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魔物使いの少女  作者: つい
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忍者屋敷

 それから私たちはまた二手に分かれた。


 メンバーはさっきと同じ私&師匠とアルク。タケシさんは最後までアルクを私に任せることに不安を感じていたようだ。


 このチーム最大の戦力であるアルクを最低の戦力である私が責任もってお守りしなくてはならない。普通に不安なんですけど。


 いっそのこと全員一緒に行動すればいいのでは? とか思ったが、当然私が面と向かって意見などできるはずもなく二手に分かれた。


 ちなみに私たちはからくり屋敷、タケシさんたちは巨大迷路に行くことになっている。


 道中師匠たちが周り警戒しながら進み。特に何事もなく目的地へと到着した。


 紺色の忍装束をきた忍者の看板と瓦の屋根。建物の外観は元々なのかそれとも時間による劣化なのか、かなりボロボロでそれが逆にいい雰囲気を出している。……私こういう場所来たことないから少し楽しみではある。


 というわけでレッツラ突撃。


 土間で靴を脱ぎたくなるけど気にせず畳の上に上がる。


「えーと……行き止まり?」


 教科書で見たような和室。一部屋だけで他に扉は見当たらない。


 アルクが床の間の掛け軸に近づき持ち上げると、そこに隣の部屋に繋がる穴が現れた。


 漫画とかでよく見るやるだコレ! 楽しい。


 その他にも回転扉に、天井裏に繋がる縄梯子。楽しい。楽しい。


「ハナ……どこ」

「アルク! こっち!」


 畳を持ちあげて、床下から顔をだす。楽しい。楽しい。楽しい!


 床下を匍匐前進で進み、はしごを上って畳を持ち上げると……ここ最初の部屋だ。一周したってことはどうやらこれで終わりらしい。


 全く……普通に楽しんじまったじぇ……。あ、なんか敵いる。


 私はナイフという名の手裏剣シュシュシュで敵を倒す。うん、今のはかなり忍者ポイント高いぞ。……いや、忍者ポイントってなんじゃもんじゃ……。


 遅れてアルクと師匠が畳を持ち上げて登ってくる。ちなみに師匠はアルクの肩が定位置になっている。


「ねえアルク! 次どこ行く!?」

「……タケシから指示があるまでは室内待機」


 ハッ! 忘れてた。


 今まで遊園地とかほとんど行ったことなかったけど……なるほど楽しいぞここ。


「じゃあ二周目行こう二周目!」

「……いいけど」


 そんなこんなで結局四周して、五周目に行こうとしたところでタケシさんたちから集合の合図が出た。残念。


「アルク! また来ようね!」

「……疲れた」


 また警戒しながら移動して、無事合流。


「あと九部隊。そろそろ終わりが近そうだな」


 視界の端には常に残り部隊数が表示されている。残り部隊数が五以下になると定期的に全チームの位置情報がリーダの持つマップに表示されるようになる。そして残り五部隊になると戦闘エリアの制限が始まる。


 そうこうしているうちに、残り部隊数が八に減る。


「この遊園地に恐らくもう敵はいないだろう。とりあえず今のうちに各自集めた物資を整理して、初めの廃都市に戻ろう。ハナ、燃料を見つけておいた。また戦車で頼む」


 やったぜ。


 私たちはこの広い遊園地を勝ち抜いた。つまりはこの地に落ちていた物資を独占したということだ。加えて、敵たちが元々持っていた物資も回収。最高級の物資が余るほど集まった。


 敵はいないと判断したが一応警戒しながら戦車の所まで戻り、これまた警戒しながら乗り込む。


「最初の廃都市に戻るぞ。既に敵にビルの屋上を取られている可能性もある。狙撃には注意してくれ」


 狙撃って言ってもこっちは戦車だし……あ、61式……いや流石に大丈夫……たぶんきっとおそらくメイビー。


 そもそも当たらなければいいだけの話さ。


 アルクから凄まじい圧を受けたため、さっきよりは優しめの運転で廃都市を目指す。怖い。撃たれそう。


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