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魔物使いの少女  作者: つい
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脳内作戦会議

 

「そういえばネルちゃん、北城でやりたいことって何だったの?」


 北城に到着し、城まで歩きながらネルちゃんに聞いてみる。


「……まだ内緒です!」


 内緒?……気になるな。


 とは言っても内緒と言われたからには深く聞けない。それからは何となく世間話をして城に着いたらそれぞれ自由行動ってことにした。


 私は一人自室に入り、鍵をかける。



 さて……




 一人脳内作戦会議始めるぞおおぉぉぉ!




 今回はアルク以外の人間と接する時間が多い。私の誤解を解くにはこの機会を逃すわけにはいかない!



 このまま誤解を解いても解かなくても今後も私のゲームプレイスタイルは一切変わらない。つまりどっちでもいいんだけど。このことで私がアルクのおもちゃになっているのが納得いかねぇ。


 それにこのままアルクの気まぐれで私が悪い魔物にされたらまたメサリアさんに北城を攻撃される可能性もある。この前ネットでこのゲームのこと調べてたらなんと、北城が魔王城なのではないかという意見まで見つけてしまった。なんでや……


 確かに魔王様と仲良しこよしだし城下町には魔物しかいないし……ってあれ?もしかして魔王城説否定できなくない?


 ……とにかく誤解を解く!それで全部解決する!よし!



 さて、まず人間宣言をするタイミングはいつにしようか。



 イベント開始直後に言うのは不可能だ。


 いきなり仲良くもないニンゲン三人に対して声を発するなんて死だ。死と変わらない。


 終盤はどうだろうか?……これも無理かな。


 私というお荷物がいるとはいえ他のメンバーは鬼つよだ。間違いなく優勝をかけた戦いまで生き残るだろう。


 そんな張り詰めた空気の中人間宣言とか無理です死んでしまいます。


 そうなると残されたタイミングはイベント中盤しかない。



 よし!タイミングはこれで決定!あとはどうやって伝えるかだ。


 理想は誰かと二人っきりになって、その人に伝えて、その人から他の二人に伝えてもらう方法だ。



 メサリアさんは無しだ。というかメサリアさんと二人っきりになったら私死ぬのでは?割と真面目に。



 ダンさんはどうだろ。二人っきりになる可能性が高いとしたら多分ダンさんだろうと私は思う。二人とも近距離武器だし、私がミジンコステータスであることを考えるとダンさんに壁になってもらうという作戦になりそうな希ガス。


 タケシさんに言うのもありだ。サッカー大会の時の発言から察するに、恐らく三人の中では最も軽く受け入れてくれるだろう。ああやっぱりって感じで。



 まとめると、イベント中盤でダンさんもしくはタケシさん、二人っきりになった方に人間宣言をする。



 コレが私の今回のイベント目標だ。え?勝利?……シラネ。



 よしよしよし!かなり難易度の高いミッションだけど頑張ればできる!これさえクリアすればとりあえず今後の平和な引きこもりライフが保証されるはずなのだ。


 これにて会議終了!閉廷!お開き!


 心地よい疲労感とともに一息つく。



 アルクから軽く説明は受けたとはいえ、もう一回自分でもイベント説明読んどいた方がいいよね。




 人数や武器選択をすること、これは説明を受けた通りのことが書いてあった。新たに知った情報をまとめると



 イベント専用フィールドに最大100チーム転送され、そこでドンパチやりあう


 魔法やスキルを発動することはできる。ただしそのスキルや魔法で敵にダメージを与えることはできない。指定された四種の武器でのみ敵にダメージを与えることができる。


 フィールドには強化装備や戦闘補助アイテムが落ちていて、それを拾うことで自身の武器をしたり、戦いを有利に進めたりすることができる。



 まあ簡単にいうとバトロワってやつだろう。私はやったことないけど。それからナイフの補足情報で、ナイフはどうやら刃部分を敵に当てれば一撃で倒せるらしい。まあその距離まで近づく方法が問題なんだけど。



 それにしてもスキルと魔法が使えるのか。ダメージがないとはいえこれは結構カオスな試合になりそうだ。



 ……正直勝利のために私が貢献できることは何一つないだろう。



 私は魔物の力を借りて城主という立場にいるが、他のメンバーは本人が強いのだ。アルクとダンさんは言わずもがな。あまり活躍しているところを見ないが私が知らないだけで、メサリアさんは城主になれるレベルの強力なレア職だ。タケシさんは基本職でありながらゲーム内最大規模の東城の城主に君臨している。


 私はスキルリストを開く。


 こんな強い人たちと肩を並べて戦うのだ。確かに何もしなくても勝てるのかもしれない。でも、最低限戦闘らしい戦闘ができる程度には私自身も準備をしておくべきだろう。



 私はスキルポイントが有り余っている。気持ちは変わらず、ナイフで戦うつもりなので使えそうな、気になったスキルを片っ端から詳細表示してみる。



 アルクも言っていたが、ナイフで真正面から戦うのは無理だ。だからもし私に活躍の場面が来るとしたら戦闘中のほんの一瞬。敵の隙をつくとかそういう時だろう。



 そこで私は一つのスキルを見つけた。



 正直わざわざポイント使ってまでとる物なのかな?……でも自分の身体能力が信じられないからとったほうがいいか。




 早速熟練度を上げに行こう。私は部屋の鍵を開けて外の世界へと踏み出した。




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