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6-2.サンドイッチ作り

本日二話目








 *・*・*








「ごちそう様でした!」


『ごちしょーさまでふた!』



 カイルキア様が朝食を取られてからは、怒涛の時間が過ぎた。


 配膳はもちろんだったけど、パンの温めや追加の焼きに加えて、お弁当用にお願いされてた追加の食パン作りなどなど。


 1日目の前半なのに、もう主戦力くらい働いて、それから挨拶も適度にしながらだったから、ゆっくり休憩が取れたのも10時前くらい。


 今はロティと一緒に早めのお昼兼朝ご飯を食べ終えたところだった。





【『ふわふわバターロール』



・製造50個=500PT

・食事2個=50PT




『ふわもち山形食パン』



・製造4本=800PT




 レベルUP!

 →1350PT獲得により、レベル4に!



 特別PT付与

 →野菜ゴロゴロラタトゥイユ入りオムレツ=30PT

 →優しいコンソメスープ=25PT

 →フレッシュハーブサラダ=10PT



 次のレベルUPまであと185PT




 】




 食べ終えた時に一瞬だけ頭がふわーってしたけど、天の声が聞こえなくなったら情報と共に意識がはっきりしてくる。


 レベルアップの症状?は普通だとあり得ない感じだからか、秘密を知ってる人達が同席してない時以外はロティと一緒に食べるように配慮されています。


 今は、サイラ君含める使用人さん達はもういなく、シェトラスさん達は片付けと棚卸しのような作業があるから手が離せないみたい。


 なので、今のうちにとロティと食べていたわけで。



「レベルアップは最初早いけど……今のでコロンも付加されるの?」


『あい! ステータス見まふか?』


「うーん……新機能とかがあるなら」


『ないでふ。ちゅぎは、5からでふね』


「それなら、機能が追加されてから振り分けしようかな?」



 製造は今のところ1個につき10PT加算されてるが、食べた分はバラバラ。


 パン以外も私が作る時は多いが、必ず同じ値じゃないみたい。


 そこを考慮すると、新機能が追加されてからコロンを振り分けた方がいいはず。特化型も面白いかもしれないが、私ゲームの時もバランス重視だったから癖かも。



「じゃあ、片付けしてからはお弁当用のサンドイッチね!」


『でふぅ!』



 厨房に戻っても、貯蔵庫に行かれてるのかシェトラスさん達はまだ帰って来てない。


 だけど、お弁当やカイルキア様やお客様のためのパン作りは頼まれてるから、材料は好きに使っていいって許可はもらってます。



「たまごサラダ以外に……ツナ……ハムチーズ?」


『美味ししょーでふぅ!』


「味見はするから、その時に食べよ?」



 ポテサラもいいかもしれないが、あんまりマヨネーズ味を増やし過ぎると、舌が飽きちゃうかもしれない。


 人数もそこそこいるし、これからほぼ毎日作るんだからまずは試作。バリエーションを増やすのも少しずつでいい。


 パンはもう出来ているから、ロティにはそばにいてもらって、まずはたまごサラダ作り。



「モンスターの卵をこんなにも使えるのって贅沢だよねー?」



 スプーンで一個一個ヒビを入れてから大鍋に入れていく。


 色と柄以外はニワトリの卵と変わらないが、こんなにもたくさん使えるのって本当に贅沢。まず、サイラ君みたいな飼育員さんがいる時点で凄いけど。



『モンスターの食材は、この世界だと多いでふにょ?』


「うん、まあ。それは知ってたけど……記憶戻っちゃうとギャップがね……」



 千里(ちさと)の記憶が戻らなきゃ、特に普通に思ってただろうが今は違う。その記憶と知識があるお陰で、今の道を歩めたのだ。


 ただ、ファンタジー要素とそうじゃない部分のギャップが大きく感じるのは、まだ少し混乱してるから。


 想像世界のようなのがリアルタイムで起きてると分かると、前世の常識が少し邪魔をしてくるのだ。



「煮てる間に、他の具材を準備して」


『ロティ、おてちゅだい出来まふか?』


「そうね……。じゃあ、ゆで卵が煮え過ぎないように見ててもらえる?」


『あいでふ!』



 ビシッと可愛く敬礼するのに、思わずくすくす笑ってしまうが見張番はお願いすることにした。


 その間に、ハムのスライス。柔らかいチーズもスライス。リーフレタスを水洗いして、ツナの油抜きなどなど。


 外のお仕事が多い使用人さん達をメインに、ざっと15人分程なので作る量はそう多くない。


 ただ、シェトラスさんやエイマーさんも食べたいと言ってくださったので、私達のお昼もサンドイッチになってる。



『ご主人様〜〜ゆで上がったでふぅ〜!』


「ほんと? すぐ行くね!」



 ツナマヨを作ってた手を止めて、急いでコンロの方に向かう。



「どーれどれ?」



 菜箸はないのでおたまの底を卵に当てれば、伝わってくる振動がほとんどない。固茹でではないだろうが、ロティの判断を信じて鍋をシンクに移す。


 お湯を捨ててから流水にさらし、あとは昨日と同じ段取り。違うのは、ロティが冷たくなった卵に魔法でヒビを入れてくれたところだ。


 魔法と言っても、卵を浮かせて角に軽く打ち付けてからボウルに入れるだけ。けど、AIな精霊だから魔力云々は高い。


 ナビ自体のレベルにはPTがまだまだいるが、レベル1でも知能や機能も高い。性格と口調だけが赤ちゃんだけど、全然気にならないや。



「じゃあ、仕上げだね!」



 すぐ食べるわけじゃないから、水分を多く含ませてはいけない。


 そのための手間をかけるために、少し湯煎でゆるませたバターをスライスしたパンの片面に塗っていく。



(この手間だけでも、サンドイッチが美味しくなるんだよね?)



 マーガリンはこの世界で見たことはないけど、バターじゃなくてもマヨネーズでいい。


 しっかり塗ることで、パンの表面に油分の膜ができ、パンに水分が染み込むのを防いでくれるからだ。


 千里だった時……と言っても、パン屋にも専門学校に行く以前のほんの小さな頃。


 お母さんがいない時に自分なりにサンドイッチを作ったら、べちゃべちゃになった事があった。もっと後になって知ったこの方法は、専門学校に入る前に納得。


 パン屋にいた頃は、マヨネーズで統一していた。水分の理由もあるけど、コクを出したいのならお好みでいいのだ。



「水気を切っておいたレタス、フィリング(具材)……またパン。これを全部作って」



 二枚のまな板とガーゼを使って、少しの間パンに馴染ませるように置いておく。


 その間に、エイマーさんに教えていただいたお弁当箱の収納棚から全部出して、軽く乾拭き。


 お弁当箱の厚みを確認してから、いざ入刀!



「波刃包丁があって良かったよ……」



 これがあるないだけで、全然違ってくる。


 慣れてる人なら、普通の包丁でも全然いいけれど。厚みのあるサンドイッチを綺麗に切るなら、私は大きな波状の刃がついてる包丁を選ぶ。


 あまりパンを押さえつけずに、綺麗に切れるからだ。ノコギリの要領でカットし、その都度布で汚れを拭いてからお弁当の分を切って箱に入れ終えると?







【『色どりサンドイッチ』



・製造45個=350PT





 レベルUP!

 →350PT獲得により、レベル5に!



 新機能が追加されました!

 →時間短縮(クイック)レベル1




 特別PT付与

 →コカトリスの卵サラダ=45PT

 →こってりツナマヨ=50PT



 次のレベルUPまであと1050PT





 】




 食べてはいないけど、たくさん作ったからもう次のレベルアップに。


 意識が落ち着いてから、私はそわそわしてたロティをぎゅっと抱きしめた。



「新機能追加だね!」


『あい! おやちゅも頑張るでふぅ!』


「うん。チョココロネ作ろうね?」



 甘いものが大好きかもしれないカイルキア様なら、きっと気に入ってくださるはず。


 あんぱんは、まだ小豆が確認されていないし……ね?

まだ続きますノ

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