過去編、遠足2
面白い文章試行錯誤しているうちに
くどくなっていく・・調整中・・
俺達は先生に、この後のスケジュールや注意を受けると
昼飯タイムに入っていった。
生徒達は、仲の良い奴等と固まり、公園の広場に大小さまざまの
集落を作っていく…。
もちろん、俺にも男達がむさ苦しいパーティに、誘うべく声を掛けてきた。
「寝る雄一緒に、食わないか?」
「ん?あぁ……」
「そうしたいのは、山々なんだけどな〜」
「ほら、俺、これとよ」
小指を立てて誇らしげに見せ付ける俺。
奴等はその仕草をみて、敏感にその意味を察してくれた。
「あぁ……そうだったなお前には…」
「悪いな、また誘ってくれよ」
「おう、じゃあな」
……済まないな、今日だけは駄目なんだよ…。
これからも、駄目な時は雪ダルマ式に、増えるかも知れないが
それは臨機応変に、やって行くぜ…。
男友達も必要だからな、色々とな。
俺は奴等に手を翳し、一時の別れを告げると
千鶴ちゃんの姿を探す。
…あれ‥何処行ったかな?
「寝る雄君!」
「あ、あれ」
「いつの間に後ろに〜?」
「あぁ…寝る雄君男子と話してたから‥」
俺の背後から、突然声を掛けてきた千鶴ちゃん。
どうも、俺が男達と喋っている時から、待っていてくれたようだ。
…千鶴ちゃん…良い子だな〜…。
空気は読めるし、俺の嫁にしたい。
ちょっと俺の意識は先走りすぎて、未来で彷徨っていた。
「ごめんな〜、待たせちまって」
「何処で飯食おっか?」
「えっとね〜、あそこのベンチ空いてるよ」
千鶴ちゃんが指指したベンチ…。
地面に風呂敷広げて、飯を食う男共から、痛いほど視線が飛んできそうなその場所は、
さながら、見世物小屋の檻と言ったところか。とても俺の意図する場所とは、程遠かった。
…済まない、千鶴ちゃん。そのベンチだけは許してくれ…。
「あっち行かない…?」
「うん…そうしよっか」
俺の訴えるような眼差しを、察してくれたのか
千鶴ちゃんは、すんなり場所の変更を承諾してくれた。
俺達は、集落の郊外に足を運び、良さそうな場所を探していた。
「このベンチはどう?」
「いいね」
どうも、千鶴ちゃんは、風呂敷で地面に座るより
ベンチに座りたいようだ。
…俺としては、風呂敷で女座りする、千鶴ちゃんの横で
空を仰ぎながら飯を食うのも、それはそれで趣があると思うけどな。
俺達はバッグから弁当を取り出す。
母ちゃんが朝早くから作ってくれた弁当。
…果たしてその中身は?
弁当というのは、ある種のビックリ箱だ…
たまに、母ちゃんの気分次第で、とんでもない爆弾が入っている場合がある。
過去のワースト3の一つを思い浮かべてみる。
…白いご飯に……、メザシ3匹が溺れるように、頭から突っ込んでいた弁当……。
もちろん、おかずはそれだけだ。
あれは、酷かった、あんな物を周辺に晒す俺の醜態を、母上は分かっちゃいない…。
俺は思い切って弁当の箱を、渾身の力を篭めて剥ぎ取る。
目に入ってきた物を恐る恐る分析していく。
…おぉ、白いご飯に、鮭、玉子焼き2切れ、アスパラ、ミートボール、蛸さんウィンナー
そのラインナップは、まさしく王道弁当と呼ぶに相応しいものだった…。
「寝る雄君の弁当すごいね!」
「私は時間なくって、パン屋さんでサンドイッチ買ってきちゃった」
「いいなぁ‥」
千鶴ちゃんの目に少し影が差したのを、敏感に察知すると
優しい言葉を投げかける。
「ちょっと食べてみる?」
「え‥いいの?」
「うん」
「ありがと〜!」
俺の大好物の玉子焼きを、弁当の蓋に乗せると、千鶴ちゃんはそれを小さな指でつまみ、口に入れた。
…本等は「あ〜〜んして」とか言って、箸でその可愛い小さな口に
優しく押し込んであげたかったが、自粛した…。
「おいしい〜!寝る雄君のお母さん、お料理上手だね」
そうなのかな…玉子焼きと言えども、ピンキリなのか
まぁ、うちの母ちゃんの晩飯見る限りじゃ、うまい方だとは思うがな。




