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58.お土産


前回までのあらすじ。

ギルド「マニィ信者の憩いの場」の場所を、

遊角の土地の端へ移動させた。


所持金約1億4657万MA(+貯金3億6800万MA)

――――――――――――――――――――――――



異世界に来て16日目。

王様が報酬をくれるまで、あと1日。

例の施設完成まで、あと990日。


俺、シルフィーン、サーヴィアで王都へやって来た。


王都で、大岩の竜討伐の報酬授与式が開かれるからだ。


招待状で参加を許されているのは俺ともう1人だったので、サーヴィアを連れていく予定だ。


シルフィーンは、サーヴィアと離れたくないため付いてきたらしい。



「どうしてさーちゃんを出席させようとするのよ!

家で待機させるべきよ!」


「そうは言うが、今のところハーレムメンバー最強だしなぁ」



例え誰かが襲ってきたとしても、サーヴィアなら返り討ちにするだろう。

もしサーヴィアでも手に負えない場合は、俺が転移魔法で何とかするし。


少し歩き、王都の王城前に着く。



「明日の大岩の竜討伐の報酬授与式に出席される方は、こちらで手続きをお願いしまーす!」



机に座ったフルフェイスの兵士が声を上げている。

受付をしているのだろうが、なかなかシュールな光景だ。



「並ぶか」


「うー♪」



サーヴィアはシルフィーンが抱っこしている。


シルフィーンは水色のワンピースを着ていたが、サーヴィアはモコモコしている子ども用白ローブを着ていた。



「この異世界でも、割とおしゃれな洋服あるんだな。

中世くらいの文明かと思ってたが」


『文明が中世時代だったのは3000年くらい前の話バグ。

下手したら遊角の時代よりも科学が進んでる国だってあるバグよ』


「絶対、異世界人が文化侵略した影響だろ」


『そうだなバグ』



異世界を現代社会そっくりにしたって、何も面白くないだろうに。

(リニアを作ろうとしたり、高層建築を作っている自分を棚に上げながら)



「次の方ー!」


「お、順番だな。ほい、招待状」


「確認します……本物ですね。こちら当日用の入場券になります。無くさないようお願いします」



2枚の入場券を渡される。

入場券にはシリアル番号が記入されている。



『その入場券を持っていない者は、ゲートではじかれるように結界が張られているバグ。

ゲートの出入りはシリアルで管理されているから、事前登録した者以外が通ると問答無用で憲兵詰め所に連れて行かれるバグ』


「こんな手間かかることしなくても、当日に招待状を見せると通行できるようにすればいいのに」


『招待状をいちいち鑑定していると、それだけで日が暮れるバグ。

かといって入場券を前日よりも前に配ると、セキュリティ破りされる危険性が高くなるバグ』


「王都のイベントは、色々と気を使ってるんだなぁ」



怪しい奴を会場へ入れたくない。かといって検査で貴族や来賓らいひんの貴重な時間を取るわけにはいかない。


警備の兵士も大変だな。



「そこの群衆、道を開けるぞよ!」



王城前にいた人達の群れが分断される。


第9王女ドルチと、そのお付きの騎士達が現れ、開けられた道を通る。


というか人払いって普通、連れの騎士の役目だろ。

王女自ら声を上げるのは何でだ。

尻に敷かれてるのか騎士たちは。



「それにしても、今日は、なぜこんなにも群れておるのぞよ?」


「はっ! 今日は、報酬授与式の入場券を受け取りに来ている者がここには居るようです!」


「ああ、なるほど。まったく忌々しいぞよ。

報酬授与式なぞというくだらん行事のせいで、世のせっかくの休日が潰れて台無しぞよ」


「ポセイドンの神殿の探索をしていただけではないですか……」


「だけとは何ぞよ! これだから歴史的建造物の価値も分からぬ愚か者は……」



ドルチは一瞬俺と目があったが、ぷいっと向こうを向いてドルチ王女一行は城の中へ入っていった。

どうしたんだろう?



「はー、あれが本物のお姫様ってやつね」



シルフィーンはドルチの衣装を見てうっとりしていた。




◇ ◇ ◇ ◇



王都で買い物をした後、屋敷へ帰った。

所持金は約1億4560万MAほどに減っていた。


サーヴィアが欲しい食べたいと言った物を全部買ってたら、ついつい無駄遣いしてしまった。

いやぁ、王都の名菓は高い高い。


夕方5時の夕食に蛇丼を食べた後、俺はおみやげを皆に見せる。



「これが王都ケーキ、こっちが王都せんべい、この包みに入ってるのは王都饅頭、それからこっちが……」


「買い過ぎですよ。シルフィーンは止めなかったのですよ?」


「だって、さーちゃんが欲しいって……」


「子どもの頃からぜいたくに慣れさせると、ろくな大人にならないですよ」


「う……」



確かに、甘やかすことが本人のためにならないのなら、それは愛じゃない。



「次からは自重するよ」


「あまー♪」



サーヴィアのお土産は次からは5000MA以内にしよう。



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