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魔物使いの少女  作者: つい
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頼り

『ハナ、無事? こっちは終わった』


 物資の回収もそこそこ終わり、一息ついていたところでアルクから連絡が入る。


『大丈夫、物資の回収もやっておいたし。ちょっと色々あってダメージ受けたけど』


 私も師匠も先の戦いで銃弾やグレネードによるダメージを受け瀕死だった。


『しっかり回復しておいた方がいい。絶対に』


 今回は運が良かっただけで、私たちは基本何でも即死だからHP満タンでもミリでも変わらないと思うけど……アルクが言うなら従おう。


 了解とアルクに伝えて、師匠にも回復アイテムを渡しつつ、さらに紡がれるアルクの言葉に耳を傾ける。


『タケシから伝言、一度集合するから観覧車のところに来て欲しい。場所は大きいから見ればすぐわかる。……入れ違いになるといけないから私たちはここで待ってる。ハナ頑張って』


 はい、りょーかい。


 通話を切ったら早速師匠にも伝えて移動を開始する。


 にしても私ホントにゲーム上手くなったよね? 危なげなくとは言わないが、ちゃんとプレイヤー倒せたし。最初期はイモムシくらいしか倒せなかったのに……成長を感じるね。


 ……っと油断はしない。過去に何度も調子乗って痛い目見てきたからね。とは言っても索敵は師匠にかなわないので移動中私の出る幕はないのだけど。


 それから十分くらい歩いた。


 途中二つの敵グループを見つけた(師匠が)ので、そのこともアルクに報告しつつ、ばれないように遠回りをしつつ到着を目指した。ちなみに場所を報告した数秒後に敵グループ半分の頭が吹き飛んだ。そんなこともあったが私は元気です。アルクさんマジかっけー。


 そしてようやくタケシさん一団を見つける。ダンがいると非常に分かりやすくて良いね。


「よし、ハナも合流したところで作戦会議だ」


 タケシさんの話をまとめると、どうやらこの遊園地跡には現在少なくとも私たち以外に六グループもいるらしい。とは言ってもアルクがちょいちょい倒したり、最初から人数少なかったりと全部隊がフルメンバーというわけではない。


 ここで徹底抗戦始めると漁夫の利でやられる可能性が高いので、ここはいったん身を潜めて他のグループがやりあってくれるのを待つということだ。


「……仕方ない……か」

「……了解」


 バトルジャンキーどもが渋々といった感じで了承し、なんとか今後の行動方針がまとまった。


「で、どこに隠れるかなんだが……これがまた難しいんだよな」


 私はタケシさんが頭を悩ませる理由をなんとなく察した。


「できれば室内に隠れたいんだが、お化け屋敷、巨大迷路、からくり屋敷……まともな建物がないんだよなぁ」


 遊園地なのだから普通の民家みたいなものはないだろう。となると必然的に一癖も二癖もあるようなアトラクション施設に隠れるしかないのだ。……ぶっちゃけ楽しそうではあるけど。


「場所が場所なだけに、敵とバッタリなんてこともあるだろうし、ダンはいいけど俺たちは……アルクも交戦距離を考えると恐らく活躍ができないだろうし」


 ああ、確かアルクは距離が近いとダメージを与えられないみたいな職業のデメリットがあった気がする。


 確かにからくり屋敷で回転扉クルっと回って敵さんこんにちは。なんてこともあるかもしれない。そうなったらアルクは一方的にやられてしまう。


「近距離はダンがいるが、一人だと負担が……近距離」


 全員の視線が私に集まる。え、なに怖い……。


「ハナは既にナイフで二人倒してる」


 アルクがボソッと言う。まあ一人は師匠の戦果だけどね。


「……意外に強いのか?」


 タケシさん? 本人を前にしてなんてことを言うんだい? ……私ちゃんとニンゲン語理解してるからね?


「……ハナ、頼むぞ」

「……まさかアナタを頼ることになるなんて……」

「…………」

「ハナ……ファイト」


 ……え、これマジ?

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