2月12日、この世を去った君 -三回忌-
入試がひと段落ついて、ふと手帳を開き、気がついた。
そうか、今日は、君の命日か。
去年の今頃は、友人からの遊びの誘いも断って、懐かしみながら卒業アルバムをめくっていたのに、
そうか、
だなんて、薄情にも程があるような言葉しか出てこない。
思い出すのが一番の供養だ、と考えておきながら、この一年で、一体何回君のことを思い出しただろう。
一年前ですら朧げだった君の顔は、もう、少しも分からない。
次の春には、新生活が待っている。でも君が、その喜びや辛さを知ることはない。
私が君の苦しみを感じることができないのと同じように。
目を閉じると、瞼の裏に、君の亡骸が浮かんだ気がした。