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その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
1章 イントロ~屋敷移住まで
3/66

3.バグログとの出会い


前回までのあらすじ。

町の広場に転移した。

――――――――――――――――――――――――




「今は……朝か」



根拠はないが、何となく雰囲気で分かる。

というかこの世界の太陽は楕円形に光っている。

気にするほどのことでもないが。


広場には地面に商品を広げた商人がたくさんいた。

ここは市場だろうか。商品を町の住人が眺めて、店主と楽しげに会話している。



「いいねぇ、この雰囲気。

と、こんな所で道草食ってる場合じゃねぇ」



異世界といえば冒険者ギルド。そこに登録しなければ。


あるよな? あって当然だよな?

ってか無かったら俺が作ってやる。



「すいませーん」



近くにいた、あまり繁盛してない暇そうな店主に声をかける。



「……?」



四角い帽子をかぶった、藍色の短髪をした褐色肌の女性店員だ。

年は俺とそんな違わないんじゃなかろうか。



「……あなた……が、私……の実験動物……?」


「ちょっと意味がわからない。じゃなくて道を尋ねたいんだが。

冒険者ギルドの」



そういえば、この異世界、当たり前のように言葉が通じているが、

そのあたりの仕組みはどうなってるのだろうか。

気が向いたら調べてみよう。




「……実験動物……じゃないなら……帰れ……。

……冒険者ギルドは……ここをまっすぐ行って……下着屋を左」


「あざーす」



どうやら冒険者ギルドも存在するようで助かった。



「……実験動物……になりたい……?

この水……あげる」


「お、喉乾いてたんだ、サンキュー。ゴクゴク……」




差し出された水を、何の迷いもなく飲む俺。

人の悪意も、何も知らない15歳。


……水に変な奴が混じっているとも知らずに。



「ぷはー。ごちそうさん」




俺は差し出された水を飲み干し、空きビンを返すと、冒険者ギルドへと走り出した。




◇ ◇ ◇ ◇




冒険者ギルドは閑古鳥かんこどりが鳴いていた。



「おいおい」



荒れ果てた大部屋。

掲示板にはクエストと思われる紙が数枚貼られていて、中央の四角いテーブルでは女性がすやすやと突っ伏していた。


年は多分17、8くらい。いかにも魔法使いっぽいローブをまとっている。

オレンジ色の長い髪は、二つにまとめて胸の前に垂れている。

というか胸デカイ。



「なんか思ってたより寂れてるな」



例えるなら、人のいないシャッター街。


冒険者ギルドってのは、無法者の溜まり場っぽいイメージなのだが、そもそも人がいない。



「んー、もう食べられないよー……スヤスヤ」


「とりあえずどうするかな」



この女性を起こすべきか、誰か他の人が来るのを待つべきか。



『そこの女はギルドマスターみたいだぞバグ』



突然、誰かの声が俺の頭に響いた。



「誰だ!」


『俺様はバグログ。お前にスキルとして寄生している、いわばスキル寄生虫バグ』



――――――――――――――――――――――――

【バグログ】

説明:勝手に誰かのスキルに紛れ込み、好き勝手語りかけてくる寄生虫。

語られた言葉は寄生された者以外には聞こえない。

うるさい以外は特に害はない模様。

なお、バグログに寄生されている者はログ開示という、変わった能力を使うことが可能。

――――――――――――――――――――――――



――――――――――――――――――――――――

佐倉遊角さくらゆうかく

種族:人間(15歳)

Lv:1

職業:なし

スキル:【転移魔法(魔王特製)】【バグログ】

HP 42 MP0

力5 頑丈さ3 素早さ4 知識2 魔法力0 器用さ2

――――――――――――――――――――――――


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