スポーツの秋
私はゲームにログインして、自室のベットで目を覚ます。
ふー、昨日のパーティーは超楽しかったなー。何気に私、こんなに楽しくパーティーに参加できたの初めてかもしれない。過去の卒業記念祝賀会とか地獄だったもんね。巨大スクリーンに一人一人の顔写真を写すとか何考えてるんだろうか。
私、自分はコミュ障陰キャだって信じて疑わなかったけど、もしかして陽キャの素質あり?……んなわけないか。
ふと、視界の端に運営からのメッセージが届いていることに気付く。なにかな?
次期イベント、サッカー大会のお知らせ
え……運動ですか……。
イベント内容をまとめると
もうすぐスポーツの秋だからサッカーしようぜ!せっかくゲームの中なんだから、スキルとかアイテムとかなんでも使い放題の超次元サッカーな!
うん、このサッカーは絶対カオスになるぞ。
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「ふむ、サッカー大会か、それは楽しみだな」
「いや、私たちって出れるのかな?」
チームは基本ギルド単位、ギルド未所属もしくはギルメンが11人未満で参加したい場合は同じような人と当日即席チームが組まれる。
このギルドは私一人しかいないし、仮に師匠たちが参加できたとしても11人に満たない。
適当に文面をスクロールしていると、最後の最後にこんな文を見つける。
使役魔物を参加させることは可能です。また、城ギルドは別リーグとなります。
当然ながら私は運動が苦手なんだけど、まあ師匠たちがいるなら何とかなるかな?っていうか城ギル度は別リーグって……まあ強力なスキル持ってる人が多いからしかたがないのかな?
「ところで、師匠はサッカーのルール知ってるの?」
「もちろん知ってるぞ、銀〇へキックオフが好きだったからな」
「イナ〇レじゃないんだ……」
その後皆に集まってもらって、ルールを確認したが問題なくみんなが知っていた。むしろみんなの方が詳しい始末。オフサイドがいまだにわかりません。
いったん解散して、私は一人自室で考える。私の予想が正しければ、ここで普通のサッカーの練習をしても多分意味がない。なぜならスキルやアイテムありということで、普通のサッカーが行われることがないからだ。
「久しぶりに見てみようかな……」
そう思い、パッと開いたのはスキル取得のページ。
前に強化魔法を取って以来開いていなかった。あの時からかなりレベルが上がったため、スキルポイントはめちゃくちゃ余ってる。
うーん、こうやって見るとスキルってたくさん種類があるんだな。
……だめだ、何が使えるスキルかわからんから今回はパスで。
私はもう一度イベントの告知を見直す。
これ人数足りない城ギルドはどうしたらいいんだろうか。一般とは別リーグってことは即席チームも作れないだろうし、何より見ず知らずの他人とチームとか組めない。
……まあたぶん何とかなるでしょ。
運営だって私のギルドの人数事情は知ってるだろうし。
それにジオさんとネルちゃんがいれば何とかなる。
だってネルちゃんがゴール前で寝そべるorジオさんが右手巨大化でゴットハンドしてればゴールの鉄壁は約束される。
タケシさんの所には負けないだろうな、メサリアさんはどうかな……?ダンさんの所にはぜってぇ勝てない。
だってダンさんが守るゴールとか絶対破れる自信がない。そしてアルクの遠距離高威力射撃。無理ゲーよ無理ゲー。
えっと、私と師匠とネルちゃんと……とりあえず6人はいる。あと必要なのは5人。何とかあつめようかな。
よし、今から採用しに行こう!
「ハナさんお出かけですか? お供します!」
「足りない人数の調達だな、お供しよう」
一人で出かけようと思ったけど、案の定師匠たちにつかまる。……まあいいか。
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「師匠! ネルちゃん! 確保ー!」
「は? おいちょっと待て!」
よしまずは一匹。狼さんゲット!次行ってみよう!
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「ほうサッカーか、聞いたことがないが楽しそうだな! 是非わしも参加……」
「魔王様、イベントには多くの人間が参加します。流石にやめてください」
「俺が代わりにいこう」
「あ、デラさん久しぶり!」
うん、デラさんは魔王城の幹部クラスの人だけど、今回は戦闘イベントじゃないし、狩られることはないだろう。
二人目確保
「そうだ01、お前もどうだ? たまには体を動かしてみるのも悪くないと思うが?」
「いや、01さんは結構です」
もうただでさえカオスが予想されるのに、そこにさらに01さんとかもう収集つかなくなっちゃうよ。
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さて、もう行く当てがない。巨人族の里に行っても族長は動けないし、他に知り合いもいない。
私
師匠
ネルちゃん
ゴブリンさん
姫ちゃん
ジオさん
狼さん
デラさん
8人か……まあ人数だけ見ると厳しいけど個人で見るとメンバー超濃い。いや濃すぎる。
……あれ、結構優勝見える?