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34-2.新機能『炊飯器』『揚げ物フライヤー』

炊飯器、でのデザート!


あと、揚げ物なら……のフライドポテト!



「『「新しい技能(スキル)でデザートを??」』」


「何それ、おっもしろそう!」



 戻ってからすぐに、シェトラスさん達に炊飯器の事を伝えました。


 フィルドさんには、レベルアップについての状態変化以外はもうほとんど打ち明けてるから、仕方ない。


 けど、お手伝いはしてくださるみたいだ。



「まずは、ロティを変換(チェンジ)させてみますね?」


『あいでふ! 変換(チェンジ)!! 炊飯器(ライス・クッカー)ぁ!』



 ぽぽぽぽーん、と音が聞こえてキラキラスモークが出てくるのはいつも通り。


 スモークが消える頃には、調理台に乗ってたロティの姿がない代わりに。


 銀色のぴっかぴかな、これぞ炊飯器!ってタイプの家庭用炊飯器が出てきた。


 私もだけど、他の人達も全員『おお!』と声を上げちゃった。



「なんだい、これは!」


「今までの調理器具とは違ってかなりシンプルだが……」


「ねー、チャロナ。これなーに?」


「えっと……炊飯器。普通は、お米を炊く時に使う道具です」


「『「「これで米を!?」」』」



 質問攻めにあう前に、大まかに説明をしたつもりだったが、さらに驚かせてしまった。


 でも、逆に自分もと思えばそうなるかと納得。



「お鍋で炊くのもいいんですが、これがあると温かい状態で何時間も置いておけます」


「便利〜!」


「さっそく米……と言いたいんだが。あれも私達がうまく炊けないせいで常備はしてないんだよね?」


「ラスティさんに聞けば、種もみ用のものならあるのでは?」


「では、行ってきてくれるかな?」


「はい!」


「あ、待ってください! 最初にも言ったように、今日作るのはデザートです!」


「『「「……それで??」」』」


「はい」



 冷めても美味しいデザートだから、まずは材料集めから。




 りんご

 バター(無塩がよろしい)

 砂糖(上白糖より、三温糖のようなの)

 レモン汁


 ◼️溶かしバター

 ◼️砂糖

 ◼️卵(鶏卵でも可)


 薄力粉

 アーモンドプードル

 ベーキングパウダー




 まず先に、りんごの下ごしらえから。



「作り方は個人差があるのですが。ひとまず、りんごをよく水洗いしてください」



 出荷用じゃないのには食用油を含ませていないらしいが、皮ごと食べるからよく洗うのは大事。


 洗うのはシェトラスさんとフィルドさん。


 私は、レイ君とエイマーさんでカッティング。


 ヘタと芯を取って四等分したのを、5合炊き以上出来そうなロティの炊飯器の釜に入れる。


 釜には、先に薄くバターを塗りつけておく事。


 これに、レモン汁、バター、砂糖を入れたら、炊飯モードで一度火を通す!


 ボタン部分は、緑に『炊飯』と書かれてるとこを押すだけみたい。



『1時間かかりますでふぅ!』


「ここで、時間短縮(クイック)!」



 この間貯まってたコロンを使いまくって。


 時間短縮(クイック)もそこそこレベルアップしました。


 名前を叫んで、バナーが出たら短縮出来る枠がもっと増えました。


 1時間もだけど、2時間、3時間を一瞬でとかね?


 今回は1時間だけど、ぽんぽんぽんっと、操作すればもう完了。


 蓋を開ければ、甘酸っぱいリンゴと砂糖にバターのいい匂い!



「このままでも十分美味しそうだ」


「さらに美味しくさせていきますよ!」



 ここで出るリンゴの水分は、出来るだけスプーンなどで取り除いておく。


 このシロップのようなのも材料だから、別のボウルに避けて起き。


 次に、ボウルに砂糖、溶かしバター、卵を入れてよく混ぜ合わせ。


 この後に、薄力粉、アーモンドプードル、ベーキングパウダー(もしくは食用の重曹)、先程分けておいたシロップを入れて混ぜ混ぜ。



「この生地を、釜に入れたままのリンゴの上に流し込んだら。また炊飯モード!」



 ここでも、また時間短縮(クイック)


 そうして出来上がったケーキの釜を、ミトンで慎重に持ち上げて、エイマーさんには大皿をスタンバイしてもらい。



「えい!」


「……おお、赤が映えて美しい!」



 皮の色が水分に移ったお陰で、綺麗な紅玉色の表面が!


 ひっくり返して、天井部分が現れると、それがよくわかった。



冷却(コールド)で粗熱を取ったら、冷蔵庫に入れておきましょう」


「ええ〜〜、こんなにいい匂いなのに味見なし?」


「ダメです。冷やした方が美味しいですし、パーティーのデザートですから」


「は〜〜い」



 これに、本当ならバニラアイスを加えたいところだけど。


 流石に、アイスは前世でもほとんど作った試しがないので生クリームのホイップで妥協するしかない。


 なので、冷蔵庫にタルトタタンを仕舞ってから、手作業で作り、ラップを被せてからそれも仕舞いました。



「ロティ、揚げ物もやるからフライヤーになってもらえる?」


『でっふ! ご主人様ぁ、その前に余剰(よじょー)魔力くだちゃい』


「え、なんで?」


『魔力が油になるんでふ!』


「そ、そっか……」



 思いっきり、揚げ物油用意する気でいたけど。魔力にそんな使い方があっただなんて思いもよらなかった。


 逆に、コロンにするともう元には戻せないようなので、ストックも兼ねて多めに渡すことに。


 フィルドさんの前で初めて披露するハイタッチだったけど、笑われはしなかった。



『温度ぉ〜〜、一気に180℃ぉおおお!』



 これまた、銀ピカの業務用フライヤーのお出ましだ。


 パン屋では、単体じゃなくてコンロの横にある設置タイプだったけど。専門学校では、班によって業務用を使ってた。


 形はそれとも違うけど、そこそこ大きい。


 油は綺麗なものが変換(チェンジ)と同時に既に入ってて、少し中が波打っている。温度が行き渡ってる証拠だ。



「これ、どれくらい揚げれる?」


『たっくさん、たくさんでふ! 底は見た目と違うのでいくらでも入れてくだちゃい』


「じゃあ……」


 一気に入れてても、用意しておいた皮付きフライドポテトのボウル1/3くらいを入れてみても均等に広がっていった。


 そのまま揚げて、出来たら銀製器具(シルバーアイテム)から出しておいた網付きバットの上にどんどん乗せていく。


 仕上げの塩振りは、力仕事なのでシェトラスさんにお願いして。


 ここはせっかくなので、揚げたてを全員で試食。



「「あっふ……美味しい!」」


「はふはふ……うん、芋を揚げて塩振っただけなのに美味しいよ!」


『なんでやんすか、これ! 芋なのに無茶苦茶美味い!』


『はっふ、はふはふぅう!』


「あっちゅ……美味しい!」



 揚げたてはやっぱり格別。


 けど、いずれは冷めちゃうから。あとで味の変化があるので、ケチャップを横に置いておこう。



【PTを付与します。



『ホクホク皮付きフライドポテト』



 ・製造数1キロ=4500PT

 ・食事1個=20PT



 次のレベルUPまであと7780PT




 】




(これは……ジャンクフードだから、多いのかなぁ?)



 ピザの時と言い、法則性はまだ見つけられていないけど。あれ以外でもかなりの高いPTだ。


 唐揚げの時は、製造100個でも2000いくかどうかだったのに?


 とりあえず、パーティーではやみくもに食べ過ぎないようにしようと決意した。


 それから、また綺麗になったロティのフライヤーでコロッケや唐揚げも揚げていき。


 時間も迫ってきてるので、全員で仕上げや会場のセッティングに取り掛かる。



『出来ちゃでふぅう!』


「ロティもお疲れ様。スタミナ平気?」


『油の時の魔力をちょっと食べたにょで、大丈夫でふぅ』


「そっか」



 油の処理は、ロティが古いのから魔力に変換する事で取り入れてるから心配いらないようで。


 また新しい油が必要な時は、ロティも自分の余剰魔力を使うか、私が魔力譲渡をすれば問題ないらしい。


 普通の油でも出来なくはないが、逆に温度調整が難しいんだって。


 だから、魔力譲渡はちょっと恥ずかしいけど、やるしかないと諦めるしかなかった。



「さあ、皆さんをお招きしようか?」



 食堂の外で待っているであろう、皆さんをお招きするのに。


 代表して、私とロティが向かうことになった。

では、また明日!

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