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魔物使いの少女  作者: つい
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対面

 

 現在お殿様を尾行中。決して暗殺とかそういう目的ではなく、その逆。安全のために理由があって尾行しているのだ。


 しかし、このお殿様寄り道が多すぎませんか?


 石ころ蹴りながら歩いたり、花の蜜を吸ったり、バッタを見つけて忍び足で近寄ったり。小学生か!!というか今どき小学生でもそんなことしないかもしれない。


 なーんてツッコミしてるけど私もよく一人で同じようなことしてたなぁ。花壇のサルビアを吸い尽くしたのは私です。


 私が一人でサルビア枯渇事件の自供をしていると、殿様は満足そうにバッタを野生に返し、また歩き始める。


 それからバッタ二匹、カマキリ一匹をキャッチ&リリースという過程を経て、ようやく目的地に到着。長かった。


「どうやらあそこが指定された場所みてぇだな」


 ギンがそう言ってぐんぐん殿様に近づいていく。


「ちょ、ちょっと!? 流石にその距離はバレるんじゃ……?」

「大丈夫です。殿ですから」


 さわやかな笑顔でいうゲン。


 いくら何でも……と思ったが、道中を見てきた私は言い返すことができなかった。


 ーーーーーーーーーーーーー


 大きな切り株の前だった。高さは二メートルくらいはある。ギンさん曰く、待ち合わせの定番スポットらしい。つまりハチ公像。


 その切り株の前にずらっと並ぶペンギンたち。


 どうやらこのペンギンたちが侵略者の正体らしい。


 森の中にペンギンというのもかなり違和感があるのだが、私はそんなことよりもそのペンギンたちが持っているものに大きく違和感を感じていた。




 それは、どこからどう見ても銃だった。




 ある説によれば、私たちの世界で魔法が発展しなかったのは銃がつくられたからともいわれている。つまり剣と魔法のこの世界にあってはならない武器。


 そして先ほど私はペンギンという可愛らしい生物の名前を出したが、よくよく見るとこいつらはそんな可愛らしいものではないことに気付く。


 全体的にはペンギンといって差し支えないが、その手に注目するとがっつり人間のような五本の指がついている。つまりあの銃をばっちり撃てるってことだ。


「ハジメマシテー! オアイデキテコウエイDeath!」


 相手は全部で七人(匹?)一人ド派手なトサカを付けたペンギンとその後ろに佇む六人のペンギン。うん?今不穏な言葉が聞こえた気がした。


「話し合いがしたいとあったのでここに参ったが、おぬしらが手紙の主か?」

「イエース! イエスイエス! ヘイワテキニイキマショウ!」

「そうだな! やはり平和が一番じゃ!」

「「ハハハハハハ!!」」


 仲良く笑いあう。それはもう仲良さそうに笑いあう。



 そして



「ハッピーハロウィィィン!!」


 いきなり銃を構えてきた



 絶対こうなると思った!!!!!!!


 私たちは急いで茂みから飛び出し、お殿様を庇う。


「なぬ!? おぬしたちなぜここに!!」

「話はあとです! 殿! こちらに!!」


 そう言ってゲンが殿様の手を引いてこの場を離れていく。


「フーン……シッパイシマシタ……アトチョットダッタノニ……」


 オーマイガー!といった感じで大げさに落ちこむペンギン。


「デモモウイイデース! 皆殺しにしてやる!!!」



 !?急にキャラ変わったが!?



 豹変ぶりに驚くが、敵が銃を再び構えなおしたのですぐさま意識を集中する。



 イナバウアーで避けてやろうと私が意気込み、まさにその引き金が引かれようとした瞬間。



 敵が銃を下げ、トランシーバーのようなものを手に取った。



「イエス」やら「ノー」やら言ったのちに通信が切れたようでトランシーバーをもとの位置に戻す。


「キョウハコノクライデカンベンシテヤリマース! マタキマースノデヨロシクシルブプレ!」


 そう言って背を向けて走りだす。いや、あのこっちは全く納得してないんですけど。普通に逃がしませんけど。


「ネルちゃん、やって」

「はい!!」


 私の合図でネルちゃんの火球が敵にヒット。森の中だからちょっと火を使うのは怖いけどネルちゃんのコントロールなら大丈夫。


 地面に倒れた七人をばっちり拘束してお城へお持ち帰り。





 この人たちもしかしておバk……やめよう。うん。

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[一言] おバkな殿様 VS おバkペンギン軍団 の戦いww
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