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その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
1章 イントロ~屋敷移住まで
5/66

5.超高難度クエスト受注


前回までのあらすじ。

ローブ女のギルドマスター、アマンサに会った。

ギルド「マニィ信者の憩いの場」でギルド登録した。


――――――――――――――――――――――――



「いきなりSランク、しかも転移魔法、ありえないよー……」


「おーい?」


「ありえないよー……」


「もしもーし?」


「ありえないよー……」


「聞こえてるかー?」


「……スヤァ……」


「寝やがった?!」



アマンサはそのまま船をこき始めた。

さっきまでの反応も、半分寝ぼけていたのか。



『疲れてるんだろバグ。放っておいたら良いバグ』


「俺に治癒魔法のスキルがあればなぁ」



転移魔法だけで俺TUEEしろって無理があるだろ、やっぱり。

目の前のぐったりしてる女性一人も助けられないなんて。



『アマンサを助けたいバグ?』


『(こんなに疲弊した姿、放っておけるわけないだろ)』


『なら彼女の仕事を手伝ったらどうバグ? ほら、あの掲示板』



バグログの言葉につられて掲示板を見る。

クエストらしい張り紙が4つ。

そしてその横には、「今週のノルマ、あと3つ」という可愛い文字が。



『(ノルマって何?)』


『ギルドには達成すべきノルマがあるバグ。

一週間でBランククエスト1つ以上、Cランククエスト5つ以上、Dランククエスト20個以上こなさないと、ギルドとして認められないのバグ』


『(それってキツイのか?)』


『一般人15人分くらいって、さっき言ったバグよ。

一般人といっても一般冒険者Dランク、それも死傷者が半分くらい出るくらいのハードさバグ』


『(それを……まさか、1人で……)』




大陸の規約とやらを守らなければ、おそらくギルドは解体させられるのだろう。

4賢者とか言われているアマンサとはいえ、15人分の仕事を1人でこなして疲れないわけがない。

現にこれだけやつれている。


逃げ出したいと思わなかったのだろうか?


ギルドをたたみ、他の繁盛してるギルドに

入り直すわけにはいかなかったのだろうか?


何が彼女をここまでさせているのだろうか……?




『アマンサについて考えるのはそのくらいにするバグ。

それより彼女を助けたいと思ってるなら、掲示板のクエストを受けてやるといいバグ』


『(どれどれ? 「ブランディルフラワー3株採取(Bランク)」、

「大岩の竜討伐(SSSランク)」「迷子の魔獣探し(Cランク)」

「獄炎トカゲ20体討伐(Cランク)」)』


『ランクはE、D、C、B、A、S、SS、SSSの順で、後の方ほど難しいと言われているバグ。

ちなみにBランクはCランクの5倍相当、SランクはAランクの5倍相当みたいに計算されているバグ』


『(クエストの受注方法は?)』


『依頼を受けるという意思をギルドカードに流せば、自動的に依頼詳細が分かるバグ。

依頼を受けるかどうかギルドカードに表示されるから、受けたい、と言えばいいバグ』


『(どの依頼ならできそうだ? 討伐系は無理だと思うが)』


『全部出来るバグ』


『(は?)』


『だから、全部出来るバグ』


『(全部出来るって、「大岩の竜討伐(SSSランク)」とか無理じゃね?)』



俺はギルドカードに、「大岩の竜討伐(SSSランク)」の情報を示すように命じる。



――――――――――――――――――――――――

【大岩の竜討伐(SSSランク)】

【依頼主】風の大陸国王

【依頼文】30mを超える竜が、風の大陸のあちこちで暴れまわっている。

既に町が2つ滅んだ。5つの町が壊滅的被害を被った。

国家の存亡の危機だ。

近いうちに近衛騎士団と全国ギルドの連合軍で対処する。

勇敢な冒険者よ、是非力を貸してほしい。

今は一人でも協力者が欲しいのだ。

連合軍の予定はギルドマスターに聞くと詳細が分かるであろう。

現在、かの竜はフォントノの町に住み着いている模様。

【報酬】働きに応じた額(竜への傷1つにつき500万MA)。

さらに討伐の暁には、働きに応じたふさわしい称号と追加報酬を与える。

――――――――――――――――――――――――



どうみても国家プロジェクト級です。本当にありがとうございました。



『さっさと受注して、フォントノの町へ行くバグ』


『(クエスト説明文見ろよ?!

国の騎士とギルド連合軍を使わないと勝てないと踏んでる相手だぞ?!)』


『まさか怖気づいたバグ?』



俺は勝てる算段がない勝負はしない。


俺には転移魔法と、意味不明なバグログのスキルしかないのだ。


どうやって勝て、と?



『誰もが欲しがるほどのチート能力を持ちながら、

わが身可愛さに引きこもるつもりバグ?』


『(……何だと?)』




俺が臆病者だって言いたいのか?


ふっ。


寄生虫の分際で、なめるな!




「討伐は無理でも情報収集くらいしてやらぁ!

クエスト受注!」


――――――――――――――――――――――――

ログ:

ギルド「マニィ信者の憩いの場」でギルド登録しました。

『疲れてるんだろバグ。放っておいたら良いバグ』

『さっさと受注して、フォントノの町へ行くバグ』

(中略)

大岩の竜討伐(SSSランク)が受注されました。


――――――――――――――――――――――――


ログが自動的に表示される。バグログのセリフが邪魔くさい。


俺は壁に貼ってある大陸地図をひったくる。

そしてフォントノの町の場所を確認。



「テレポート!」



転移魔法で、まだ見ぬフォントノの町へ飛んだ。






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