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魔物使いの少女  作者: つい
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最終兵器師匠

 私がゲームにログインした時、ゲーム内時間は丁度お昼だった。私は師匠を迎えに行くために街の外へ歩き出す。


 ネットで調べたが『魔物使い』って職業がなかった。似た様なものに『召喚士』ってのがあったけど。


 まだ情報提供されてない? もしかしてこれは私が提供しなきゃダメなの? まあいいか。


 気になったので『召喚士』を調べてみた。


 まあ簡単に言うと、魔法使いだ。MPを使って、魔物を召喚して戦うらしい。『魔物使い』と違う点は大きく分けて2つ


 ・呼べる魔物は決まっており、レベルによって強いのが呼べるようになる。

 ・MPが続く限り無限に呼べる。


 細かいのは色々あるけどこんな感じ。つまり安定型だね。『魔物使い』と違って、レベルが上がれば強くなるのは確実だ。それに魔法使い型だからMPも多くなるし。ポーションがぶ飲みで、人員底なしの不死身軍団もつくれる。


 あれ? もしかして、『魔物使い』って弱いんじゃないの? と、思ったそこのあなた! ご安心下さい! 『魔物使い』、ちゃんと良いところがあります!


 まずは、『召喚士』の呼ぶ魔物より、魔物使いの魔物の方が強い。


『召喚士』に呼ばれる魔物は、めちゃくちゃ言い方が悪いが要は使い捨ての道具。ステータスは固定されている。しかし、『魔物使い』の使役する魔物は違う。魔物のレベルを上げられるのだ。最終的には不死身の軍団だろうと、真正面から潰せる実力差がつくこともあるだろう。


 そして集団戦、つまり魔物を率いた戦闘がやりやすい。


 さっきも言ったが使い魔ってのは使い捨ての道具。だから召喚のたびに命令をしなきゃいけない。命令が通じないってことはないそうだが、あまりにも数が多くなってくると統率が難しいだろう。


 全員突撃~! とか、単純な命令ならともかく、あっちは陽動こっちは支援、そっちは進軍とかね。もうそんな複雑なことになったら、あっちそっちどっちうまだっちって感じだよね(?)。……なんか自分で言っててもう頭が混乱してきたな? つまり私には『召喚士』の素質はないということだろう。


 まあ結論としては、どっちもどっち、お好みで。そういったありふれた結論に落ち着くだろう。


 私はこっちの方が好みだ。師匠とかと話すの楽しいし。


「む、来たか」

「お待たせー」


 やられてしまった魔物たちは、それぞれのリスポーン地点で復活する。師匠はこの草原のようだ。


 私は師匠に再会したら、どうしても聞きたいことがあった。


「ねえ師匠、狼と戦った時に言ってた策って何?」


 いくら調べても『スモールラビット』(師匠の種族)の最終奥義なんて出てこなかった。


「フッ、いいだろう。私の耳と耳の間を見てみろ」


 師匠の真っ白な毛並みを注意深く見てみる。


 ん? たんこぶ? いやこのぽっこり具合……これは……。


「尺骨茎状突起!!」

「しゃっこ……ん?」

「あ、いや、なんでもない」

「ん? そうか。これは角だ」

「え?」

「ん?」


 角っていうのはもっとこう、大きくて痛そうな形状をしてるんじゃ……? こんなの当たっても皮膚がへこむ程度の、怪我とも言えない……マッサージにもならないよ。


「これが、最終兵器?」

「そうだ」

「実は伸びる?」

「ほう、それができたらさらに強くなりそうだな」

「いつ使うの?」

「いざという時だ」


 きっぱり言い切ってくれる師匠。


  師匠はダメだ、私も戦えない。コレ本格的に詰んだのでは?

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