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その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
1章 イントロ~屋敷移住まで
36/66

36.拠点拡充


前回までのあらすじ。

屋敷に移り住んだ。

――――――――――――――――――――――――



夜、俺たちは居間へ集まる。



「お前らが欲しい物、施設、その他何でも言ってみろ」


『急に何を言い出すバグ』


「しばらくは転移魔法が制限されるから、今のうちに要望を聞いておこうと思ってな」



詰み防止用の施設を作る際は、転移魔法による魔法再現が出来なくなる。


つまり、転移魔法でチート魔道具を作る、などが行えない。

普通に転移魔法を使う分には問題ないみたいだが。


俺の予想では、詰み防止施設が完成するのに10日くらいはかかる。

その間、俺は弱体化される。


そうなる前に、先に女の子たちのご機嫌はとっておいた方がいいと思ったのだ。


まずはシルフィーンに聞いてみる。



「何か欲しい物や施設はあるか?」


「訓練施設ね」


「訓練施設?」


「そうよ。最近体がなまってるから、動き足りないの」


「ほいほいテレポート」



シルフィーンが想像してる訓練施設とやらを再現するよう、転移魔法に呼びかける。


ちなみにこの一帯の物はすべて自動修復機能が備わるようにしてあるので、いくら壊しても大丈夫だ。



「うわ! 湖の向こう側に射撃場が出来てる!」


「で、次は……」



シルフィーンが窓から飛び出して行った。飛べるんだったなあいつ。



「それじゃ、畑と養スライム所を要求するですよ」


「ほいほいテレポート」



養スライム所って、養鶏所のスライムバージョンだろうか?

とりあえず彼女の想像に任せて転移魔法だ。



「おお、本当に出来ているですよ、土の匂いを嗅いでくるですよ」



グノームは普通に扉を開けて、部屋から出て行った。



「わたくしは温泉が欲しいですわ。公共利用可能な」


「いいけど覗きはするなよ?」



門の傍にもう一つ、温泉施設用の入り口を設け、そこに温泉施設を作る。


普通の銭湯くらいの大きさだ。

さすがに某テーマパーク並にするのはやりすぎだろう。


内装を金と宝石で豪華にしたから、それで勘弁だ。

そして番頭に人サイズの猫型の石像を1つ付けてやった。



「わたくしも見てきますわ」



イフリアも窓から飛び出して行った。


それにしても公共施設か。

なるほどな。


利用料金をとる施設を作れば、ギルドであくせく働かなくても金が手に入るようになる。


欲望に忠実に見えて、彼女はやはり狡猾だ。



「お主の所業を見ていると、建築の神のことを思い出すのじゃ」


「そんな奴がいるのか」


「材料さえあれば、どんな建物でも作る変わった神なのじゃ」



俺にいたっては、材料まで魔生成してるけどな。



「ローライレ、お前の希望は?」


「遊角さえいてくれたら、何もいらないのじゃ」


「ならバグログ、お前は何か欲しいか?」


『俺様も何も必要ないバグ』


「ふーん」



欲のない奴らだ。

それが悪いわけでもないし、いいけど。



「ああ、一つだけ、欲しい施設があったのじゃ」


「ほぅ、言ってみろよ」



ローライレが言いづらそうにしている。

何か恥ずかしい施設かな?



「ライレの母上の墓じゃ」



ふざけた妄想をした自分を殴りたい。



◇ ◇ ◇ ◇



屋敷のそばに、3m大の黒い十字架を建ててやった。


また、棺桶を入れるための部屋を、その地下に作ってある。



「この墓の地下への入り口のハッチは、俺とお前しか触ることができないようにしてある」


「ふむ。ライレの子孫が使いたい場合はどうするのじゃ?」


「……俺と、ライレの家系の奴だけ開けられるように改造だ。テレポート」



ハッチを開け、中の地下室へ入る。


ライレは魔道具の皮袋から、棺を取り出す。



「母上の体はベルセリオに食いちぎられたが、この通り元通りじゃ」



棺を開けると、ローライレに似た、水色の髪の美しい女性が眠っていた。



「じゃが、魂はもはや冥界へ旅立っておるのじゃ。

体だけがこうして今も存在し続ける」



ローライレは棺桶の蓋を閉じ、ガチャリとロックする。


俺たちは地下室から出て、ハッチを閉める。



「……」



ローライレは手を組み、目を閉じて祈りをささげている。


俺も真似してみる。


魔王カミラさん、どうか娘さんを見守ってやってください。


かつての吸血鬼の王に、祈ることにした。



◇ ◇ ◇ ◇



ローライレはまだしばらく墓の前にいるらしかったので、俺は屋敷へ戻る。


マニィがいじけて閉じこもっている部屋をノック。


コンコン。



「はいってまーす」


「そういうボケはいらん」



落ち込んでいる様子でも無いので、遠慮なく部屋へ入る。


見事に何もない部屋だ。



「そうだ、各部屋の家具くらいは配置しないと。

テレポート」



転移魔法様に、家具を生成してもらい部屋に配置。


とりあえず俺たち7人分の部屋だけで十分だろう。


あらかじめ部屋全部に家具を配置しても、掃除が面倒になるだけだしな。



「あら、気が利くんですね」



マニィは現れた椅子に座る。



「お前はハーレムメンバーじゃないが、一応聞いておく。

欲しい物や施設とかあるか?」


「欲しい物や施設?」


「転移魔法で作ってやるってことだ」



頬に人差し指をあて、そうですね、と考え込むマニィ。



「では飛行船を1つ」


「飛行船?」


「神々の集会へ行く時、いちいち自力で飛んで行くのは面倒なので」


「自分で飛べるなら、いらないんじゃないか?」



神々の集会とやらは何か知らないが、神にもいろいろとあるのだろう。



「分かってないですね。遊角さんの転移魔法は、魔王並みのスペックなんですよ?

つまり魔王が作ったのと同レベルの物が作れるってことですよ?」


「なるほど。つまり超高性能の飛行船でらくしたいと」


「そういうことです」



俺は転移魔法があるからいいけど、ここは浮島。


普通だったら、よそへ移動するのも一苦労するってことか。



「よし、作るか。ちなみに、どんなのがいい?」


「風呂、寝室、トイレ完備。燃料不要。自動操縦機能搭載。

備え付けの給仕用ゴーレム20体に広間、ドリンクサーバー、カジノにそれから」


「……マニィの考えてる飛行船を1つ。テレポート」



聞いてるとキリが無さそうなので、転移魔法に任せることにした。



「ひょっとして、もう出来たんですか?」


「そうなんじゃね?」


「さっそく乗りこみましょう」



マニィはMA金貨を取り出し、指ではじく。



「私と遊角さんの2人、船内へ転移です」



俺とマニィは、部屋から転移させられた・・・・・



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