやーいやー。途中ちょこっと失敗しかけたけど、修正したので大丈夫ー』


「何が?」


悠花(ゆうか)さん。ジャム作りの工程だよ」


『うにゅ』


「となると……とろみの部分?」


『YES。勤務先の主任に指摘もらって、◯イッターのフォロワーさんにもね』


「急にリアルな話題ね……」


『とりあえず作ろー!』


「おー!」



 チャロナはが手を叩いてステータス画面を開く。








『中身色々、三色ジャムパン』


 <材料>

《生地》

 ★強力粉

 ★米粉

 ★砂糖

 塩

 バター

 卵(コカトリスでなくとも可)

 ぬるま湯

 イースト




《ジャム》

 お好きなベリー類(苺、ブルーベリー、ラズベリー)

 砂糖

 レモン汁

 コーンスターチ




《別途必要》

 ドリュール

 打ち粉

 ケシの実

 ドライ苺

 サラダ油





『ジャムを全部作ると、尺が長過ぎるから。今回は苺だけにしますん』


「手順はそこまで変わりませんが、ジャムパンと言えば苺が定番なので。今回は苺になりました」


『櫛田の勤めてるパン屋ではついこの間まで、ラズベリージャムで作ってましたが。月ごとのローテーションで作るのでもう終わっちゃいました』






《生地の仕込み》

 ①ボウルに★を入れてよく混ぜ合わせる



 ②ナビシステムが変換(チェンジ)した撹拌機(ミキサー)のボウル部分に投入。ここに、バター以外の材料を入れてスイッチを入れて混ぜ合わせる



 ③まとまってきたら、バターを入れてしっとりなめらかになるまで撹拌



 ④仕上がったら、オーブンを発酵器(ニーダーポット)に設定してボウルに移した生地を入れて三倍に膨らむまで一次発酵





「菓子パンは、酒種を使わないのでしばらくはこの作り方です」


『酒種だと、うちの店の場合は甘酒ベースで継ぎ足し継ぎ足しの一週間もしくは仕込みに二週間以上かかるらしく。けど、イーストの方がご家庭では作りやすいので頻繁に作る方以外は大丈夫です。あと、管理がそこそこ大変なので、酵母作りはほんと注意しましょう』


「何がよ?」


『「カビ」』


「お、おう……」


『容器も定期的に洗浄して水気を切らなきゃいけないし、カビはいくら保冷してても起きるもの。要注意……要注意でい!』


「「なんで江戸っ子?」」


『そこはいいから続き!』







《ジャムの仕込み》



 ①いちごは洗ってヘタを取り除き、水気を切って約20%〜30%の砂糖をまぶして放置(錬金術で、ここは時間短縮(クイック)!)



 ②2時間ほどで、水気が出てくる(最低でも1時間放置)



 ③いちごから出てきた水分ごと鍋に入れて火にかける。最初は中火、沸いたら弱火

 →混ぜながらゆっくりと炊く



 ④途中、白いアクが出てくるのでこまめに取り除き、10分ほど炊く



 ⑤マッシャーなどで潰して、レモン汁を加え、焦げないように弱火で



 ⑥20分ほど炊くと、濃度が出てくるのでお好みの固さまで煮たら火を止める



 ⑦パンに包むジャムの仕上げは、弱火で炊いてるところにコーンスターチを少しずつ加えながら混ぜる


 →バットに取り出してラップで乾燥防止。保冷剤(もしくは冷却(コールド)で冷やすのみ






『ここで注意点。コーンスターチを入れてもとろみがどれだけつくかは仕込み次第!』


「そうなの? あたしはてっきり、水溶き片栗粉の要領かと思ったけど」


「悠花さん、成分表示とかの『ゲル化剤』や『ペクチン』って覚えてる?」


「ああ、あったわね。そう言うの」


『要は、食品添加物がない状態の手作りジャムは……コンフィチュールくらいゆっるゆる。基本的にはね?』


「そうね。で、ゼラチンだと固すぎるから。今回はコーンスターチってわけでも」


「うん。入れ過ぎでも風味を損なっちゃうから、慎重にしなくちゃいけないのよ」







《成形》


 ①発酵後、40g前後に分割していき

 →すぐ作れないなら、発酵器(ニーダーポット)を冷蔵モードにさせて、鉄板に乗せたら入れて発酵止め





『復習。この作業は、作者が毎日仕事でやってる方法。ベンチタイムがすぐ出来るときはいいんですが、置き過ぎると発酵し過ぎてべちゃべちゃになります。とにかく、フィリングなどを用意する時間がかかる場合は、生地を分割させたあとは発酵させないように冷蔵保存しましょう。温度は出来れば−3℃前後』


「「はーい」」




 ②冷蔵から出した場合。

 →麺棒で、短めのベンチタイムを置きながら回数を分けて平たく丸く伸ばす



 ③生地に対して25gほどのジャムを、アンベラに乗せて生地に包み込んでいく



 ④ジャム三種類とも、同じ要領で



 ⑤15cmほどのケーキ型にサラダ油を薄く伸ばしておく



 ⑥三種類、詰めていく


 ❶いちごはドライ苺を乗せる

 ❷ブルーベリーは凹ませる

 ❸ラズベリーはドリュールを塗ってからケシの実をまぶす




『見分けつけさせなきゃ、どれかどれかわからないので』


「コンビニだとそのまんまよね?」


『まあ、あれはあれで美味しいけど』





《焼き》


 ①二次発酵を30分程かけたら、ドリュールを適量塗り



 ②オーブンで12-15分、生地が膨らみ好みの焼き色になるまで焼いたら完成



 ③型を軽くコンコンとさせても出にくいようならば。アンベラなどでぐるっと一周入れると取れやすい






『焼きたてもいいけど、冷めてから食べても美味しいジャムパンだよん!』


「ジャムはりんごでもマーマレードでもよし! 緩みにくいのは柑橘類とリンゴなので、そっちはコーンスターチあんまり入れなくても大丈夫です」


「……固くなるの?」


『自然の添加物だしね。ペクチンとかって、要はそう言った化学成分だから』


「なるほー」


『けど、緩いまんま包むと生地とジャムの砂糖の部分が接触して……焼く時生焼けになる可能性もあるので注意!』


「「はい!」」






 三人の周りがだんだん暗くなっていく。

明日から、また新たな出会いが!

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