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魔物使いの少女  作者: つい
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魔改造

 

 謎のペンギン集団が去ったあと、私は師匠、ネルちゃんとともに魔王城へ帰ってきた。ギン、ゲンは色々とやることがあるみたいなのでお殿様とともに城に残った。


 とりあえず魔王様に出来事を話す。


「ふむ、ペンギンのような生物か……正直検討もつかん」

「そうですね、それにそのような兵器を作る技術など聞いたことがありません」


 そう言って頭を悩ませる魔王様とサシさん。


 魔王様はともかく、サシさんまで正体がわからないというのはかなり不気味。


「ハナ聞こえているからな」

「ナニモイッテナイデース」


 適当に魔王様と漫才をしていると有能なサシさんは01さんに話を聞いてくるといって玉座部屋を出て行った。




「しかし今回の件、少し大変なことになるかもしれないな」




 やけに真剣な声色でそう言う魔王様。つまりどういうことだってばよ?


「ハナの言うペンギン集団は儂の配下ではない可能性があるということだ。つまりこの魔王城が襲われる可能性もある」


 なるほど……正直魔王城には頼れるイカれたメンバーが勢ぞろいしてるから大丈夫な気がするけど……。


「敵があまりにも未知すぎてな、正直何が起こるのかわからん。もし01が敵技術の解明ができない場合状況は最悪なものとなるだろう」


 イカれたメンバー筆頭の01さんよりイカれた技術者が敵側にいるとなると怖い。……え、なにそれ本当に怖い。


「とにかくハナよご苦労だった。報酬に宝物庫の宝を一つやろう」

「うーん、うれしいけど今回はパスで! 万が一の時私が持ってるより魔王城で持ってた方がいいと思うし」

「そうか、では代わりに……何か欲しいものはあるか?」

「今回はいいよ、いつも色々お世話になっているからその恩返しってことで」

「……ハナがそう言うのならそれでいいだろう」


 こうしてこの場はいったん解散。私はどこでもなドアで北城に仲間と一緒に帰った。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー


 師匠とネルちゃんは疲れただろうから休憩するように言って、私はゴブリンさんと姫ちゃんの様子を見ることにした。



 まずは姫ちゃんが見つかる。せっせと城内を掃除していた。



「姫ちゃんただいま!」

「ハナ様、お帰りなさいませ」


 はぁ癒し。ほんと癒し。一生愛でていたい。


 姫ちゃんがピカピカに磨いた窓から、そんな穏やかな気持ちで中庭を見下ろす。




 そこに鎮座するは謎の物体。……ナニアレ?




 すぐさま中庭に駆け下りて、穏やかにゴブリンさんに詰め寄る。


 とりあえずぱっと見でへったんを改造したものであることは分かる。だがその改造が問題だ。



 簡単に言うと主砲が増えている。前後左右にニョキニョキと。どうしてこうなった。



「ゴブリンさん? 兵器イイ感じだからこのままの路線でって言ったよね?」

「ああ。俺もそのつもりだったんだがどうもこの本を読んでいたら居ても立っても居られなくなってな……」


 そう言ってゴブリンさんが差し出す本をひったくる勢いでとる。





“ゴブリンでもわかる!兵器を英国風に改造する方法!~不器用でも安心な簡単万能改造レシピ!~”





 またこのシリーズかよ!!このシリーズ何?いくつあるの?




「やっぱりいろんなところに弾が撃てた方がいいからな。とりあえずこの本を参考にして主砲を増やしてみたんだがどうだ?」




 どうだ?じゃないが。増やせばいいってもんじゃないんだよ。見た目ひどいよ?ベイブ〇ードでもすんの?



「却下。元に戻して。それからこの本は没収」

「なんでだよ!」



 ああダメだ頭痛くなってきた。



 後ろで喚くゴブリンさんを無視して私は部屋に戻ってログアウトすることにした。



 果たしてこの面白珍兵器(パーティーグッズ)であのペンギン集団と戦えるのだろうか……01さんもちょっとゴブリンさんと同族の匂いしたしなぁ。




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