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その転移魔法、チートですよ?  作者: 気まぐれ屋さん
1章 イントロ~屋敷移住まで
27/66

27.アルス帰る


前回までのあらすじ。

遊角たちが昼飯の用意をしていると、目の前に手足を拘束されたエルフの男が転がってきた。

――――――――――――――――――――――――



「あらアルス。生きてたの?」



シルフィーンが呆れたように、男を指で突く。



「てめぇ! よくも俺を見捨てたな!

長に言いつけてやる! この裏切り者め!」



紫の髪のエルフ男はアルスというらしい。

口が悪いな。



「お前らの知り合いか?」


「同じ里に住んでた奴よ」


「敵じゃないんだな。よし、テレポート」



男の縄を手元に転移させる。これで彼は自由だ。



「あ? 何だ? 急に縄がなくなったぞ?」



アルスは立ち上がり、土を払う。



「それで、お前はどうして拘束されてたんだ?」



俺は彼に話しかけたが、



「人間風情が、俺に話しかけるな。このゴミめ」


「よし、その喧嘩、買った。テレポート」



ムカついたので、アルスを地上200mへ転移させる。



「は? え? え、え、うわああぁぁぁぁぁあああああ?!」



アルスが悲鳴を上げながら落ちてくる。



「助けてくれえぇぇぇぇええ?! 落ちる!

死ぬ、死ぬ、死ぬ!」



地面に落下する直前で、テレポートして速度を無くし、

別の場所へ着地させる。



「うわぁぁあああ、あ……あれ?

どうなって……?」


「スカイダイビングは楽しんでもらえたか?」


「お、お前! 一体何をした?!」


「その前に、俺に言うべきことがあるんじゃないか?」



失礼千万のアルスに対し謝罪を暗に要求したが、



「あ? 何を生意気言ってんだこのカスが」


「反省が足りないらしい。テレポート」




この阿呆は、喉元過ぎれば熱さを忘れる奴らしい。

なので今度は500m上空から落ちていただく。


そういえば摩擦熱で燃えたりするのか?

隕石みたいに。



『隕石やスペースシャトルが燃えて落ちてくるのは摩擦熱のせいじゃないぞバグ。

すごい速度で前面の空気を圧縮するから熱が出るんだバグ』


「へーそうなのか」


「うわぁぁぁあああああああ?!」


『まあ、この高さの摩擦熱くらいじゃ、燃えるにはほど遠いバグ』


「俺は15歳だぞ。摩擦熱の計算なんて分かるかよ」


『この世界にも物理の学問はあるから、誰かに教わればいいバグ』


「それもいいかもな。っとテレポート」



アルスが地面にぶつからないように、別の場所に転移させてやる。



「ああ……うっ」



アルスは気絶してしまった。ちとやりすぎたか。



「ステーキが焼けたですよ」


「仲間が気絶しているのはいいのか。

それにしても、料理上手だな。めちゃいい匂いがする」


「じゅるり……」


「グノームさんには、いつもお世話になってますわ」



アルスをほったらかして、俺らはステーキを食う。

俺がさっき座っていた石が、簡易ホットプレートになっている。



「はっ! 俺は一体?!」


「ほう、ほひはは(おう、起きたか)」


「ふぁっふぁふ、ふぁふぁへはいはへ(まったく、情けないわね)」


「ふぁ! ほほはひひへふへふほ、ひははひへふほ!

(うわ! お漏らししてるですよ、汚いですよ!)」


「ああ、クマさんのキン○マ、おいしいですわ……」


「ひんははふえふほはほ?!(キン○マって食えるのかよ?!)」


「お前ら、物を食べながら喋るなー!」



気絶から起きたらしいアルスは、俺達がハムスターみたくほっぺを膨らませながら食べてることに対して、お怒りの模様。



「(もぐもぐ、ごっくん)ほれ、お前も食えよ」


「何を、ふぐ! あー?! あつつつつ!」



転移魔法でアルスの口の中に肉を入れたが、肉が熱くてやけどしたのか、のたうちまわっている。



「まだまだ焼くですよー」


「おう」


「次はチ○コの肉を……」


「私は肝臓と心臓!」


「お前ら……」



アルスは起き上がる。

文句言いに来たんだろうか。



「(もぐもぐ)美味い! おかわりだ!」


「お前それでいいのか……」


「どうぞですよー」



俺達は筋肉クマを腹いっぱい食べた。


余った肉は、グノームがイフリアと協力してスモークしていた。

肉をいぶすことで保存が効いて、さらにお酒に合うらしい。



◇ ◇ ◇ ◇



エルフたちは、遊角抜きで話し合っていた。



「里には帰らないのかよ?」



アルスは3人のエルフに尋ねた。



「ええ。ギルドでお金稼ぎしつつ、他のエルフの集落が見つかればいいなと思ってるわ。

他の里で婿探しするのよ」


「私は本が読めて新しい食材で料理ができる、今の環境で満足してるですよ」


「里の男の裸は、見飽きたですわ」


「……男湯を覗くのは、こっちじゃ犯罪だから止めろよ?」


「合意の上なら問題ないですわ!」



相変わらずの赤髪エルフにため息をつく一同。



「で、あんたはどうするの?」


「いったん帰る。

お前らを無理やり連れて帰っても、あの野郎が取り返しに来そうだからな」


「遊角が? あいつ甘いから、案外許してくれるかもよ」


「あいつが許しても、お前らがその気がないんじゃ駄目だろ」


「よく分かってるじゃないの」


「お前らも馬鹿じゃないんだし、数年したらああやっぱり里の方がいい、って気付くだろ。

その時に迎えに来てやるよ。

とりあえず今は、長に3人が無事だって報告する。

俺は里で、修業を積んで……

……次は、あの野郎をぶっ潰す。俺に恥をかかせたことを後悔させてやる。

そして力ずくでお前らを奪い返す」


「へぇ……」




口先ばかりのアルスだが、その目は復讐の心で燃えていた。


里にいた頃は、向上心なんてこれっぽっちも見せなかった彼も、やる気になることもあるんだな、とシルフィーンは思った。

数年後、本当に実力をつけてくるのか楽しみだ。



◇ ◇ ◇ ◇



「で、お前を、お前の里にテレポートさせればいいのか」


「俺を指差すなクソが」


「忘れ物はないか? おみやげは持ったか?」


「忘れ物か……お前、名前は?」


「佐倉遊角だ」


「ふん。覚えたからな、クソ人間。次に会う時は、生まれたことを後悔させてやる」


「おーお、怖い怖い。お手柔らかに」


「……早く送れ、佐倉遊角」


「テレポート」




目の前の紫髪のエルフが消える。

彼の里に送られたはず。


俺の知らない場所にだって転移させられる、

転移魔法マジチート。



「さて、俺達も帰るか」


「肉の燻製くんせいもできたし、用意OKですよ」


「燻製って、もっと時間かかるはずじゃ?」


『あの煙の魔法、相当洗練されてるみたいバグ』


「わたくしだって、ヤれば出来る子ですの。

何が出来るってそりゃ子ど……」


「テレポート」



俺達4人は転移で憲兵詰め所まで移動した。




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