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その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
2章 屋敷の一日~ギルド移転
48/66

48.マニィ、サブギルマスに就任する



前回までのあらすじ。

サーヴィアとローライレが「マニィ信者の憩いの場」に加入した。

所持金約1億5627万MA(+貯金3億6800万MA)

――――――――――――――――――――――――



一稼ぎすると言って屋敷から出て行っていた金髪の神マニィは、飛行船の一室でくつろいでいた。



「よお。屋敷に戻らないと思ったら、こんな所にいたのか」


「あら遊角さん。どうしました?」


「ちょっと頼みたいことがあってな」



俺はマニィに、サブギルドマスターになるよう頼む。



「いいですよ」


「てっきり断られるかと思ったが。神様は現世に過干渉してはいけないとか、そういう決まりはないのか?」


「それは人間の妄想ですね。

神様があまりに現世に無頓着で無関心なのが多いから、そういう風に誤解されがちなのですよ」


「ふーん」



マニィもボロ着を着ているあたり、見た目に無頓着らしい。



「とりあえず、ほい。お前のギルドカードだ」


「いただきましょう。がぶり」



マニィはギルドカードに咬みつく。



「……何やってんだ?」


「ぺっ。私は血が通ってないから、こうやって登録するんですよ」



――――――――――――――――――――――――

マニィ・ギンミィ

種族:ゴーレム(6821歳)

所属:金の神「マニィ信者の憩いの場」Sランク

Lv:206

職業:金の神

スキル:【大陸浮遊】【金の神マニィ】【物価変動】

【金運上昇】【値切り上手】【等価交換】【信者への恵み】

HP 4,809 MP2,098

力643 頑丈さ822 素早さ480 知識890 魔法力671 器用さ76

――――――――――――――――――――――――



「神様だけあってステータス高いな」


「自己鍛錬していますから。

他のグータラな神と一緒にしないでください」


「早速だが、サブギルドマスター頼めるか?」


「はい。この飛行船の仕事が済んだらギルドに向かいますね。

仕事の要望は?」


「とりあえずギルドに受付嬢が欲しい。

あと素材買い取りとか酒場とか一通りの機能だな」


「では先立つ物をいただきましょう」



マニィは両手を出す。

どれだけたくさん貰う気だよ。」



「100億MAくらいかかります」


「ふざけんな」


「それは冗談ですが、初期投資に2000万MAは必要です。

色々と足りない物を買ったり、人を雇ったりとするので」


「初期投資分だけで回るか?」


「私を誰だと思ってるんですか? 金の神ですよ?

あとはギルドで稼げる仕組みを作ればいいんですよ」



信者0人の神のくせに偉そうだな。



「まあいいか。ハーレムメンバーに強制労働させるわけにはいかないし」



マニィに3000万MA渡す。

現在の所持金は約1億2627万MA。



「ではサブギルドマスターに立候補します」



マニィのギルドカードが光る。


――――――――――――――――――――――――

マニィがサブギルドマスターに立候補しました。

ギルド員の3分の2以上の賛成により正式に

サブギルドマスターと認められます。

――――――――――――――――――――――――



俺のカードに、「マニィをサブギルドマスターとして認めますか?」と現れた。


賛成、反対を選ぶことができる。


賛成っと。


誰が賛成したかどうか分かるらしい。

俺の世界だったら個人情報漏えいで訴えられそうだ。


俺が賛成したことが他の連中にも分かったのか、シルフィーン、グノーム、イフリア、ローライレ、サーヴィアも賛成したらしい。


アマンサだけは反対だった。


賛成6反対1だ。



――――――――――――――――――――――――

マニィがサブギルドマスターになりました。

――――――――――――――――――――――――



「よし。これでギルドが少しはマシになるか。

受付嬢はいつ雇うんだ?」


「今日雇って、明日にはギルドで仕事させますよ」


「他の仕事も色々よろしく」


「金の神の力、見せてあげますよ」



今は飛行船で物資運搬を請け負ったりしているらしく、その仕事が終わったらギルド運営に協力してくれるそうだ。


マニィへの頼みごとが済んだので、俺は転移魔法でギルドへ転移した。



◇ ◇ ◇ ◇



俺がギルドへ転移したら、エルフ3人が依頼を掲示板に貼っていた。

スライムを使ったのりが、この異世界では使われているらしい。



「依頼を見つくろってきたわよ」


「おう、お疲れさん」


「高額依頼ばかりですよ。稼ぐですよ」


「ああっ! スライムのりがベトベトですわ!」



ギルドの掲示板に貼り付けなければ、ギルドで依頼達成したことにはならないらしい。


なので掲示板に貼り、それをはがすという二度手間をしている。



「ギルドで依頼達成した場合は、所属ギルドによって色んな追加報酬が貰えるのよ」


「あと、ギルドの依頼ノルマにカウントされるですよ」


「でもこのギルドは追加報酬がありませんわ」




追加報酬。

他のギルド、例えば「竜を討つ者たち」では武器や防具をプレゼントしてくれる。


「闇の屍」では、何かアイテムを貰えるらしい。


「勇者の集い」では、町の食堂がタダで利用できるとか。


各ギルドが創意工夫をして冒険者を引き寄せているのに対して、「マニィ信者の憩いの場」では何もしていない。



「マニィに追加報酬のことも頼むか」



俺は紙を取り出し、メモを書き、それをマニィの元へ転移させる。



「マニィって、遊角を呪ってた奴でしょ?

大丈夫なの?」


「使えない奴だったら、別の手段を考えるさ」



一応金の神だし、何とかしてくれるとは思うが。



「そんなことより、魔獣討伐へ行こうよパパ♪」


「おっと、サーヴィアがやる気だ」


「私もヤる気ですわ!」




俺達はサーヴィアの魔獣狩り練習のついでに依頼をこなすつもりだから、今回掲示板にあるのは全て討伐依頼だ。


マニィの浮遊島にはギルド「勇者の集い」があるおかげか、浮遊島以外の大陸からの依頼もたくさんある。


浮遊島から大陸へ行く場合は、普通は飛行船を使うのだが、使用料は10万MAを超えるとか。


ただし依頼料がべらぼうに高い場合、飛行船料金は大した問題ではなくなる。


ま、俺には転移魔法があるから、その辺の事情はどうでもいいが。



「サーヴィア、どれからやる?」


「これ♪」



――――――――――――――――――――――――

「クリムゾンワイバーン討伐|(Sランク)」

【依頼主】レリックの町の町長

【依頼文】風の大陸北東の、レリックの町付近の森に、深紅のワイバーンが住み着いた。

偵察部隊によるとその数は500は下らないという。

なるべく多く討伐してほしい。

【報酬】1体につき50万MA。

【期限】4ヶ月以内。

――――――――――――――――――――――――



「よし、行くか。テレポート」



俺達全員で、指定された場所へ向かった。



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