表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
2章 屋敷の一日~ギルド移転
49/66

49.サーヴィア無双


前回までのあらすじ。

マニィがサブギルドマスターになった。

皆で「クリムゾンワイバーン討伐|(Sランク)」の

クエストを受注し、出発した。

所持金約1億2627万MA(+貯金3億6800万MA)

――――――――――――――――――――――――



『レリックの町付近の森、通称レリックの森。

希少素材が採れるその森は、冒険者の格好の稼ぎ場となっていたのバグ』


『しかし近年、クリムゾンワイバーンのつがいがこの森へ移り住み生態系が大きく崩れたバグ』


『天敵のいないクリムゾンワイバーンは、またたく間にその数を増やし、森の魔獣は住み家を追われたバグ』


『今は森は「深紅の森」と呼ばれるようになり、近付くことは禁止されているバグ』



バグログの解説を聞きながら森を見る。


森は燃えている。



「消えない炎か、やっかいね」


「ワイバーンは亜竜だから、彼らの吐いた炎は油性インクみたいにその場に残り続けるですよ」


「ああ、体が火照ほてってきましたわ!」




森の魔獣の中には、この炎を取り込み炎耐性を得た者もいるらしい。


森の木々も消えない炎の影響で、炎耐性が身についたとか。

何ともたくましいことで。


また、消えない炎は、燃料いらずの炎ということでそこそこ高額で取引されている。


しかし深紅の森に入った者のうち8割は帰らぬ人となっている。


クリムゾンワイバーンが目ざとく見つけてくるからだ。

一度狙われたら最後、死ぬまで追いかけてくる。



「で、どうする? 1体ずつ引きつけて戦うか?」


「まとめてやっつけるねパパ♪」



サーヴィアは天に手をかざす。


手から根が伸び、上空まで伸びた根は、今度は横に網状に広がってゆく。



「サーヴィア、重くないのか?」



これだけ根があると、相当な重さになるはずだ。



「空に根を張っているから平気だよパパ♪」



サーヴィアが根を下にひっぱってみせるが、ビクともしない。


空に根を張るって、すげーな。さすが異世界。


根は森全体を覆い尽くさんとばかりに広がっている。



「で、これだけ根を張ってどうするんだ?」


「空から奇襲するんだよ♪ ん~」



サーヴィアが目を閉じ念じると、根から無数の眼がポコポコ生えてきた。



「ギャーですよ?!」


「SAN値直葬だな」


「恐ろしいのじゃ」



俺達はサーヴィアの仕業だって分かってるからいいけど、普通の冒険者が見たら失神ものだな。



◇ ◇ ◇ ◇



・冒険者フォルン視点



俺はフォルン。風の大陸3大ギルドの1つ「神託」のギルド長だ。


俺達のギルドは特殊な依頼受注形式を取っている。


普通のギルドなら、役場へ行き、依頼を見つくろい、それらを持って帰り、ギルド内で分担するという形式を取る。


対して俺達「神託」のギルドは、神の声を神託として承り、それを役場へ提出する。


そして役場は神託にのっとった依頼を作成してくれる。


神託によって作られた依頼は常に高難度だ。


例えばこのクリムゾンワイバーン討伐の依頼、危険度Sとなっているが、実際はSSくらいあるはずだ。


なにせ相手は普通のクリムゾンワイバーンではなく、餌が少なくて飢えたクリムゾンワイバーンなのだから。



「ギルド長! フルーテがやられました!」



仲間がまた1人死んだ。

だが今は死体回収どころか悲しむ暇すら惜しい。


俺達の算段が甘かった。


クリムゾンワイバーンの群れだけ・・なら、難なく依頼達成できただろう。


だが“アレ”は無理だ。


あの灼熱の巨竜は、かの大岩の竜に匹敵する強さだ。


あんなものが潜んでいたとは……!


すぐに全国のギルドへ伝えなければ!


む!



「熱線のぎ払いが来る!

お前ら飛べえぇええええ!」




俺は警告と同時に身体強化の魔法を全員にかけた。

そして俺達はジャンプする。


15mほどの跳躍。

すぐに直径3m大の灼熱の熱線が、俺達の真下を焼きつくす。


熱い! 熱耐性の防具を着こんでこの熱さかよ?!


俺は真下に氷魔法を連発するが、一瞬で蒸発してしまう。


このままだと、熱で溶けた地面に直撃して死んでしまう。



「な、なんだアレは?!」



仲間の1人が空を見上げる。


空から根が俺達の方へ伸びてきて、俺達を捕まえた。



「うわぁあああああ、眼がたくさん生えているーー?!」



仲間の言うとおり、根には眼がたくさん生えていた。


薄気味悪いが、今はそんなことを言っている場合ではない。


根に捕まって身動きがとれない。

これでは灼熱の竜の恰好の的だ。


もはやこれまでか。


そう思ったが、竜の攻撃がやってこない。


不思議に思い、ふと空を見る。


無数のクリムゾンワイバーンが、根に捕まえられ、絞め殺されている。



「ガァアアアアアア?!」



絞め殺されている中に、俺達が逃げていた30m大の赤い竜も見えた。


一体何が起きたというんだ?



◇ ◇ ◇ ◇




「ほー。あれがクリムゾンワイバーンか」




少し遠くに見える真っ赤なトカゲ竜。4mくらいだろうか。


そいつはサーヴィアの根に巻きつかれ、絶命していた。



「遠くの奴らも次々にやられているのじゃ」



ギルドカードによれば、既に725頭のクリムゾンワイバーンが討伐されたらしい。



「終わったよパパ♪」


「よしよし良い子(なでなで)」


「あ~う~♪」


「それじゃ、成果の確認だ。テレポート」



クリムゾンワイバーンの死がいを近くへ転移させる。


725頭分の山が高く積み上げられる。


1頭だけデカイ奴がいた。群のボスだろうか。



「とりあえず、依頼主に連絡してくる」


「冒険者さんはどうするの?」


「冒険者?」




サーヴィアの根が、サーヴィアの元へ戻り収納されてゆく。


その途中、根に絡まれた冒険者がいた。

地面近くで彼らが解放される。



「っと。ようやく放してもらえた」



青白い金属鎧に包まれた15人の冒険者。


彼らも同じ依頼を受けていたのだろうか。


ギルドカードには、クエスト「クリムゾンワイバーン討伐|(Sランク)」を完了した、と表示されていた。


貢献度を見ると、サーヴィアが75%、フォルン12%、あとは1%の冒険者がずらっと並んでいる。



「あんたら、クリムゾンワイバーン討伐の依頼を受けた冒険者か?」



俺が尋ねたら、冒険者の一人が顔を歪めた。



「我々を知らないのか? どこの田舎者だ?」


「おい、俺達は助けてもらったんだぞ。

部下が失礼した。俺はフォルン。

ギルド「神託」のギルドマスターだ」


「ギルドマスター?」



まだ20代前半に見える金髪の青年フォルン。


どうやら結構な大物らしい。


そいつが俺達に頭を下げた。



「強力な使役魔獣をお持ちのようだ。

助力に感謝する」


「サーヴィア、感謝されたぞ」


「パパ以外に感謝されても嬉しくなーい」



嬉しいことを言ってくれるが、目の前のフォルンが怒りださないか心配だ。


だがフォルンの関心は、積み上げられたワイバーンと、でかいワイバーンにあるらしい。



「このワイバーンの山は、全部その使役魔獣が?」


「おう」


「ギルド長。これだけのワイバーンの山をレリックの町へ運ぶには、高容量の収納袋が100は必要ですよ?」


「そうだな。

通りすがりの冒険者さん、よければ運搬を手伝いましょうか?

この量は大変でしょう。

俺達なら3往復くらいで町へ運ぶことができます」


「いや大丈夫。テレポート」



魔獣の山を、町のそばへ転移させる。



「消えた?!」


「転移魔法でレリックの町近くへ送った」


「転移魔法?! 神の使いしか使えない最上位魔法の1つ?!」


「いいねぇその新鮮な反応」



最近は俺の転移魔法を見ても、全然驚かない連中ばかりだったからな。



「よかったら、お前さん方も町へ送るが?」


「ほ、本当か?!」


「ああ。レリックの町の町長へ依頼完了の報酬を貰いに行くついでにな」


「じゃあ私たちは森で採取してるわね」


「新鮮な山菜がたくさんですよ」


「精力が付きそうなものがたくさんありそうですわ」


「遊角と一緒に行きたいが、ライレは町は苦手じゃ。

自宅へ送ってほしいのじゃ」



ローライレを屋敷へ転移させ、俺、サーヴィア、フォルンたち冒険者をレリックの町へ転移させた。


町長によれば、サーヴィアの今回の報酬は約4億MAとのこと。


だがフォルンによれば、あの巨大なワイバーンを討伐した報酬としては安すぎるらしい。

町長に抗議していた。


ワイバーンの山は、町のギルドが解体して買い取りしてくれるらしい。


後日報酬と希少素材は屋敷へ送られてくることになっている。


町長への報告が長引き、もう夜になってしまった。


俺はエルフ3人を森から回収し、屋敷へと戻った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ